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#342 日本が受賞し続ける「化石賞」って何?

今年は11月30日から開催されているCOP。
COPとは、「Conference of the Parties」の略で、日本語にすると「締約国会議」。一般的にCOPと言った場合、とくに気候変動枠組条約の締約国会議のことを指す。
一言で言うと、地球温暖化についての対策を協議するための会議である。

1995年にドイツのベルリンで第1回の締約国会議が開かれて以降、世界各国の持ち回りで毎年開催され、今年はアラブ首長国連邦のドバイで開催されている。

COPの期間中、世界各国の環境NGOがつくる「気候行動ネットワーク」が、「化石賞」という賞の表彰を行っている。

「化石賞」は、気候行動ネットワークが気候変動対策に消極的だと判断した国に贈られる賞で、もちろん名誉なものではなく、皮肉をこめておくられている賞である。

日本はCOP7以来22回連続で化石賞を受賞している、化石賞の常連国である。

受賞の理由としては、「国内だけでなくアジア全体で石炭火力などを延命させ、再生可能エネルギーへの移行を遅らせている」という指摘がなされている。

あたかも日本が気候変動に対する取り組みが世界で最低レベルのごとく報道されている。

日本政府は「民間団体の活動に、政府としてコメントすることは差し控える」としながらも、「2050年に向けて水素やアンモニアなどを活用した脱炭素型の火力発電への置き換えを推進する。
加えて排出削減対策の講じられていない新規の石炭火力発電所の建設を終了していく」と発言し、脱炭素に向けた日本の取り組みに言及している。

化石賞の報道に関してはさまざまな指摘があり、CO2の排出量が多い中国やロシアなどは受賞していないことから、そもそも化石賞の選考が恣意的なのではないかという指摘がある。

また、化石賞はCOPの期間中毎日発表されており、受賞しているのは日本だけではない。
アメリカ、オーストラリアなど、他にも常連で受賞している国はあるものの、ほとんど報道されていない。

もちろん、日本国内では日本の受賞を報道するのは当たり前だが、化石賞は誤解が多い賞であることも留意する必要がある。

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