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「廃業するには、従業員を解雇したり、顧客を切ったり……」大宮の事業承継セミナー

埼玉県産業振興公社さんからのご依頼で、さいたま市で講演をしてきました。
大宮ソニックシティに50人くらいの方が集まっていただきました。

一部で私がお話させたいてだき、二部で実際に事業承継を体験された方のお話を聴ける機会でした。
全体的にとってもいい感じだった気がしています。

終了後、大宮駅で大好きなカニチャーハン食べて神戸に帰りました。



さて今回のブログでは、質疑応答の時間にあった質問の一つをピックアップすることにしましょう。

経営者と思われる方から、このような質問をいただきました。

「奥村さんの話を聞いて、廃業もありなんだと思えたら、気持ちが楽になりました。
ただそれでも、廃業となると、従業員は解雇しなければいけないし、お客さんなどのこれまでの関係性を終わらせなければいけないところが引っ掛かります。
このあたり、どう考えればいいのでしょうか?」

なるほど。
簡単には割り切れませんよね。

社長の皆さんは、情に厚く、責任感も強いので、こういったところで悩まれる方はたくさんいます。
わたしてとしては頭が下がるところであり、だから社長さんが好きです。

でも、あえて非情になって言わせていただきます。

「できないことで、クヨクヨ悩んでいるんじゃない」と。


社長は、永遠に社長を続けられるわけではありません。
廃業しか選べない会社もあります。
(それでも何も選ばないで倒産するよりはずっとマシです)


廃業となると、出来ないことばかりだし、すべての関係者が一番喜ぶ結末にできないケースがほとんどです。

でもそれは「仕方のないこと」だと理解することが必要だと思います。
社長も会社も万能ではないし、最低限の責任以上を求められる筋合いはありません。

資本主義の経済活動の自由の中で商売をしている私たちには、いつだって、やめる自由もあるのです。

自分を責める必要なんてありません。
みんなお互い様です。

まず、ここの認識がとても大切だと思います。
できないことは、できない。
逆に、できることだけやればいい、と。

では何ができるか。

立ち回り方次第では、関係者にかける迷惑は減らすことができます。

たとえば廃業を決めた際、水面下で同業他社と交渉し、お客さんの仕事や雇用を引き継いでもらえることは実務ではよく行われます。
こうすれば、部分的にであれ、価値を世に残せます。

早めに決断し、時間を作って行動すれば、すべてを無に帰さないで済む場合も多いところです。



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