奥村聡の「社長の歩き方」

廃業やM&A、社内承継など「会社の着地」を中心に、北海道から沖縄まで1000社を超える…

奥村聡の「社長の歩き方」

廃業やM&A、社内承継など「会社の着地」を中心に、北海道から沖縄まで1000社を超える支援。 社長人生によりそい、公私にわたる相談を受けてきた経験から、中小企業の『社長の相談役』を自負。平穏と仕事への集中のために貢献。 https://office-okumura.jp/

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  • 社長をヤメる大学

    最後は、社長をうまく終えるための方法を学べる学校。 どんな社長でも、いつかやめる日がきますから。

最近の記事

人生のピンチと避難訓練

昨日は「9.11」でした。 2001年のアメリカ同時多発テロのときは、ニューヨークの貿易センタービルに航空機が激突し、崩壊したビルでたくさんの方が亡くなられました。 そんな現場で、リック・レスコーラは、モルガンスタンレーの社員の命を救いました。 事件が起きる前から、社員に避難訓練を行わせていたそうです。 私は仕事がら、経営のピンチにかかわることが多々あります。 社長の人生のピンチという場面だってあります。 これらのピンチに対しても、避難訓練が必要だと感じています。

    • 「そんなこと書いていたっけ?」

      社長業から卒業された方が、楽しそうに日々を過ごしていらっしゃる報告をお聞きすると、本当にうれしいものがあります。 会社を背負っているときの精神的プレッシャーは、他の人にはわからないほど重たいものがあるでしょう。 社長本人ですら、社長を辞めてみたとき、はじめてその重たさに気が付くのかもしれません。 社長をやめた方からは、「こんなに体が軽いと感じるなんてはじめてだ」とか「世界が輝いて見える」とコメントを聞いたことは何度もあります。 昨日も、ほぼ会社の片づけが完了しつつあると

      • 大企業の仕事ってぬるくない?

        私は中小企業を顧客とする経営コンサルタントで、普段は社長と直接やり取りをしています。 ですので、大企業向けにコンサルティングの仕事をすることはないし、大企業に勤めたこともないに等しいので、その実態はよくわかりません。 そんな私が大企業と接点を持つケースは、だいたいクライアントである中小企業が、大企業の強い影響下にある場合です。 大企業に関わると、ほぼ毎回、仕事の進め方に違和感を抱く場面がありました。 まず、やたらたくさんの人間がかかわる違和感です。 西日本の私の顧客(

        • 視野が狭いか、論点の統合ができないか・・・

          「自分が社長をやっている中小企業の株式を買い集めたい」という話になったとします。 しかし、上場企業のように売り買いする場があるわけではありません。 そこで、顧問税理士あたりに「うちの会社の株式っていくら?」と聞いたりします。 税理士は、ある計算根拠をもとに数字をはじき出してくれるでしょう。 その株価を知って、社長は安心してしまいます。 でも、これだけでは、話が全然詰められていません。 そもそも売買には、相手方があります。 相手は、株式を売る気があるのでしょうか。 株

        人生のピンチと避難訓練

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        • 社長をヤメる大学
          15本

        記事

          とんでもなく暑くて、影響の連鎖について考えてみて・・・

          暑すぎるよ。ほんとにもう。 ホームページを閉鎖中のため、ブログを書くところがなくなってしまいました。 これからはnoteにつらつらと書こうかな、と考えています。 よろしくお願いいたします。 とにかく暑いわけです。 オリンピックだろうが、甲子園だろうが、ただでさえ暑いこの夏を刺激しないでほしい、と思うのは私だけでしょうか。 私が住む神戸は、同じ関西でも大阪や京都と比べるとまだマシです。 とはいえ・・・なのです。 うちはワンコを飼っていますが、日中はアスファルトが焼けてい

          とんでもなく暑くて、影響の連鎖について考えてみて・・・

          最終回 社長をヤメる大学卒業式

          おわりの日がやってまいりました。今日は、社長をヤメる大学の卒業式です。 入学式から数えると、みなさんにお話しさせていただく14回目の機会となります。 うれしいような、寂しいような。そんな最終回。 学生のみなさんは、がんばりましたね。学長の私もがんばりました。 振り返ると、余裕で1冊の本ができるくらいの文字を書き連ねていました。実際に、書籍としてヤメ大の講義をまとめられたらいいな、と今は思っています。 社長のおわりに待っている景色の全体像を伝える ヤメ大が目指したことは、

          最終回 社長をヤメる大学卒業式

          第12回 社長が死去。そのとき会社はどうなる?【社長の相続論】

          学生の方からメッセージをいただくことがあります。 みなさん真剣に、まじめに、重たいものを背負って懸命に悩まれていらっしゃいます。 本当に頭が下がります。 どうにか、行く先に光が見えることをお祈り申し上げます。 12回目の講義テーマは、社長の死去です。いわゆる相続問題です。 死について語るのはタブー視されがちですが、そのためにちゃんと問題と向き合うことができなければ本末転倒です。 ちまたでは、死という表現を避け、できるだけオブラートに包む表現をすることがよくあります。 た

          第12回 社長が死去。そのとき会社はどうなる?【社長の相続論】

          第11回 社長のための進路相談

          社長をヤメる大学の講義は、卒業式を入れて、あと3回となるはずです。 いやー、まだ終わっていませんが、それにしてもよくここまで続けてきました。自分で自分をほめてあげたいですね。 ここまで学び続けてきたみなさんも大変だったと思います。 そして、こんな孤独な取り組みを続けられた理由は、入学金を納めてくださった方がいたからです。心の支えになったというか、やらないといけない状況に良い意味で追い込まれました。まことにお金の効果は絶大です(笑)  ありがとうございます! 社長退任に向

          第11回 社長のための進路相談

          第10回 いつまでも決断できない社長に足りていなかったものは?

          講義を始めましょう。 今回のヤメ大は、みなさんの内面にフォーカスしてまいります。 もう学びに飽きてしまっていませんか? あと少しですし、ここからが踏ん張りどころですよ。 理屈だけじゃ前に進めない 私のコンサルタントとしてのキャリアは、司法書士という法律系の資格からスタートしました。 だから初期のころは、法律の技を使った提案をたくさんしました。 もちろん、検討に検討を重ね、自分ではベストだと思った提案をします。なかには、状況からして「これ以外の道なんてありえない」と感じなが

          第10回 いつまでも決断できない社長に足りていなかったものは?

          第9回 破産を回避し、自宅を守るために社長は退路を開拓すべし【倒産論】

          学生のみなさん、おはようございます。 この先は、強制終了について学んでいただき、自身の今後の計画立案を実施して、卒業という流れになります。いよいよゴールが見えてきた感じがします。 今日は、強制終了の一つである『倒産』について見ていきましょう。 前回は学長の私が、事業承継などの会社の着地支援を仕事とすることになったきっかけの事件をお話しました。あのケースも強制終了の中の倒産でした。 私は、すべての社長が倒産というものを一度は直視しておくべきだと考えています。たとえ起業してすぐ

          第9回 破産を回避し、自宅を守るために社長は退路を開拓すべし【倒産論】

          第8回 突然やってきた会社と社長のおわり

          学生のみなさん、おはようございます。 これまでの講義を思い返してみましょう。「社長のおわり」というものの全体像を見て、そのおわりには「強制終了」と「任意のおわり」があることを学びました。任意のおわりの各論として、廃業、社内承継、M&Aも見てきました。社長が自分で決着をつける場合の選択肢ですね。 一方の強制的なおわりについては、これから学びます。迷子にならないように、いつも全体に立ち返り、今私たちはどこにいるのかを確認しながら進みましょう。 今日はいつもと趣向を変えて、あるス

          第8回 突然やってきた会社と社長のおわり

          本日は休講です

          本日は、休講です。 内容的にひと段落したので休講にします。 (学長がサボりたかったわけではありませんよ!) ヤメ大の講義はこれからさらに深まっていきます。 この機に、これまでの復習や、未受講の講座を学んでください。 宿題や感想の提出もお待ちしています。 これまでの講義の一覧は、こちらです。  ⇒ これまでの講義一覧 《事務局からの連絡》①宿題・感想の提出 宿題の提出や、感想、質問は、奥村のホームページの問い合わせフォームからお送りください。  → 奥村のホームページ

          第7回 小さな会社でもちゃんと売れています!【M&A論】

          学生の皆さんこんにちは。今日もちゃんと出席していますか。 今日は、小さな会社のM&Aについてお話します。 もう一度全体から整理しておきましょう。まず、社長の退任には、強制的に終わらされる場合と、自ら終わりを創造する場合があります。後者のパターンとして、廃業、社内承継、M&Aがあります。2つ目まではお話をしました。今日は3つ目のM&Aです。 「うちは社内承継させるから、M&Aは学ばないでいいや」 こういう人は学生の中にいませんよね? ここまで学んで感じていただいていると思い

          第7回 小さな会社でもちゃんと売れています!【M&A論】

          第6回 従業員への承継は、資金力不足との戦い?【従業員承継論】

          講義を始めましょう。 6回目ですね。よろしくお願いします。 ご存じの通り、ヤメ大の入学金は8万円と設定されています。ただし、納めても、納めなくてもよいというルールです。 正直なところ、このアイデアを思いついたとき「とはいっても、払う人はいないだろな・・・」という感覚でした。 ところがフタをあけたら、数名の学生さんが入学金を納めてくれたのです!! おどろきましたね。世の中何が起きるかわかりません。 世界を変える力って、本当はこういうところにあるのかもしれませんね。 まず最

          第6回 従業員への承継は、資金力不足との戦い?【従業員承継論】

          第5回 子供に会社を継がせたいならこれはNG【親族承継論】

          学生の皆さん、こんにちは。 入学式から数えると、すでに5回の講義をお届けしていますが、ヤメ大はどうでしょうか?  いろいろな感想があることでしょう。 もしかしたら「話が回りくどい」「もっと簡素に書いてほしい」といったことを感じている方がいるかもしれません。この点については、あえてそうしている面もあり、弁解をさせてください。 今の世の中では、とにかく時間をかけないで済ませることが良いこととされているようです。『タイパ』なんて言葉も生まれています。2時間も映画を見るのは時間がも

          第5回 子供に会社を継がせたいならこれはNG【親族承継論】

          第4回 会社の清算を見すえれば経営と人生の質が変わる【廃業論】

          学生のみなさん、おはようございます。 前回までで、皆さんに社長をヤメる大学で学んでいただきたいものの全体像をお見せしました。 とても大切なはずなんですが、ちまたでは語られない内容なんですね。みなさん視野が狭いし、自分の仕事になるところ(稼げるところ)しか興味がありません。だから一番儲かる「会社はM&Aで売りましょう」というメッセージばかりが喧伝されたりします。 我らヤメ大の学びは王道を歩んでいきますよ! いつか社長をヤメるときは絶対にやってくる。そのおわりをGOODなものにし

          第4回 会社の清算を見すえれば経営と人生の質が変わる【廃業論】