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[エッセイ]人生の方途の中で

 私は何のために生きているのか? なぜ生まれたのか?

 いつも考えても明確な答えは浮かんでこない。

 懸命に1日を生きていても、自分の至らないところが大きく見えて他人をうらやんだり、努力しているつもりでも結果を出せなかったり、自分が意図していなくても他人からは拒絶されたりすることもある。

 私が何のために生きているかを自問するとともに、なぜ世の中を厭(いと)わずに社会から離れることなく、それでもなお生き続けているのか考え続けることがある。どんなにつらくとも、悲しい気持ちになろうとも、自棄になったり自ら命を絶とうとは思わない。ひとつの問いかけが浮かんだ気がした。

「あなたが生まれてから世界は美しくなりましたか?」

 私はこの質問に対して、まだ胸を張って「イエス」と答えることができない。私が生まれる前も生まれた後も、世界が美しくなったとはお世辞にも言えない。むしろ、ますます不安と悲しみの雲に包まれているように思える。しかし、いつかは自分が生涯を振り返るときに「イエス」と答えることができるようになりたい。今は、毎日の生活をめいっぱい頑張ることしかできない。自分の暮らしを守ることしかできない。他人を愛することができない。しかし、いつかは自分だけではなく、私にかかわるすべての人を明るく照らしたいのだ。

 80億人が生きるこの星の中で、私1人の存在はちっぽけなものだ。それでも、「あなたが生きていてくれて本当に良かった」と誰かに思っていただけるのなら、これほど素晴らしいことはないのではないだろうか?

 今は1人で生きることがやっとでも、いつかは人々を明るくしたい。幸せにしたい。世界を美しくしたい。このAmbitionを強く胸に銘じたい。
 そして、毎日毎日を一歩一歩進むことができるように精進したいのだ。

2022.8.28

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