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長崎街道10 矢本宿→長崎大手橋〔完〕

2023年9月、西国街道を歩き終えた夜の下関で関門海峡を眺めていると、長崎街道の起点 門司の灯りが間近に見えます。なんだ、近いじゃないか長崎街道!
憧れの長崎街道、鎖国の頃に異国文化を運び、シュガーロードもと呼ばれた、文化交易の大動脈。北九州から長崎を目指します。

2024.01.09

1.真冬の装備

ショルダーバッグ

荷物は1グラムでも軽くしたい。そのこだわりで、冬でもショルダーバッグひとつで、長期間歩ける装備品を厳選。下の画像が今回の旅の全装備品です。

全装備品

本当に寒いのは、歩き始めの1時間と、風が強い時だけなので、その時間帯に耐える事ができ、暑くなったら脱いでコンパクトにたためる服が必要になります。

折りたたみ型袖無しダウンベスト、これはとても便利です。下の画像の様に、脱いだらたたんで、カラビナに引っ掛けられます。

折り畳み型袖無しダウンベスト

忘れてはいけないのが雨対策。
レインコートを防寒具としても活用し、使わない時はこちらも、下の画像の様に折りたたんで、カラビナに引っ掛けます。

カラビナに引っ掛けたレインコート

服はローテーションで洗濯したり、工夫しながら日々過ごしてます。


2.矢本宿

本日の朝食
お世話になった宿泊施設

泊まった宿は、現場で働く方々が長期滞在する商人宿。朝食が朝6時から用意頂けるので、本当に助かりました。

東長崎カトリック教会
長崎総合科学大学の寮生

坂が多い長崎で、自転車はあまり見る事が少なく、上の画像の風景は、案外と珍しい風景なのかもしれません。

坂のまちらしい歩行者専用の坂 
坂道が始まりました
結構な急坂です
路面の紋様
橘湾

いやぁキツい坂でした。
峠道好きなんですけど、舗装道路だと疲労が倍に感じます、橘湾を眺めて一呼吸。

街道の風景
従是北佐賀領
街道をふり返る
階段を降ります

長崎市内らしい、階段歩きの街道歩き。この先も楽しみです。

国道34号
腹切坂
腹切坂 説明看板
光芒
断崖建築物

上の画像のハーレーダビッドソンのショップ、断崖に寄り添う様に建っていて、一番上の白い部分が店舗のフロアー、反対側には国道34号が走っており、この様な建物を断崖建築物と、勝手に呼んでいます。

断崖建築物といえば、忘れられないのが中山道の福島宿。
木曽福島駅ロータリー前の商店街が断崖建築物で、あまりの迫力に下まで降りて見上げた時の画像↓

(2021.06.27 中山道 福島宿)
(2021.06.27 中山道 福島宿)

香港にかつてあった九龍城を彷彿させる佇まいでした。
福島宿は街が崖の上と下に分かれており、崖の上を"上の段"、崖の下を"下の段"と呼ぶエリアがあります。上の段の街並みがあまりにも美し過ぎて、夕方・夜・朝と3回も散策しました。
詳しくは↓


3.日見宿

宿町公民館
洋菓子 トロワ エ キャトル
街道の風景
日見の宿跡石碑
日見の宿跡 説明看板

日見宿は矢上宿から一里程の距離、あっという間でした。
いよいよこれから最後の峠、西の箱根と呼ばれる日見峠を超えます。

馬川
たけりな珈琲
坂の上からふり返る
界一丁目 カッコいい地名
給水塔だらけ

物凄い数の給水塔です。
給水塔といえば、街道とは全く関係ありませんが、前職で沖縄勤務していた時に、街の給水塔の多さが気になり、YouTubeにまとめた動画がありますので、ご興味がある方はどうぞ↓


1階なのに203
マイ階段

坂の中に街があるので、建物は傾斜地に建てられます。道路に面しているアパートでは、1階かと思ったら玄関に203の表札があったり、どの家にもマイ階段があったり、独特の風景がどこまでも続きます。

石垣と街道
焚き火の煙
街道の風景
岩這薬師堂
歯痛観音
歯痛観音 説明看板
番犬

街道を歩いていて、一番多く出会う哺乳類は猫で、その次が犬です。今まで出会ったその他の哺乳類は鹿と猿、畜産の牛、猪と熊は今のところ足跡のみです。

犬に一番多く出会うのは朝夕の飼い主様との散歩中、その他の時間に会う犬は座敷犬が多く、部屋の中のカーテンの隙間から吠えてます。上の画像の様な外にいる番犬はレアケース。

街道で想い出深かった犬は、中山道で妻籠宿から馬籠峠に向かう途中、早朝の大妻籠で会った芝犬。

つながれていない柴犬が、背伸びをしています↓

(2021.07.11 中山道 大妻籠)

眺めていると、視線を合わせずにこちらにトコトコ向かってきます↓

(2021.07.11 中山道 大妻籠)

くるりと回って、近くまできて、撫でて欲しい様な仕草↓

(2021.07.11 中山道 大妻籠)

たまらなく可愛かったです。 
こんな顔されたら、そりゃ撫でますよね。


焚き火の煙
石垣と街道
稲荷大明神
常夜灯
石垣と街道
恵比寿様
地蔵堂
石垣と急坂
水仙と急坂
蜜柑
右の階段を昇ります
芒塚バス停

なかなかの激坂道でした。
昇り切った辺りが、長崎自動車道と旧国道34号で寸断されており、間違えると激しい坂を降りて戻る事になるので、慎重に勘を頼りに日見峠への道を予測しながら進みます。


4.日見峠

登録無形文化財 日見トンネル

日見トンネル。
大正15年開通、登録無形文化財のトンネル。長さといい穴の大きさといい、全長642m・幅員7.4mは、当時日本最大規模だったそうです。

日見トンネル 説明看板
長崎自動車道
芒塚句碑
芒塚句碑 説明看板
矢上宿方面の眺め

ふり返ると、かなり昇っていました。
山道を昇ってきたわけでは無いのですが、街中の坂道だけでここまで標高が高くなるとは、長崎市の劇坂、恐るべしです。

山道に入ります。
竹林
辻地蔵
日見新道 切り通し
日見新道 説明看板

日見新道。
2枚上の画像のV字の切り通し、明治時代に人が切り拓いた道、その深さは33mもあり、当時は通行料を徴収しておりました。
ここを通れば一瞬なのですが、本日は往時の峠道を昇ります。

日見峠
日見峠番所跡 石垣
日見峠番所跡 説明看板

日見峠。
先程紹介した、明治時代の日見新道の切り通し工事で、日見峠は寸断されてしまいましたので、近くの山道を迂回します。

石垣

途中に山城の様な立派な石垣が積まれています。画像では伝わりきれませんが、道のないこの場所に、誰が何の目的でどうやって石を運んで造ったのか、本当に不思議な空間でした。

貯水槽
地震神社
石垣
社殿
社殿からの眺め
鳥居と集落

地震神社。
不思議な名前の神社、由来など調べましたがわからず。それにしても、地震は本当に起きない欲しいものです。
この神社、物凄い急斜面に建っており、降るのに一苦労しました。

石垣
猪の罠
日見新道 切り通しをふり返る

日見新道の切り通しを通らず、日見峠の山道を歩き地震神社を参拝し、要した時間は約20分。
日見新道の切り通しの距離は150m標高差ほぼ無しで歩いたら約2分。所要時間が1/10、土木技術は凄いですね。

長崎の街並み 左奥が稲佐山
集落の家々
新茶屋跡
林道 道間違えてました

街道沿いの山は人の手が入っているので、上の画像の様な、材木に使われるスギやヒノキなどの、真っ直ぐに成長する針葉樹や竹が多いです。
重さが軽く材木に加工しやすいので、多くの山々には針葉樹が植林され、花粉症の原因になったとも言われてます。
葉っぱが紅葉して落ちる事がないので、多くが常緑樹と呼ばれてます。

広葉樹と竹林

針葉樹に対し、広葉樹は読んで字の如く、広い葉っぱの樹。秋になると紅葉し冬になると葉が落ちて、春になると新緑が山を彩る、四季を通じて美しい樹々です。
上の画像は、竹林の中に混ざる広葉樹。

落ち葉の道

いつの間にか周りの樹々が広葉樹になっており、綺麗な落ち葉の道になってました。

石積み技術


5.本河内

急な降り坂
急な降り坂

道を間違えていたので、街道に戻るために、集落の中を通りります。
街道歩きの人や、ハイカーが歩かない道なので、ショルダーバッグひとつで歩いている私は不審者に見えるのでしょう。どこに行くんですか?と声かけらちゃいます。
お邪魔しました。

本河内高部ダム ダム湖
本河内高部水道施設 説明看板
本河内三丁目公民館
本河内高部ダム

街道のルート上に戻るも、そこにはダムがあり、往時の道はダムの底かもしれません。

街道の風景
猫と街道
ふっくら猫
国道34号に合流
本河内低部ダム ダム湖
猛禽類
カトリック本河内教会
鳥栖から134km
本河内低部ダム

左住宅地、右ダム。
ダムと街が共存してます。坂の街長崎らしいと言って良いのか、不思議な風景でした。

松嶋稲荷神社
松嶋稲荷神社 説明看板
恵比寿様(不呆尊神)
不呆尊神 説明看板
松嶋稲荷神社 拝殿
松嶋稲荷神社 参道


6.起点 大手橋

一ノ瀬橋
蛍茶屋跡
蛍茶屋跡 説明看板
一ノ瀬橋
長崎さるくモデルコース
中島川
市電 蛍茶屋 車庫
旧長崎街道 地図
街道の風景
市電 蛍茶屋車庫

蛍茶屋車庫。
ファミレスと中古品店販売店と一体化している、不思議な建物です。

蛍茶屋駅
街道の風景
洋菓子 ARITA
国道34号から右に入ります

国道34号から別れ、そろそろ長崎街道の起点に近づいてきました。
この先にある商店街が起点らしいです。

街道の風景
長崎中川郵便局
古橋 長崎市指定有形文化財
シーボルト通り 石碑

この近くにシーボルトが住んでおり、この道を歩いていたそうです。シーボルト、名前は聞いた事ありますが何をした人なのか?

1796年生まれのドイツ人医師、オランダの命令で1823年に27歳で長崎に来日。医学を教え、1826年にオランダ商館長の江戸参府に同行。
この時に集めた日本調査の品物の中に、日本から持出禁止であった地図などがあり国外追放となります。
1859年に国外追放が解かれ、再来日し再び長崎に3年住み、帰国後の1866年70歳の生涯を終えます。

櫻馬場中学校 長崎甚左衛門純景居跡
長崎甚左衛門純景居跡 説明看板
街道の風景
シーボルト通り石碑
坂本龍馬と長崎街道
シュガーロード説明看板
桜馬場公民館
天満宮
ラクダも歩いた長崎街道

長崎街道で、像が歩いた説明看板は時々目にしますが、ラクダは始めて見ました。きっと他の珍しい動物も歩いたのでしょうね。

街道歩きの中で、象が歩いた説明看板の中で、印象的な5枚を紹介します。

(2021.08.22 中山道 武佐宿)

中山道で初めて見た時は衝撃でした。

(2021.08.22 中山道 草津宿)

日本一の規模を誇る、草津本陣でも紹介されています。

(2022.11.10 京街道 枚方宿)

京街道の枚方宿では、像が滞在した時の建物断面図まで描いて、丁寧に説明をしてます。

(2023.01.08 姫街道 引左峠)

東海道の脇往還、姫街道の引佐峠では、象が悲鳴をあげた坂を、象鳴き坂と名付けています。

(2023.12.24 長崎街道 小倉宿)

小倉城の中では壁一面を使って象の絵を描いて説明してました。


”長崎街道ここに始まる”の石碑
新大工町商店街
ベーカリー 、まいにち
和菓子 長崎屋
和菓子 文明堂
和菓子 平井餅まんじゅう
長崎新大工町郵便局
街道をふり返る
大手橋

大手橋。
長崎街道の起点が新大工町商店街なので、大手橋を起点とみなし、これにて長崎街道終了。
次回は長崎から歩く事になると思います。

長崎街道への入口
往時の風景
長崎街道地図

この後は長崎市内観光。
時間があまりないので、諏訪神社に無事到着の御礼参りと、中島川の石橋巡りを楽しんで、最後の長崎ちゃんぽんを食べてからから帰路に就きます。


7.石橋巡り

街路樹間伐の職人カッコ良すぎ
諏訪神社 一の鳥居
長崎の神社の階段は長い・・・・
拝殿
ひぐちグループのベンチ
大門と親子と長崎の街
大門から参道を望む

(1)桃渓橋

桃渓橋
桃渓橋 説明看板

(2)大井手橋

大井手橋
大井手橋 説明看板

(3)編笠橋

編笠橋
編笠橋 説明看板

(4)古町橋

古町橋
古町橋 説明看板

(5)一覧橋

一覧橋
一覧橋 説明看板

(6)芊原橋

芊原橋
芊原橋 説明看板

(7)東新橋

東新橋
東新橋 説明看板

(8)魚市橋

魚市橋
魚市橋 説明看板

(9)眼鏡橋

眼鏡橋
眼鏡橋 説明看板

(10)袋橋

袋橋
袋橋 説明看板

どの橋も趣があり、眼鏡橋も自然と風景に溶けこんでました。

8.帰路へ

中島川をふり返る
本日の昼食会場

オフィス街の路地裏に、ちゃんぽんの幟を発見。

中華屋 竹林

ビルの2階なので、店の雰囲気が全く見えませんが、旅の最後に一発勝負。

いただきます

美味しかったです!
ひっきりなしに、近隣で働いている人たちが食べに来てました。きっと美味しい店なんでしょうね。

夜景スポット 稲佐山
市電
長崎駅

長崎駅。
新幹線が開通し、駅前再開発の真っ最中、立派な駅になるのでしょう。

懐かしい感じのバスターミナル

長崎空港までバスで移動。
バスで移動中に、歩いた街道を車窓から探すのが大好きです。

右下の公園の横を歩きました
右端の山の麓の道を歩きました
左側の歩道を歩きました

日見峠の下をトンネルで一瞬で潜り抜け、大村湾を眺める高台を走り抜け、あっという間に長崎空港に。

ENEOS ローリー
永昌宿 酒蔵 杵の川 黎明

飛行機をみながら一杯。
このお酒美味しかったです。

大浦湾
ハウステンボス
ブロッケン現象
夕陽と富士山
三浦半島 相模湾 富士山

幻想的な富士山にみとれながら、あっという間に羽田空港に到着。

羽田空港 サロンパスの広告

羽田空港にサロンパスの広告。
長崎街道の田代宿に本社があった、久光製薬の看板商品の広告。懐かしくもあり、嬉しくなります。

次に長崎街道を歩く時は、長崎大手橋から歩き始め、次の7つの項目を楽しみます。

1.キリシタン文化の史跡
2.大村宿 福山家の五色塀武雄温泉元湯
3.佐賀城と水路
4.佐賀県内でハンバーグ
5.飯塚宿 旧伊藤伝右衛門邸
6.直方市石炭記念館
7.福岡県内牧のうどんとウエストのうどん

次の長崎街道の目標


9.帰宅後の嬉しい2つの話

(1)街道冒険家とのつながり

(2024.12.27 佐賀市内)

神崎宿の手前で知り合った、野宿しながら街道を歩いている街道冒険家、再会を誓って別れました。

(2024.01.24 東京日本橋)

年明けに東京日本橋で待合せし再会して、そのまま街道仲間と新年会。約束を果たせました。

街道冒険家と知り合った際のレポート↓


(2)嬉野温泉で知り合ったふたり

(2024.01.06 嬉野宿)

嬉野温泉の居酒屋カウンターで知り合った遠距離恋愛中のカップル。
結婚はいいぞいいぞと、もう一人のカウンターの常連さんと、ダラダラとしつこく絡んでいました。

(2024.01.22 LINEにて幸せのご報告)

その後、婚約しました♡
と心温まるご報告をいただきました!
お幸せに〜

おふたりと知り合った時のレポート↓


これにて長崎街道はおしまい。
次は福島県浜通りの、陸前浜街道を歩く予定です。

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