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単身赴任と120年前は無人島・大東島へ15時間の船旅②【タビアト編】

沖縄に単身赴任中に行ってみたい島はどこか、未踏の島の中から絞り込むと、与那国島・波照間島・伊平屋島・伊是名島・粟国島・鳩間島・北大東島・南大東島が浮かんできます。そして今回選んだ島は、北大東島・南大東島。驚きの連続の1泊3日の船旅をレポート

18.港と船のご案内

船内は泥酔客のトラブルがあってから禁酒なので、泥酔しない程度に43°の泡盛で燃料チャージ!
〜トリカワポン酢・ブーチャンプルー・島豆腐・トマトカレーかけ沖縄そば〜


出航の港は、生活物資を運ぶ際に危険物なども積む影響だと思うのですが、離島客船ターミナルの那覇市泊の"とまりん"ではなく、貨物ターミナルの那覇市曙の"那覇新港ふ頭"からの出航。
公共交通機関が無いのでタクシーで向かいます。タクシーの運転手さんと大東島の話で盛り上がっていたら、島の岸壁で釣りすると遠洋で釣れるような魚が釣れるらしいと聴いて、釣りしませんけどテンション上がってきました!
ちなみに沖縄ではタクシーも公共交通機関です。何故なら小学生がタクシー乗ったり、近くのコンビニに行くのもタクシーで行く人がいるそうです。


客船待合所を抜けると、乗船券を買った時に渡されたアバウトな地図片手に、トレーラーやフォークリフトがビュンビュン行き交うふ頭を恐る恐る歩くうちに、人は誰も歩いてないので、だんだん不安になってきたので、警備員さんに道聴いたあの奥だよと言われて、ようやく出会えました!大東丸様!


いたいた、隣の大型貨物船と比べると大人と子供くらいの差があってかわいい、ていうか太平洋シケたら揺れは凄いんだろうなと、訳もなく燃えてきました!


お兄さんにチケット渡して船内に、下船時まで船員さんの姿をみることはありませんでした。


パブリックスペースは電子レンジ、自販機でカップヌードル醤油とシーフード200円、お茶160円、シャワーは無し、トイレ綺麗でウォシュレット付き。
左右に同じように椅子とテレビがあり、BSが視聴可能。自由にチャンネルを変えられます。


寝室は二段ベッド、常にまぁまぁの揺れが続いてますので、先程のパブリックスペースは食事以外は人の姿が見当たらず、殆どの乗客はこのベッドに横たわり過ごしてます。なぜ横になるかは後程解説。
Wi-Fiはありませんが電源はあります。電波は殆ど通じません。


19.絶対酔わない船酔い対策

那覇空港第二滑走路を横目に沖縄本島さようなら。


夕陽ギラギラ。いつもは近所の瀬長島から夕陽を眺めているのですが、今日は洋上から、少し太陽に近づいた気分。


影がみえたら急に粋がるオッサン(俺)。何やってんだろうか…


日が沈み、糸満市の喜屋武岬(きゃんみさき)を過ぎたあたりから敵が現れました、ユーラユーラドンブラコ!揺れとの戦いのゴングが打って鳴らされました!


エチケット袋は枕元やパブリックスペースに置いてあります。あると安心ですね。


ここで俺秘伝の酔わない方法を教えましょう!
船の進行方向に足を向けて横になり、真上を見上げるだけ。
これだけで、不思議と酔いません、本読んでても酔いません、是非試してみてください!


20.北大東島接岸

ぼ〜っと寝てたら、いつの間にか北大東島が姿を表してました。"うふあがりじま"、"うふ"は遠い、"あがり"は東、はるか東の島という意味で呼ばれています。


さぁクレーンが待ち構えてます。何故か緊張が走ってきました、港湾労働者の皆さんのテキパキした仕事を眺めるのが楽しみ!


いざ接岸、手際よく荷物が吊るされていきます。荷物の形状によって、吊り下げる紐や金具が違っていて、初めてみる光景に時間が経つのを忘れます。


おやおや、山羊さんも乗ってたんですね。ペアで乗ってます、ペット用・食用、どっちなんでしょう。不思議な光景でした。


トラックもヒョイっと軽々と。どんな重たい荷物もヒョイっと音がしそうな感じで、次々と運んでいく。クレーンの操縦士さんは、ユーフーオーキャッチャーが上手いのだろうかと、どうでも良い事を考え始めていた。


この支柱は何に使うんだろうか、よくこんなに大きな物が20本近くも積んであったなぁと感心感心。この支柱をフォークリフトがヒョイヒョイと、バランスよく運んでいく様子が面白かったです。


ドラム缶にプロパンガス、どんどん手際よく下ろされていきます。危険物と一緒に太平洋を渡ってきてたんですね。いやいや危険物ではありません、島には欠かせない生活インフラです!


最後は、大東丸様が接岸時に錨をおろすお手伝いをしてくれた小舟も吊るされます。クレーンの下に小舟が到達すると5秒後には釣り上げられて30秒後には荷台に乗せられます。テキパキテキパキ見ていて心地よい動き。


21.南大東島上陸

北大東島から南大東島まで30分くらいで到着、さてこのゴンドラに乗って、吊るされるとしますか。乗客は写っている方々と私の9名、観光で来ていたのは私だけのようです。


結構な高さまで吊るされて、いざ上陸!30秒くらいの出来事で、外から見ている方が楽しそうです。


港に着いたら宿の方がお迎えに来ているはずが見当たらず…。電話したら、あっ忘れてました、今から迎えにいきます…。それまでの時間大東丸様の荷下ろし作業を眺めてました。


宿泊したホテルは地上4階建の立派な建物。宿泊されているのは私以外は工事関係のお仕事の方々。何を作っているのか興味があります。


早速バイクをチャーター、4時間1,000円、24時間2,000円の魅惑のプライス。レンタサイクルもありますが、島の淵がクレーター状態になっており、そこだけが結構なアップダウンなので、バイクをお勧めします。同じ様な金額で電動アシスト自転車も島にはあるそうです。


こんな格好で島巡り開始!紫外線対策と朝晩の寒さ対策で、長袖持ってきてて良かった。


22.島でみかけた内地の文化

沖縄唯一のお地蔵様。確かに沖縄本島にはお地蔵さん見かけません。私は内地の人なので、なんだかほっこりします。


墓地では内地のお墓と沖縄のお墓が仲良く同居。墓地といっても広々としていて、公園のようです。ご先祖様お邪魔しました〜。


開拓者、ベンチャー玉置半右衛門さんの上陸記念碑。1900年1月23日、八丈島から精鋭23人が上陸。覚えやすい数字なので、スラスラ言える様になりました。
実際半右衛門さんはオーナーで当時60歳だったからか、上陸してなくて、船長さんなどの名前も刻まれていた。島の中には記念碑がやたら多かったです。


サトウキビ畑の中の、暴風林に囲まれた長〜い表参道を抜けた先にある秋葉神社。島に高校が無い為子どもたちは中学卒業と同時に島を出ます。島の伝統行事で、15歳の親と子供が相撲をとる舞台がこの神社です。


島一番のお祭りの大東宮祭の舞台、大東神社。祭りでは神輿・花火・奉納相撲、完全に江戸文化ですね。写真見て気付きましたが、石灯籠も狛犬も沖縄本島では余り目にしない気がします。


23.お食事を一気に紹介

2日目お昼、大東寿司と大東そば。寿司のネタは八丈島風で、マグロやサワラのヅケが載った握り。そばの麺はうどん風で汁と具は沖縄風。チャンプル文化ですね。


2日目夜、魚のフギ炒めとマグロの刺身。フギとは内臓のこと、腸の輪切りみたいなコリコリした具でした。楽しみにしていた深海魚のナワキリは入荷していなかったです。
脂身が多過ぎて消化が悪く、食品衛生法上では販売は出来ないのですが、インガンダルマという深海魚が美味しいそうです。お店からの無料の提供という形なら、出しても良いらしく、食べすぎると脂身がお尻から漏れるそうな…。長旅の船があるので今回は頼むのは控えました。


3日目朝、コロナの影響で仕出し弁当。ホテルの部屋で寂しくパクパク。


4日目昼、商店で買った牛丼。船内パブリックスペースの電子レンジでチンして、揺れる中、暗黒の太平洋を眺めつつパクパク。


こちらは魅力的な社交場。中心集落には飲み屋さんが15軒はあった、人口に換算すると100人に1軒の飲み屋さんがあるのか!

24.絶叫の世界

バリバリ岩、恐る恐る洞窟を抜けた先にある割れ目の底の世界。更に奥にも洞窟があるのですが、真っ暗なのでやめました。ひとりでくるには少し勇気が要ります。


星野洞、保存状態・スケール感のバランスからみてどうみても日本一!タブレット型の音声ガイドを渡されて見学。貸切状態だったのですが、ひとりで、凄え・すげえ・スゲ〜と、ただひたすら絶叫してました。

島に高校が無い為中学を卒業すると島を出る15歳の子どもたちが、泡盛を貯蔵しておき、二十歳になったら親と飲み交わす習慣があり、その泡波がコチラ、素敵な習慣ですが、親子としては悲しいですね。


沖縄の富良野と呼ばせてもらいましょう!もうびっくりです。島の面積の9割以上がクレーターの中にあるので、海は一切みえず一面のサトウキビ畑が、沖縄の小さな島にいるとは思えない風景をみせてくれます。


25.断岩絶壁の世界

島はどこから見ても同じような断岩絶壁の風景。島から離れても、波打ち際に白波が常にバッシャンバッシャン打ち付けられている。開拓者たちは120年前にどんな気持ちでこの崖に接岸し、よじ登ったのだろうか。


港は桟橋を作ると、常に荒波が押し寄せている上に、シケや台風で飛ばされてしまうので、岸壁をくり抜いて港を作ってます。東風がよく吹くので、北南西に港があります。

26.太陽と月を追いかけて

10/27 17:24 糸満市沖
那覇港を出航し、東シナ海に沈む夕陽。水平線まで雲に遮られないで沈むと、太陽が消える瞬間に緑色に光る現象をグリーンフラッシュと呼びます。
沖縄にいても年に数回しか見る事が出来ず、今回も水平線付近の雲に遮られました。


10/30 06:47 北大東島沖
北大東島の東方から昇る朝陽。熟睡してたので昇る瞬間逃しちゃいました。沖縄県最南端の大東諸島の日の出は、県内で一番早く那覇と比較しても15分くらい早いです。

10/31 00:22 南大東島 ホテルよしざと
部屋から見た14夜のお月様、ブルームーンが近いので、光の強さが半端ないですね。


10/31 05:21 南大東島 秋葉神社近く
明け方にひっそり沈んでいくお月様。月の入りは、マジマジと初めて観ましたが、音もなく寂しそうに消えていきました。今夜のブルームーン待ってるよ!


10/31 07:21 南大東島 海軍棒プール
沖縄で1番早い日の出、頂きました!途中からイクラにしか見えなくなったきましたが、美しい景色に感謝感謝感謝!!!

ザップ~ン・バッシャ~ン 大迫力!
【参考】11/3の日の出時刻 
▽沖縄県内
 与那国島06:56
 那覇市06:35
 南大東島06:29
 →同じ県内で30分近く違うって凄い。
▽日本全国
 北海道根室市05:55
 東京都06:05
 大阪府06:20
 福岡市06:39
 →与那国と根室で1時間ちがうんですね!

10/31 太平洋上
ブルーム―ン、海を・空を・心を照らしくれてありがとう!綺麗だったぞ!
海を照らす月あかりが、心をくすぐりますね。


27.大東海運さんからの電話④
10/31 07:57

早起きして、月の入り・日の出を満喫して部屋に戻ると、来ました久々の大東海運さんからの電話。
「台風20号が来てますので、出航時間を16:00から早めます。西港に11:20集合してください」

はいはい、もう全然驚きません。冷静に電話を切り、限られた時間で何を観光するか、南大東島の観光マップを眺めるのであった。


28.環状鉄道が走っていた⁈

なんと鉄道があったとは、タビマエに図書館で借りてきた書籍で知りました。1983年までサトウキビ運搬用として現役で活躍してしており、ついでに人も運んでいたそうです。


こんな感じで島内に4ヶ所くらい線路が残されていて、遭遇すると妙にテンションが上がります。 

車両も今にも朽ちてしまいそうな状態で残されてます。観光用に復活の話もあったようですが採算性が悪く断念、今も走っていたら観光素材としては抜群の内容だったでしょうね。

29.初めてみる重機

島のあちこちに、サトウキビを脱穀すると思われる重機を目にします。同じ機能だと思われる重機を古い順に並べました。タイムボカンの悪役が使っていそうな戦車の形してますね。いまは畑周辺は静かですが、収穫期は相当忙しく賑やかなんだろうと思いました。

30.触れる風車

風が強いので、世にも珍しい倒す事が出来る風車があるのです。プロペラが2枚しかなく効率悪そうですが、2基あるうちの1基は倒してありました。

倒れている風車には触れる事が出来、生まれて初めて風車のプロペラに触れ、ペシペシ叩いて音を聴いたりして妙な感動を覚えました。


31.おわりに

この島で一番感動したのは、実はこの煙突です。国策として1885年に日本の領土とし、1900年に八丈島の開拓団が上陸し、シュガーアイランドとして島を守り、その島が国境離島として国土を守る。その歴史を煙突が語っていると感じました。

船で行く必要はありませんが、那覇から飛行機で1時間で行けますので、ご興味のある方は是非一度行かれてみてください。

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