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重松佑 / Shhh inc.
2022年7月1日 12:21
『ビッグ・リトル・ファーム』というドキュメンタリー映画を観た。映画製作者/カメラマンである夫と、料理家の妻がロサンゼルスのアパートを引き払い、カルフォルニアの郊外にある200エーカー(東京ドーム約17個分)の土地に引っ越し、新規農業を始めるところから映画は始まる。まるで絵本に出てくるような農場を夢見て引っ越した先は、長年の干ばつに曝され荒れ果てた砂の大地。2人はミミズコンポストを作り、被覆植物
2022年5月31日 13:50
文庫になっていた『暇と退屈の倫理学』を読んだ。結論の章で映画論や美術論についても著したフランスの哲学者ジル・ドゥルーズのエピソードが次のように紹介されている。映画や絵画が好きだったドゥルーズは「なぜあなたは毎週末、美術館に行ったり、映画館に行ったりするのか? その努力はいったいどこから来ているのか?」という質問に答えてこう言ったことがある「私は待ち構えているのだ」と。著者は、その発言には「動
2022年4月27日 09:51
アピチャッポン監督の映画『MEMORIA メモリア』の公開にあわせて、これまでに同氏が制作した短編映画『BLUE』『ASHES』『THE STATE OF THE WORLD』といった作品を続けて観た。素直に面白かったり感動するといった映画ではない。素描とも呼べるような、これらの小品によって監督は一体どのようなアイデアを試みていたのだろう。ときには荒々しくも生の質感が残る日記映画的な手法で、ときに