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スイス最大のスーパーマーケットチェーンと顧客利益とデモクラシー

国民の生活インフラを守り抜いたスタートアップ

スイス最大のスーパーマケットチェーン「MIGROS」の歴史には、国との壮絶な戦いがありました。1925年にチューリッヒで小さなバンから始まった移動式スーパーは、仲介業者を排除したビジネスモデルで、競合他社よりも安い食料品を販売することができました。しかし、業界で力をもつ食品製造者、ホールセラー、リテーラーたちは反発し政府を動かし、移動式販売へ500%の課税を行いました。

消費者を味方につけたMIGROSは、これに対して、店舗展開を開始し1932年までにスイス北部から西部かけて支店を拡大していきました。しかし、政府による支店禁止令が出され、4つの店舗を閉店させられました。35年にMIGROSの創立者は、政治グループを結成し連邦議会に進出、下院議員選挙で7議席を獲得しました。支店禁止令撤廃へ動きました。

伝統と時代の流れを民主制度で決定

2022年、「MIGROS」は1920年代から続く店舗内でのアルコール (とタバコ) 販売を禁止した伝統を、MIGROS店舗を保有する権利を持つ、230万人の協同組合員の投票によって決定します。2021年に行われたMIGROS社内での111人の代表投票では85名がアルコール販売への賛成の意思表示をしました。その最終決定を組合員の民主制度で決定します。

顧客の健康と幸福を最大の顧客利益と考えるMIGROS創立者は、MIGROS店舗でのタバコとアルコールの販売を禁止しました。

アルコール販売に関する投票はこれが初めてではありません。1941年にMIGROSの組織形態が株式会社から協同組合に変ってから、48年に14万人の組合委員にワイン販売の是非の投票が行われました。その当時は僅差で否決されました。

参考資料:
http://www.fundinguniverse.com/company-histories/migros-genossenschafts-bund-history/
https://www.swissinfo.ch/eng/migros-celebrates-75-years/1626790
https://www.reuters.com/business/retail-consumer/swiss-shoppers-decide-if-migros-stores-end-founders-alcohol-ban-2022-05-25/
https://www.swissinfo.ch/eng/should-retail-giant-migros-start-selling-alcohol-/47103466
https://www.nzz.ch/english/migros-alcohol-vote-is-part-of-uneasy-history-with-democracy-ld.1682422

スイスと日本のテクノロジーにおける産学連携活動、スイス事業進出に関連した機密性の高い活動を行います。スイスの大学研究グループ、スイスのテクノロジー企業と提携・協力。ブロックチェーンなどの新しい革新的な技術を活用した実証実験、大学でのワークショップの企画・実施。