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ザ・リッツ・カールトンの"クレド(Credo)"

クレド(ラテン語「我は信ず」)。面接の時に暗記したクレドを復唱したとき「暗記してきた人は君が始めてだ」とGMに言われたことを覚えています。

スイスのホスピタリティ・マネージメント・スクールにいるときに、ザ・リッツ・カールトンの人が来校してクレドの話をしました。そのときは「宗教的だな」と感じました。卒業後、2つの国のザ・リッツ・カールトンでの経験、そしてブロックチェーン業界にいる今も「宗教的だった」と思います。

いいホテル”ブランド”とは、世界中の同じブランドのどのホテルに行っても、”非通常”サービスの対応が同じ、ということだと思います。もちろんサービスを提供するのは、フロントラインのスタッフです。文化、習慣、価値観の違う大人数に対して同じ行動をさせるには、2つのうちどちらかだと思います、軍隊的な統制か、宗教的な導き、です。ザ・リッツ・カールトンは後者でしょう。

企業で”宗教的な導き”のような、社員自ずから”非通常”な行動をして、任務をさせるには、同じ価値観をもった人を集めることが前提です。ザ・リッツ・カールトンの面接は、「ザ・リッツ・カールトンの面接」と言われるほど、面接を主導する人も訓練を受けます。そこで、ザ・リッツ・カールトンの精神(価値観)を持っている人を、学歴や経験の前に、見極めます。これはまさしく、全世界にいるザ・リッツ・カールトンのスタッフは”コミュニティ”だと思います。そして、”コミュニティ”の助け合いも重要な精神です。

コミュニティの人たちは、持っているものを共有して、支え発展する。欧米では、歴史的にもコミュニティは、教会を中心に形成されてきたと思います。

ブロックチェーンの開発者コミュニティ

現在のプラットフォームの普及活動に関わる前に、ブロックチェーンの開発者のコミュニティを知った時には、”ザ・リッツ・カールトン”を考えていました。開発者はブロックチェーン技術の思想に魅了され、その価値を信じる人たちが集まり、コミュニティと呼ばれています。オープンソースプロジェクトでは、開発者が持っているものを共有して、プラットフォームを発展させてきました。

私も当初はコミュニティを「つくる」などと喚いていましたが、つくるものは「教会」だと思っています。ブロックチェーン業界では、企業がコミュニティ形成アプリケーションでコミュニティをつくると目にしますが、コミュニティ内でビジネスモデル (=企業がお金を儲けること) は成立しません。

2008年ごろ日本でもクレド(カード)が注目されて日系の大手企業でも導入されたと思います。その多くは成功したかわかりません”。

ザ・リッツ・カールトンは、経験を持っている人も、始めてホスピタリティ業界に入る人にも楽しめるホテルだと思います。