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すでに棚=店舗はみんなの手元にあるー2025年、人は「買い物」をしなくなる を読んで。

望月智之氏の著書「2025年、人は「買い物」をしなくなる」を読みましたので、その感想文を書きます。タイトルからしてなかなかインパクトの強いものです。特に印象深かった箇所について記載していきます。

「品揃えのよさ」に価値はない

なかなかインパクトの強い見出しではありますが、第1章の「ショッピング体験の進化で、人々は買い物をしなくなる」の中に共通してあるのが、「面倒くさい」行動がショッピングには多いという所です。「面倒くさい」にはいろんなシチュエーションがあります。「買い物をしにいく」「探す・選ぶ」「時間がかかる」「並ぶ」など。確かに、自分自身も少しその傾向にあります。「並ぶくらいならネットで買おうか」「届くのに時間がかかるのなら、他の店で注文しようか」など。どこでも買えるものについては特にその傾向が強いように自分自身が感じますね。書籍にもありましたが、

「一ヶ所に多くの商品が集まっている」ことは、現代の忙しい消費者にとって魅力ではなくなっているのだ。

まさしくそうなんでしょう。当然、多くあることに越したことはないのでしょうが、大きな魅力にはならないということですね。

スマートフォンの普及で棚が「手元に来た」

この書籍のキーワードのひとつである「デジタルシェルフ」。

ネットの普及で、棚はデジタル化して家に来た。しかしそれは、家のどこか決まった場所だった。具体的には、パソコンを置いてある机だ。それが今度は「手元」にきた。

これはとても大事な感覚じゃないかと思います。この事実というか感覚をどれだけもっているか、たとえこの表現が極端なものであったとしても無条件に否定することなく受け入れる人が必要だと感じました。

棚の獲得競争からスマホの「時間獲得競争」へ

要は企業が奪い合うものは、物理的な棚ではなくユーザーの時間ということです。どこかの記事でみましたが、Netflixのライバルは「睡眠」だそうです。つまり、もう時間をどう自分たちに使ってくれるかです。

これはデジタルシェルフとは直接関係ない部分にも思えますが、そのデジタルシェルフを見てもらうための時間をどう消費者の生活(暮らし)という限られた時間の中に潜り込ませるかですね。書籍にもありましたが、スマートフォンでみる映像とテレビでみる映像の「ながら」に対する現実。これは非常に興味深い内容ですし、理解しやすい内容です。受動か能動かです。

スマートフォンから完全に時間を奪いことは難しい。

この一言はとても強い言葉のように感じました。

「コミュニケーションがある場所」がどこでも店舗になる

これは最近僕が感じていることです。店舗ってなんだ?です。インターネットの普及によりどこでも棚になった「デジタルシェルフ」という状況について書いてありますが、そのデジタルシェルフが店舗です。棚の単位で店舗になるということでしょう。

第4章では、「共感できるストーリー」という言葉が出てきます。例として挙げられているものとして

・商品が生まれるまでのストーリー
・生まれてから売れていくまでのストーリー
・そしてそれを使って喜ぶ人たちのストーリー

が例として挙げられています。こういったストーリーが必要なのは肌感としてわかりますが、しかしこれをなかなか今のデジタルの環境の中で出せているところがどれくらいあるだろうと思います。ここが非常に障壁があるように思います。こういったものをちゃんと提示できているのは、どちらかというと若い企業のように思います。歴史のある会社はこういうものをなかなかリリースできていないように思いますね。

セオリーとして出されていた1つめの

WhatよりもWhy/How

短いですが非常に重い言葉のように思いました。

「人々が「買い物」をしなくなる未来」の先にあるもの

ここには書籍に結論のようなことが書いてあるので、割愛しますが先にあるものというか、この「買い物」にカギカッコが付いている理由が感じられます。とにかく、これから5Gの時代、インターネットを使って「買い物」が大きく変化・変容する時代に突入します。これまでのことを鑑みて、新たな発想なのか考え方なのか持つべきですね。

まとめ

第3章の一例の結論として、

ショップはもはや「モノを買う場所」ではなく「モノを一緒に作る場所」

というものがありました。すごく印象的な言葉でした。今僕自身が、心を動かされる商品というかサービスはまさしくこれです。特にデジタルシェルフとは関連はしませんが、印象深かった言葉です。

いずれにしてもこの書籍の内容はとても共感できるものでしたし、すでに棚=店舗はみんなの手元にある。これまでこの感覚的に持っていたことがひとつ言語化されたなぁという印象でした。


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