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その麗しくすべらかな物語は時に猥雑な毒も吐きながら、物語が生まれるダイナミズムや作家のどうしようもない性(さが)まで照らし出して、秀逸な彩りに満ちあふれている…★劇評★【舞台=パ・ラパパンパン(2021)】

 物語の作者にとって、物語の世界は異世界でもありつつ、自分の脳とつながった体内世界でもある。つまり外であり内であるという分かちがたき2つの世界を行き来しながら、物語そのものを発展させていく。そんなわくわくするような大冒険に挑んでいるのが舞台「パ・ラパパンパン」の主人公の作家だ。シアターコクーンの芸術監督に就任した松尾スズキが、自らが近松門左衛門を演じた2016年のNHKドラマ「ちかえもん」でタッグを組んだ藤本有紀に依頼したエッジのきいた脚本を縦横無尽な演出で最高のエンターテインメントに仕上げている。その麗しくすべらかな物語は時に猥雑な毒も吐きながら、物語というものが生み出されるダイナミズムや作家という存在のどうしようもない性(さが)まで照らし出して、秀逸な彩りに満ちあふれていた。(画像は舞台「パ・ラパパンパン」とは関係ありません。イメージです)
 舞台「パ・ラパパンパン」は11月3~28日に東京・渋谷のシアターコクーンで、12月4~12日に大阪市の森ノ宮ピロティホールで上演される。

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