暗闇と光
街灯は足元を照らしてくれる。
しかし、灯りのせいで星が見えない。
私は今、真っ暗闇の中にいる。
右も左も分からないこの暗闇。
音もなく、ただただ暗闇が広がる。
光がないことはこんなにも不安だったのかと気付かされる。
ただ、空には無数の星が輝いている。
今まで見たこともないような無数の星。
向こうの方まで繋がっているこんな空を見たことがなかった。
もしかしたらあの場所でも光がなければこれだけのものが見えたのかもしれない。
心が高鳴るのがわかる。
感動を体で感じている。
あの場所では足元を光が照らし、この場所では頭上に光が散りばめられている。
あの場所では安心と当たり前があり、この場所では孤独と高揚がある。
私はこの場所で生きていくことを決めた。
この頭上の星が指し示す方へ進もう。
足元もおぼつかいな暗闇へ、一歩踏み出した。
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