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ミニマリズムの天敵・物欲との付き合い方!――欲しいものがある時にオススメの思考プロセス

無駄を断捨離していき、自分にとって必要最小限のものだけに囲まれて暮らす生き方、ミニマリズム。ぼくもミニマリズムに傾倒して、早いもので2年くらいになる。とはいえ、ミニマリストも悟りの境地に達した僧侶というわけではないので、あれが欲しい、これも欲しいという欲求――すなわち“物欲”というのは、必ず誰しもにあるものだ。

かくいうぼくも、未だに物欲まみれの人間。最近も、お気に入りのアパレルブランドの新作ニットがあまりにも欲しすぎて、一週間ほど悩み抜いた末、オンラインの在庫がラスイチだったことも相俟って、「とりあえずポチっとくか!」精神で注文してしまった(笑)。

ミニマリズムを実践している手前、新しくものを買うことに多少の罪悪感は抱いてしまうものの、無理に我慢するとかえってストレスになったり、いっそ忘れようと思っても気づけばずっとそのことばかりを考えてしまったりして、QOLに支障をきたしてしまうおそれがある。つまり、どこかの段階で、それを買うなら買う・買わないなら買わないと、自分のなかできちんとした折り合いをつけなければいけないということだ。

そこで今回は、ミニマリズムにおける物欲との付き合い方をテーマとして、ぼくがいままで培った経験や哲学をもとに、「すでに同じようなものを持っている場合」と「持っていない場合」の2つのケースにおける、オススメの思考プロセスについて、ご紹介しようと思う。

CASE1:すでに同じようなものを持っている場合

まずは、もうすでに同じようなものを持っているけれど、新しいものが欲しいというケース。この場合には、以下の2プロセスで考えてみる。

・いま持っているものでは本当にダメなのか?
・いま持っているものを手放してまで欲しいか?

1-1:いま持っているものでは本当にダメなのか?

ぼくたちは、刺激に対して「慣れ」と「飽き」というふたつの悪癖を持っている。たとえそれがどんなにときめいていたものであっても、長年所有していると慣れが生じ、次第に飽きてくる。そして、もっと新鮮な刺激を、もっと強い刺激をと求めるようになってしまう。これでは、いつまで経ってもキリがない。どこかでこの連鎖を断たなければ、もしエルメスのバーキンを手に入れたとしても、もっと高価なバッグが欲しくなってしまうだろう。

新しいものが欲しくなったら、まず「いま持っているものでは本当にダメなのか?」ということを考えてみよう。それを欲しかった当時の気持ちや、手に入れた時の嬉しさ……そういったものを今一度思い返してみるものいいし、その新しいものを買った場合、自分の生活にどれだけいい変化があるのかをシミュレーションしてみるのもいいだろう。もしかしたら、「いまあるもので十分かも」と思えてきて、物欲が治まるかもしれない。

1-2:いま持っているものを手放してまで欲しいか?

すでに同じようなものを持っているのだから、もし新しいものを手に入れたなら、古いほうは手放すことも検討するべきだ。なので、次は「いま持っているものを手放してまで欲しいか?」ということを考えてみよう。

新しいものを買ったら、結局そればかりを使ってしまい、古いものはタンスの肥やしになってしまうことも多い。ミニマリズム的に考えれば、そういったものは断捨離したほうがいい。いまあるものを手放したくないのであれば、新しいものを諦めるのもひとつの手だ。ひとつ買ったらひとつ手放すというルールを作っておけば、物欲をコントロールしやすくなるだろう。

CASE2:同じようなものを持っていない場合

続いて、新しく欲しいものがあって、なおかつ同じようなものを持っていないというケース。この場合には、以下の2プロセスで考えてみる。

・どうしてもそれが必要なのか?
・他のものと組み合わせてマッチするか?

2-1:どうしてもそれが必要なのか?

まずは、「どうしてもそれが必要なのか?」ということを考えてみよう。たとえば、肌寒くなってきたが秋冬のコートが一着もない時、使っていた掃除機が壊れてしまって掃除ができない時、視力が落ちて眼鏡の新調を勧められた時など、必要火急な状況で新しいものを買わなくてはいけない場合には、躊躇わずに購入したほうがいい。

一方で、ぼくたちが物欲に悩まされる時、大抵は生活していくために必要不可欠なものではなく、なくても成立するが、あるとさらに満たされる「プラスα」なものであることも多い。であれば一旦時間を置いて、頭を冷やして、本当にそれを買うべきかをじっくり考えてから決めても遅くはないだろう。

2-2:他のものと組み合わせてマッチするか?

いくら欲しいからといって、それがいまの自分のライフスタイルや身の丈に合っていなければ、結局持て余してしまう可能性も高い。そうなったら非常にもったいないので、購入する前には必ず「他のものと組み合わせてマッチするか?」ということを考えてみよう。

たとえば、新しく欲しいのが服だったら、クローゼットにあるアウターやボトムスといったほかの服と、食器だったら、リビングのテーブルやほかの食器と、家具家電なら、部屋の内装や他の家具家電と組み合わせた時、デザインや雰囲気がちゃんとマッチするかをじっくり吟味するのだ。

もの単体で見るのではなく、それを含めた全体像を見るようにしよう。

おわりに

ここまで、ミニマリズムの天敵・物欲との付き合い方について、欲しいものがある時にオススメの思考プロセスをご紹介してきた。実際、ぼくもこの方法で物欲のコントロールを試みている。少ないもので暮らしたいのに、物欲が抑えられない……という方は、ぜひ参考にしていただければ幸いだ。

……とはいえ、それでも欲しくてたまらない時だってある。冒頭にも書いたように、ぼくも先日、どうしても欲しかったお気に入りのアパレルブランドの新作ニットを、一週間悩み抜いた末、結局買ってしまった。圧倒的な物欲の前では、小手先の思考プロセスなど無意味であった(笑)。

しかし、そんな時であっても、実は裏技のような最後のセーフティーネットが存在する。それが「返品」というサービスである。

(裏技)買ってしまっても返品できる

人間とは不思議な生き物で、喉から手が出るほど欲しかったものでも、手に入れただけですっかり満足してしまうことが往々にしてある。それは「積みゲー」や「積ん読」といった言葉があることからもうかがえるし、実際にぼくの職場の同僚にも、ユニクロの新作を毎シーズン購入するものの、結局一度も着ることなく未開封のまま仕舞っているという人がいる。

これらは、ミニマリズムの観点から見ても、ものを資源として考えた時にもあまりよろしくないことだ。そこで、こういった事態を防ぐために、先の思考プロセスを使っても物欲を制御できず、つい買ってしまった時には、「返品する」という選択肢があることも頭の片隅に置くようにしよう。

先日、ぼくがニットを買った時も、在庫がラスイチだったということもあって、「いま逃すと手に入らないかもしれないから、とりあえず買って、試着して気に入らなければ返品しよう」と自分に言い聞かせてポチった。実店舗だともう一度お店に行かないといけないのが手間だが、オンラインストアの場合は送り返すだけなので、返品のハードルが低いのもありがたい。

買い物は、失敗から学べることも多々ある。物欲そのものを抑え込むのもいいが、たまには返品という便利なサービスがあることを予防線にして、思い切って買ってみるというのも大切な経験だと思う。

(なお、ラスイチだと思って急いで買ったそのニットは、後日オンラインストアで在庫が補充されており、なんとも言えない気持ちになった)

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