いまつくりたい舞台2つ。
いま、つくりたい舞台がある。
2つ、具体的にある。
1つは、形而上的作品。
つまり、現実世界にないもの。
現実を超えたセカイに旅できるもの。
もうひとつは、人間をテーマにしたもの。
作品をつくることに、箍はいらないし、
外して、外して、外れて、
うんと自由になりたい。
「不思議」って、どこからくるんだろう?
学生のときから大好きな、Georgio de Chiricoの夢をみる。
あの、面構えに、いつも呆れて、憧れる。
ダリは説明的すぎて、マグリットは完璧すぎて。
キリコの絵には、余白があり、もの言わず、想像力だけを掻き立てる。
心の中の黒いがらんどうに刃を突き立てらるように、痛くて仕方がないのだけど、
誰もが「あ」、と思う、共通の記憶が隠されているから、
何度も何度も、見たくなる。
不思議と思う、タネはなんだろう?
不安定さ?説明のなさ?
その、がらんどうな部分に、吸い込まれていく。
抽象を極めた、でも、宇宙の引力に似た、作品を作れたら、どんなに魅力的だろう。
人の善悪とは?
もうひとつ、創りたい作品は、人間の善と悪とは?
成功と失敗とは?
何が、誰が、何を、どう、判断したら、白と黒を分けられるのか。
その、根源的な、疑問。
アンビバレント。
それを、少し、物語的に、描いてみたい。
たぶん、それが最後に作ってみたい作品なんだけど、
串田さんの「ファウスト」みたいに、何度も何度も描くのかもしれない。
宇宙の引力と、物理と、
人間のやるせなさ。
それは関係あるのかな?
真逆なようで、多分、同じ原理の、2つの作品をつくってみたい。
2023年。
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