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ただ休むだけなのに、なんでこんなに難しいのか。

4月に教員から転職して、ベンチャー企業で週3日だけ勤務するというゆったりした働き方を手に入れました。「やったー、休みも増えるし、超ハッピー」な気がしてたけど、実際は違いました

どういうことかというと、休んでいる罪悪感に襲われるようになったんです。「世の中に対して何も価値を生み出していないんじゃないか」「自分は役立たずな人間だ」とか思うようになったりして、明らかにメンタルが良くない方向に行ったんです。まさかでした。

家族からも、「今はゆっくりしていいんだよ」と言われるんだけど、どうゆっくりしていいのか分からない。休もうとすると、「休むな」と体が命令してくる感覚。明らかに生活リズムが乱れ、ぐっすり眠れなくなることが増えました。「ただ休むということが、なんでこんなに難しいんだろう…」と、転職して1ヶ月、いきなり壁にぶち当たっていました。

それで、今パーソナル編集者としてお世話になっているみずのけいすけさんに、「ただ休むだけなのに、なんでこんなに難しいのか。」というタイトルでエッセイを書こうと思っていることを相談したら、『心療内科医が教える本当の休み方』(鈴木 裕介著)という本を紹介してくださいました。ありがとうございました。


てなわけで、ゴールデンウィークになってこの本を読んでいると、いきなりハッとする言葉に出会ったんです。

「変化とは、すべからくストレスである。」

ガツーーーンと来た。

どうやら、ストレスとは仕事が忙しくなったとか、仕事でミスを連発してしまったなどのネガティブな変化だけではないらしい。結婚や転職といったポジティブなライフイベントもストレスであるというのです。

ストレス、つまり何かしらの変化が自分の身に起こると、それに応じて神経系にスイッチが入るようになっています。そのスイッチには、「気持ちがやけに高揚してしまう炎のモード」と、「動きたいのに動けない氷のモード」などがあるらしくて。そのモードごとに適切な対処法があるよってことでした。この本に出会って、自分の中でストレスの解像度が一気に高くなった気がしました。

最近自分の身に起こった変化としては、

・週5勤務→週3勤務
・毎日100人以上と関わる仕事→1日10人くらいしか関わらない仕事
・毎日平均8000歩以上→せいぜい1日3000歩くらい
・コミュニケーション中心→デスクワーク中心
・ほぼ電子機器を触らない→ブルーライト浴びまくり
・コーヒーは朝食後の一杯だけ→1日3杯くらい
・朝型→夜型の生活

そりゃ壊れるって。教員という動きっぱなしの生活から、今はほとんど人とも関わらないし、ほぼデスクワークしかしてない生活に移行して、「え、もっとコミュニケーションしないと!動かないと!」って体もびっくりしてるみたい。やっぱり日々あまり疲労感はないし、(明らかに教員の方がハード)おまけにカフェイン取りまくりだからそりゃ寝れるわけないよなあ。

とはいえ、いろんな要素が複雑に絡んで、自分の体がバグを起こし始めている。とりあえずデトックス的なことをした方がいい、たくさん歩いた方がいいのは明らかでした。ということで、GWは京都へ行って、スマホをコインロッカーに預けて植物園を歩いたり、水族館に行ったり、南禅寺に行って森林浴をしてみました。結果、めちゃくちゃ良かった。



まとめとして、この本が優れていると思ったポイントは、人類は「つながり」によって幸せを感じる生き物なんだってところに最終的に行き着くところ。

著者の鈴木先生の言葉を借りると、

①そもそも、他者とのつながりで安心感を感じるのは哺乳類だけ。つながりは哺乳類の生存戦略。
②SNSの登場などによって、あまりにも人間関係が「ムズゲー化」している。

つながりによって安心・安全を感じる。それは哺乳動物のみが保有する腹側迷走神経の、われわれ哺乳動物にしかできない反応らしいのです。もうちょっと噛み砕くと、つながり=「無条件に自分を肯定的に受け入れてくれる存在との関わり」それこそがリラックスにつながり、最も心を休められている状態なんだよということです。

現代はSNSの登場などによってそのつながりが複雑になりすぎたり、便利になりすぎていたりして、リラックスという最大の恩恵を受けれてないよねって鈴木先生のご指摘。いや、ほんとそれです。人類は、一体どこに向かおうとしてるんでしょうか?

転職して、関わる人の量は減ったし、自分のことをよく理解してくれる人が身の回りにいなくなってしまった。おまけに、僕がやっていた特別支援学校の教員という仕事は世の中に絶対に必要というか、「僕はエッセンシャルワーカーなんだ!」みたいな使命感を持って仕事をしていました。それも全部なくなってしまった。その反動がぜんぶ、今自分のメンタルにきているのかもしれないなと思いました。


あーだこーだ言いましたが、今になって、みずのけいすけさんのポストのやさしさが身体中にしみわたるのです。

4月からいろんな変化があったけど、心をリラックスさせてくれるつながりや、一緒に頑張っている新しい仲間が増えたのも事実。実はめちゃくちゃ心は燃えているんです。結構いい感じのスタートが切れているんじゃないのかなと思う部分も全然あります。最近書いたインタビューの記事なんかは、書いて良かったな〜って思います。つながり、原点にして頂点。大事にしていきたい。


前向きになれる良い本でした。みずのさん、ご紹介ありがとうございました!

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