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はがれた鮫肌

今日の肌は調子がいいみたいだ。
満員電車をくぐり抜け、オフィスが入るビルの吹き抜けのエレベーターに映る自分を見てふと、思った。
化粧を知ってからアタシはモテ始めた。いわゆる化粧映えする顔なのだ。

思えば、学生時代は鬼瓦などと言われていた。悔しかった。鬼の形相はスパイラルのごとくひどくなる。
そんな矢先、化粧と出会った。
アタシは一変した。
元々彫りの深い顔がほどよく抑えられてキリリとした、キレイ系の顔になった。
そりゃあモテた。他校の生徒にも塾で告られたし。

仲村さんはそんなアタシを僻んでいたという。
シェアハウスの共有スペースで教えてくれた。
まさか、俗人が集まる都内のシェアハウスで、浜松生まれの同級生と暮らすことになるとは……。

アタシの好きな人と仲村さんが付き合っているとは……。どちらもすっぴんはひどいモノなのに。

そしてもう一人。
高田君が引っ越してきた。アタシの元彼でハツカレだ。

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