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最近読んで面白かった本

みなさん、こんにちは。
夏本番。クーラーの効いた部屋からなかなか出なくなり運動不足の方も多いのでは?わたしも、夏のせいにしてすっかり怠惰になってしまった人間のひとりです(笑)さて、そんな時こそ読書。今回は、子供の頃に読んだものや、聞いたことはあったけれど読んだことのなかった本の中から、最近読んで改めて感動した3冊をご紹介します。

父の詫び状 向田邦子

不器用で強情な父、よく気がつくが抜けた所のある母、奔放な人生を歩んできた祖母、流れていった昭和の風景たち。真っ直ぐでないからこそ、じんわりと深くまで届く愛情を、大人になって固まりかけた心に思い出させてくれるエッセイ集。向田さんの断片的にスキップしていく記憶のタイムマシンに読者として同乗していると、自分や家族の欠けたところが愛おしく、大切な人に会いたくなる。向田さんがドラマの脚本など多く手がけていた方ということもあり、文章のタッチが軽やかで非常に読みやすい点もポイントです。向田さんの人生に基づくエッセイではありますが、これは私の物語だ!と思えてしまう、孤独を感じたときこそ読みたくなる一冊です。

夏目漱石 こころ

教科書で読んだことのある方もいるのでは?(というと世代がバレてしまいますが、笑)なんとなくのあらすじは覚えていたのですが、大人になってから読むとこの本の凄まじさがよくわかります。学生の男の子が、鎌倉の海岸で出会った「先生」。先生に近づこうとすればするほど、なぜか先生は彼を遠ざけてしまうのでした。それは、先生の悲しい恋と親友との過去とが関係するようで……現代では、「秘密」が随分と軽くなってしまったように感じます。あなたにだけの秘密、と思って打ち明けたことを「その程度?」などと言われてしまう。こころ、に触れるということは傷付くこともあるのだということを今の時代を生きる大人だからこそ思い出させてくれる一冊です。

サン=テグジュベリ 星の王子さま

飛行船の故障で、砂漠に着地してしまった主人公と、小さな星からやってきた王子さまの物語。この本もあまりに有名な為、一度は読んだという方が多いと思います。ですが、改めて読むと「これが子供向けの本か?」というほど深い物語です。1番大切なことは目に見えない。だから、大切なことは心で見るのだと、王子さまは主人公に教えてくれるのですが、それが一体どれだけ難しいことか!大人になった今だから痛感します。でも同時に、大人になったからこそ今ならそれができそうな気もしてくる……これは、子供の読み聞かせ本ではなく、今や私に勇気をくれるパワー本です。

さて、3冊、いかがだったでしょうか?新刊との出会いも素晴らしいですが、お盆休みや夏休みを使って子供の頃に読んだ本をもう一度読む……というのも新しい発見があるかもしれませんよ。年を重ねると失ったものばかりに目が行き、子供たちにはその全てがあるように見えてしまうこともありますが、意外と年と共に獲得したものの多さに気付くと元気が出てきます。ぜひ、お試しあれ!

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