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愛車をいじってくれ!大野さん!

こんにちは、陰山です。
世田谷十八番No.10「90歳の舞台裏」はお手に取っていただけましたか?
誌面はライターのサフランさんが主に執筆をし、こちらのnoteには配布前・配布後の2つの記事を、まりえさんと分担して執筆しています。
同じ話を聞いているはずなのに、書き手によって視点や書き方の癖が違うので、
3人分の紙面とnoteと両方楽しんでいただけたら嬉しいです。

●先読み記事はこちら↓

●配布後記事はこちら↓

●配布場所はこちら↓

さて、今日は紙面から少し離れます。
世田谷十八番No.05「好きの極地」に登場した、サイクリングショップ・ツバサの店主、大野さんに
ついに私の愛車をいじってもらった話をしたいのです。

愛車との出会い~これまで

遡ること2020年。
この年は世界中がコロナという未知のウイルスに怯え始めた年で、
陰山家では第二子が生まれた直後のことでした。
新生児期が終わり、さぁそろそろ外の世界に出るぞ…!という頃に緊急事態宣言が発令され、
終わりの見えない自宅軟禁生活がスタートしました。

「いつになったらこの生活が終わるの!!」と誰しもが鬱々としていた夏前の頃、
給付金で手に入れた私の相棒・BP02くん。
本来ママチャリではない彼に、自己責任で後ろにチャイルドシートを装着した第一形態。
しばらくして前にもチャイルドシートが加わり第二形態へ。
コロナ禍で人との接触・密集を避けなければならず、なかなか外を出歩けなかったあの頃‥。
家にいるのもうんざりした私にとって本当に相棒で、彼に乗ってどこへでも行ける気がして、
雨の日も風の日も子どもたちを乗せて走り回った、トータル3年半の日々。

気がついたら見て見ぬ振りができない姿になっていました…。

フロントチャイルドシートがつく前の
第一形態はこちら。

問題点は3つ

まず1つ目「カゴが壊れた」
浅いコンテナを乗せていたら案の定劣化が早く、気づいたらネジが1つ飛んで行った。
常にパカパカとカゴが浮いていてうるさいし、なにより浅い!!
とにかく浅い!!すぐネギが落ちる!パンが飛ぶ!袋ごとよく跳ねる!!
正直いいところは何もない!もう少し我慢できたかもしれないけど、さすがに限界!

2つ目は「ボロボロのサドルがみすぼらしい」
半年前に突然亀裂が入り、あれよあれよとその傷は広がっていき…。
あんなに気に入っていたBP02くんを見るたび乗るたびにガッカリさせてくれた君!
雨が降った次の日は最悪!スポンジに溜まった雨水がズボンを超えてパンツまでしみ込んでいく!
一刻も早く替えたい!!

3つ目「フロントチャイルドシートを外したい」
兄が小学2年生になり、つい先日新しい自転車を手に入れたことが大きな要因。
それに、子どもたち2人とも体が大きくなり、前後合わせて40kg近くを乗せて走る自信がなくなった。
そりゃそうよ、本来ママチャリじゃないんだもん…。
漕ぐたびに膝に当たるし、ハンドルの可動域が通常の半分以下。
自転車のメリットである小回りがまるで効かない!方向転換は何度も切り返してた!
もう2人を乗せて走ることもない!寂しい決意!!

すでに夫は大野さんの手によって自転車をカスタマイズ済み。
その仕上がり具合がとても可愛いのを知っているので、
私の愛車も大野さんにお願いするしかありません!一気にやっちゃってください!!

第二形態の相棒。
すでに前コンテナは外した状態。

本当に自転車が好きなんだね

ちょうど他のお客さんのいないタイミングだったこともあり、すぐに作業に取り掛かってもらえました。

「あ~、これこうなってんだ~」と、私の相棒はあまり手掛けたことはなさそう。
カゴもサドルもチャイルドシートも、どれを取っても初めてだったようで、
とても楽しそうにいじくられておりました。

「あ〜、これこうなってんだ〜」の大野さん

新しいカゴは2階からゴソゴソと探し出してくれ
(夫曰く、ツバサにあるカゴは全て国産品)、
サドルはお店の奥の方から取り出した、どちらも他に選択肢のないスタイル。
(ほこりのかぶり方からしてざっと10年は眠っていたであろうヴィンテージもの)

【問題】サドルはどこでしょう?

カゴはくっつくならなんでもいい、でも深さが欲しい。グラマラスなお尻なので、サドルは大きいものがいいとざっくり伝えた要望でしたが、どれもその通りに揃えてもらいました。さすが…。

カゴ交換時は夫・私・子どもたちで自転車を支え、
サドル交換時には夫の腕力でネジを回し、大野さん+陰山家全員で作り上げました。総力戦。

大野さんの手!職人の手!

特にサドルの工程ではなかなか部品が回らず、お店から工具を取りに行こうとする大野さんを横目に
己の腕力を見せびらかすかのようにして夫が部品を回した時の大野さんの顔…!!
「…やっぱ若いのは違うね…。俺もう年取ったからそんなに力出ないんだよな…すげぇな…」と、
あまりにも目をキラキラさせて夫に羨望の眼差しを向けるもんだから…
つい「大野さんの弟子ってどうだろう…」と勧めたくなったのはここだけの話。
あの大野さんの表情、本当によかったな…。

出会いと別れ。思い出は胸にしまって。

到着してからものの30分で完成した第三形態はこちら!!

かっこいい…。
第二形態もカラフルでゴツゴツしていて、全然言うこと聞かなくて、それはそれで愛着があったけど、
洗練された都会の自転車となった第三形態のBP02くん…。カッコよくなったね‥。
カゴはネジと結束バンドをも駆使してしっかり固定されたし、
サドルも横幅が広い!安定感がある!
フロントチャイルドシートがなくなって、足さばき◎、小回り◎!!
大満足の仕上がりです!!

後ろのチャイルドシートを外すと第四形態、ついにBP02くんは最終形態になります。
子ども2人を乗せて走り回った3年半。
もうとっくに限界を超えていたけど、やっぱり寂しい気持ちがあって。
ただこれで事故を起こしては本末転倒。進化した彼とまた数年過ごしていくのです。
ありがとう!さようなら!
最終形態に仕上げてもらうのはまだもう少し先だけど、よろしくね、大野さん!

最後に先にカスタム済みの夫の自転車と、
役目を終えたチャイルドシート。
放り捨てられた思い出の品。なんかごめんね‥

世田谷十八番

世田谷に暮らす先達から十八番を見出し、次世代にお届けするインタビューマガジンです。もっと自分らしく生きるためのヒントを、先達の十八番から見出す活動をしています。

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