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炊飯器にありがとうを言えるかどうか

今週は妻が外国の友人と京都に旅行に出ている。激務の仕事を退職して、自由時間を使って外国語を話せるようにトレーニングした結果、国籍を超えて人とかかわることができるようになった。これは「共働きすべき」というステレオタイプな価値観では絶対に達成できないことだったと思うし、本当に良かったと思う。働く必要がないのに、無理して働かない、これが幸福をもたらすことは明らかだろうというのが、揺るぎない考えになりつつある。

そんな中、東京に残った私は、本当に久々に数日間の一人暮らしをしている。今週の目標は「食費を楽しく合理的に節約する」こと。買い物の工夫をして、できるだけコンパクトな食事を作る。一人分だからできる簡易化に挑戦することを楽しんでいる。決して質素な食事にするわけではなく、妻の苦手なメニューを食べたり、ちょっと隣の駅のスーパーで半額のものがないかリサーチしたり。普段はあまり目が留まらないところに目を向ける数日間にしている。なので寂しいけれど、とても充実したお留守番になっている。

お留守番は家事アップグレードの絶好の機会。妻の帰りをどんなご飯で迎えようかとか、お土産話を聞くのが楽しみだとか、割とワクワクが大きい。これは、普段の夫婦関係が良いからというものあるし、互いが一人でいる時間、相手に会えない時間を楽しめるのも、夫婦関係として大事なんじゃないかと思っている。

妻と会話しないので、自宅では無言になるわけだが、声を出さないのは心身によくないと考え、家具や家電に小さな声でお礼をつぶやくようにしている。ご飯が美味しくたけた後、炊飯器に「ありがとう」と告げる。いつも部屋をきれいにしてくれる掃除機や洗濯機にも同じようにお礼を告げる。

もともと、私はぬいぐるみが好きなので、人以外のものに愛情を向けることは割と日常的で、たとえモノだとしても、優しい言葉をかけることで、自分の気持ちが落ち着くし、穏やかになるし、モノに感謝を伝えるのは、やらないよりやる方が100%おススメといえる行為だと思う。それだけで憂鬱なことがあっても吹き飛ぶ。

以前、「死にたいくらいつらい人はぬいぐるみを部屋に座らせてみよう、その子のために生きようと思えるかもしれないから」という書き込みを見たことがあるが、それに似ているかもしれない。モノにも感情があると思うだけで、大事にしようというプラスの感情が働く。人間のようにマイナスの意思表示をすることもないから、安心してかかわることができる点も大きなメリットだ。

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