絶望のその先

嬉しいこと

悲しいこと

一緒に紡ぐ日々

記念日には沢山写真を撮ったよね

沢山綺麗な物を見せてくれたよね

わたしには
あなたがいてくれないと起きることすら
ままならない

あなたがいるから夜だって優しい子守歌に包まれて
眠れるの

そんな大切な

あなた

ずっと
一緒と思っていたの

でもね

そんな日々も
一瞬で終わる時が来るの


耳ざわりな
ガラスの割れる音

ガシャン

衝撃と同時に
背中にぞっとする寒気を感じた

大丈夫だろうか?
そんな感覚がよぎるよりも
ヤってしまったかもしれない

決定的な思考が
先行していた

ゴクリ
喉が鳴るのがわかった

おそるおそる
近づいてみたものの

見るからに
其れは
悲しい惨状を
彩っていた

蜘蛛の巣のように張り巡らされた
ガラスのヒビ

何度呼びかけても
体をゆすっても

あなたは
震える事さえしない

うんとも
スンとも言わない

わたしは落胆と絶望にかられた

嗚呼

また
ヤってしまった

ただ

ただ
少し
いつもより強い力で振り払ってしまった
だけ

そう
それだけ

それなのに
あなたは

もう
何も発しない

すてきなお話を見せてくれる事も

愛の言葉を見せてくれる事も

わたしがいくら望んだとしても
何も反応さえしてくれない

わたしを認識さえしてくれない

また
あなたもそうなのね

結局
また
二年続かなかった

わたしはいつもそう
前もその前も

なぜ?
なぜみんな
そんなにも脆く
簡単にわたしの手をすり抜けて行くの?

わたしのせい?
大切にしていたつもりなのに

あなたを傷つけたくなくて
直接触るのはやめたわ

あなたをわたし色にしたくって
沢山着飾ってあげたわ
大切な所はきちんと守っていた

なのに

なぜ?

なぜ
こうも簡単に壊れてしまうの?


いいや

また
新しい子を探すわ



あなたもそうでしょ?
あなたも経験があるはずよ?

背筋がゾッとする経験

あなたも
見たことがあるはずよ?

蜘蛛の巣のように張り巡らされた
光景を

あっ
わたし決めたわ

次の子は
今までの子よりも機敏に反応してくれて
体が丈夫な子
それで
一緒にお風呂に行ければ最高よね

ね?
そう思うでしょう?

やっぱり
大切よね

防塵、防水機能って



             ●スマートフォン●  2020,11,24

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