見出し画像

なんで泣いてるん?

あれ…?

私…なんで泣いているんだろう



友人とたわいもない話をしていて
突如涙を溜めた私に
しばらく経ってから
「さっき泣きかけてたけど、なんで?」と
ちょっと不思議に、ちょっと馬鹿にしながら聞かれました


本当なんでもない話だった
「久しぶり〜」から始まって
もう付き合って何年だね〜とか
最近は〜とか
なんら変哲もない話


でも私は泣きかけてた
というか泣いていた


「なんだか嬉しくって…」





旦那様のまーくんが突然死んでから
私はしこたま泣きました

そりゃあもうとんでもなく

いつでもどこでも
もう一生分泣いたんじゃないか
来世の分も
その次の分も
それくらい沢山泣きました


とても
悲しかったから



悲しくて悲しくて
どうしようもできなくて

いない現実に
失った未来に
涙は止めどなく溢れた



今も悲しい涙は出る

会いたくて
でも会えなくて
一生会うことはできなくて

そんな人を想い続けて
一体いつまで出るのかと不思議なくらい
涙は枯れることはありません


けれど
悲しい涙が溢れ続けて
嬉しい涙も沢山出るようになりました


大切な人を失って
失うということを知って

今あるものが尊くて愛しくて奇跡であって
嬉しくて
涙が出ちゃうんです



一緒にご飯を食べる友人がいること
そういう友人に出会えたこと
出会えた大学に行けたこと
そのために決めた進路

出会い一つとっても
それは昔の自分と全部繋がっていて
その出会いと奇跡が
嬉しくってありがたくて大切で


「なんだか嬉しくて泣けるんだ」


失ったことで今あるものを見た
影があることで光に気づいた
欠けたことで満たされていることを知った


失って寂しい悲しい苦しい
だから今あるものが嬉しい温かい幸せ


幸せで涙が出るんです



帰ると両親がいて
似た境遇の姉がいて
私を待っている子供達がいて
話をする友人がいて
大事にしてくれる人がいて
大事にしたい人がいて

そんなものを持っている私は

たまらなく幸せで涙が出るんです




まーくんを想うと
寂しく悲しい気持ちになる

けど同時に
温かく優しい気持ちになる


温かく優しい気持ちになって
少し切なくなる



この世界は儚い

一生続くことのない
日々、変わらないようで変わり続けている
同じ日なんて1日もない
大切な大切な時間であるということ

その時間を共有する人がいること



その人との出会いも
偶然に偶然が重なり合った
奇跡の上で成り立っているということ


全部に感動しちゃって涙が出ちゃうの
悲しくて悲しくて
それでいて
幸せだなって


動く手足があることも
温かいお風呂に入れることも
美味しいご飯を食べられることも
お布団で眠れることも

一つ一つが愛しくて尊くて
あったかくて幸せで涙が出るんだ



ずっと
ずっとずっと

欠けた部分を感じているから


その『欠けたもの』が
私に温かいものを見せ続けてくれている


その『温かいもの』が幸せで
その『欠けたもの』が切なくて


自分でも分からないくらいに
涙が出るんだよ

その涙は
幸せの涙なんだよ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?