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高齢猫りぼん介護日記。4

うっかりラインをみてしまった。昨日の夕方終業30分前。

大学から帰ってきたら冷たくなっていたよ

見た途端本当は泣き出したかったがここは職場だ。あと30分こらえるんだ、私。

覚悟してたのに。してたのに。

一分でも早く帰りたかった。そんな日に限って電車は遅延だ。自分の不徳のいたすところだ。悲しみが襲ってくる一方、残念ながら葬式を3回出したことのある私は段取りを考えていた。娘にはりぼんにもしものことがあれば保冷剤のセットを指示していたからしばらくなんとかなる。娘と鹿児島から二人で連れてきた猫だ。段取りも相談しよう。娘のバイト先に寄って火葬は今夜か明日かといえば今夜で決定。最寄りのペット火葬業者は電車の中で検索済みだ。10時までの営業時間。間に合うぞ。りぼんを送り出すのに花を詰めなければ。花を選んで買って帰る。早く帰りたくてもなかなかたどりつけないもんだなあ。雨がそぼ降る中、家に着いた。ああ、りぼん。りぼんよ。おっとその前に業者に電話だ。優しいおじさんに夜9時に来てくれるよう頼んだ。娘がバイトから帰ってくるのが8時過ぎだからだ。さて、やっとリボンと向き合った。目を閉じるように指示しなかったためにバチバチに目が開いている。まだ生きているみたいだなあ、りぼん。動き出しそうじゃないの。片面の耳が立っていた。かわいいなあ。こんなにキレイな顔で逝ってしまったのか。死後硬直が進んでいた。娘にペットシーツの取り替えをたのんでいたがあろうことか裏表逆だった。。。片面汚れてるし。。。。りぼんキレイ好きなのに。。。濡れたタオルで身体を一生懸命拭いた。業者のおじさんに渡すのに手頃なダンボールにタオルを敷いてリボンを置いた。勝手にきめたが3人での葬式は08:30開始だ。父にいったらかしこまってステテコの上にちゃんとズボンを穿いて支度している。それまでに買ってきた花を支度した。支度中に娘が帰ってきた。葬式するぞ。小さな机にロウソクと線香を用意した。みんなでりぼんを花であしらった。

鐘を鳴らし線香を上げた。3人で般若心経を唱えた。りぼん、鹿児島のじいさんばあさんが迎えに来てるよ。さあ、行っておいで。まっすぐ行くんだぞ。
業者のおじさんが来た。とても優しい70代後半の紳士のようだった。お花追加でくれた。死因とりぼんの性格を用紙に書いて書類完成。私の休みの日に遺骨の返却をお願いした。

かくして今日はりぼんのいない初めての朝。気のせいか茶太はりぼんを探してるように見えた。ああ、もういないんだよ。じっとり人の毛布に乗りにやってくてくれるのではないかとやっぱり思ってしまう朝だった。


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