Right, there is nothing …… 003
_ニューヨーク
入浴するためにニューヨークへ。というくだらないジョークじゃないけど、眠るためにニューヨークへ行ったことがある。
というのもニューヨークへ経つ数日前という絶妙のタイミングで風邪をひいてしまい、しかも熱まで出て、ほとんど仕事を休んだことがないというのに、動けないくらいになってしまい、それでも無理しての一人旅だった。
もちろん病院へも行ったし、インフルエンザでもなかったし、ま、おそらくこの時疲れがどっと出たのだろう。
空港ではめまいがして座りこみ、機内では偶然隣り合ったアメリカの人に機内食の際に毎回ものをぽとぽと落とし迷惑をかけてしまった。
乗り継ぎのシカゴでは腹痛に襲われ、もうろうとしたままトイレにかけこみ、その後、中国の人に申告書の書き方やらなにやら質問されたがかいもくコミュニケーションできず。
けっきょく飛行機ではずっと眠っていたし、ニューヨークに着いてからもホテルでずっと眠っていた。
リゾート地の豪華ホテルのプールで横になってるのとは大違い。ダウンを奪われたボクサーの気分でなんとか立ち上がろうと試みたが歯が立たない、KOだ。
まったく食欲がなかったのでなにも食べず、しかし、まったく食べないのもいけないので、ふらふらしながら近くのデリで買ったバナナばかりを食べていた。ベッドの上でごろごろしながらである。
まじで夢ではないかと何回疑ったことか。でも、夢ではなかった。目覚めれば、殺風景な一室だ。
帰りの空港では眼鏡をなくしてしまった。後で係の人がわざわざ私を見つけ、届けてくれた。その頃にはようやく元気になっていた私は空腹を憶えたのでドーナッツとコーヒーを買って搭乗ゲートへと向かった。
2009年5月5日 セサミスペース M (Twitter)
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