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[SIAM™ Q&A]④最適なガバナンスとは?

Q:ガバナンスの仕組みを構築するにあたって、何か気を付けるべきポイントはあるでしょうか?
A:SIAM™のガバナンス構造は、非常に参考になりますが、日本企業にそのまま適用するには注意が必要です。特に、CxOや事業部門のサービスオーナ、ユーザ代表などのITサービスに関する意思決定への参加度合いは要注意です。

SIAM™では、SIAM™構造要素という形でガバナンスの考え方を示しています。これはITIL®等に比べると具体的で参考になる内容ですが、日本ではこのまま適用するのが難しいと考えています。

SIAM™では、委員会という形で、各レイヤ(戦略、戦術、運用)、各組織(顧客、SI、SP)にまたがった形でガバナンスが定義されています。

しかしながら、日本では上位マネジメント層、かつ内部のみのガバナンスは定義されているものの、SIやSPも含めたガバナンスが定義されている組織は少ないのではないでしょうか。また、事業部門の上位マネジメントやユーザ代表などビジネスサイドがITサービスの意思決定に関与する度合いが圧倒的に少ないと感じています。

この違いを認識しておくことは非常に重要です。

SIAM™で語られる様々な要素は、SIAM™構造要素(事業部門が積極的に関与することを前提とした委員会構造)が前提となっているため、前提が変われば最適解も変わります。「この違いはどう影響するのか?」を常に考え続ける癖をつけておきましょう。

加えて、特に昨今気を付ける必要があるのは、ガバナンスに柔軟性を持たせることです。サービスにも多種多様あり、その特性に応じたガバナンスを適用することがサービスの価値を最大化するために重要になってきます。

ガバナンスを見直す際には、様々な利害関係者を巻き込む必要がありますが、監査、セキュリティ、コンプライアンス、財務部門等の関係者は早期に巻き込むことは特に意識しましょう。

ガバナンスは守りの側面がどうしても強くなります。守りを司る部門の方々と時間をかけて交渉・コミュニケーションすることで、初めて実務として効果的・効率的なガバナンスを構築することができます。

参考)SIAM™プロフェッショナルの資格試験で使われるケーススタディからもSIAM™が考えるガバナンスをイメージすることができます。↓↓↓

本日は以上です。ありがとうございました。


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