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新卒デザイナー採用とデザイナーのキャリアビジョン

マネーフォワードは26新卒のデザイナー採用をしています!

これを伝えるnoteを書いて欲しいと採用部のメンバーからリクエストをもらったのですが、書いているうちにどうやら私が伝えたいことは、それに限ったことではなくなってしまったので、学生に限らず、広くデザインに関わる皆さんに読んでいただけると嬉しいです。


学生時代に身につけたいこと

マネーフォワードは2012年に創業した会社ですが、デザイナーの新卒採用は2016年からやっています。私もここ数年は新卒採用に関わっていますが、その中でよく聞かれる質問があります。

  • 学生の間に学んでおくべきことは何ですか?

  • 就活の時に、どんなことを考えていましたか?

  • 学生に戻るとしたら、何をしますか?

といったものです。

これに答える上で、少し私の経歴を紹介させてください。私は大学時代に情報デザインを学んだのちに、当時は珍しかった「インターフェイスデザイナー」という求人に惹かれ、まだ50人ぐらいだったスタートアップに入社しました。今から20年前の話であり、まだスマホもなく、UI/UXという言葉も一般的ではありませんでした。

デザイナーとしてエントリーした私でしたが、配属先は社長室でした。まだ「デザイン経営」という言葉はなかった時代です。私としては、デザインとビジネスは切り離せない関係という予感は当時からあったので、それは挑戦しがいのある仕事でした。約3年半の間、いわゆるデザインの仕事からは離れ、カバン持ちとしてトップセールスの同行から、経営ビジョンの具体化など、企業経営に関わる機会をいただくことができました。

その後、アートを学ぶためにニューヨークで3年半ぶらぶらした後に、日本でデザイン事務所を始めました。学生時代からお小遣い稼ぎでデザイナーはやっていましたが、本格的なデザイナーとしてのキャリアのスタートはこの頃です。この時、私は30歳でした。

デザイン事務所時代のオフィス

小さなデザイン事務所でしたが、仕事は順調で、多くのクライアントに恵まれました。そのクライアントの1社がマネーフォワードでした。仕事を一緒にするうちに「なんて、社会的に意義のある会社だろう。なんて、素晴らしい人たちなんだろう。」そう感じるようになりました。気づいたらフルコミットで、CDOをやっています。

話が長くなりましたが、ご覧の通り、学生の頃には想像していなかったキャリアでした。そもそも、当時はCDOという言葉もありませんでした。ただ、学生の頃から変わらないことは、ものを作ることが好きでしたし、そこにはいろんな可能性があって、何でも挑戦しようとやってきました。

最初の質問に戻ります。キャリアはあとからついてくるので、学生時代は何かに挑戦することに一生懸命になるのが良いと思います。デザインに限らず、いろんなことに越境する経験が、デザイナーとしての成長を支えてくれるはずです。

インタラクティブな道具をデザインする

就職活動をしていると、いろんな会社に触れることになりますが、マネーフォワードは学生の皆さんにとっては馴染みのない会社と言えるのでないでしょうか。お金の課題はライフステージとともに深まっていくので、家計簿もバックオフィス向けのサービスも学生時代には触れる機会が少ないかもしれません。

私は個人的な思いとして、「人が必ず向き合わなくてはいけないもの」をデザインしたいと考えてきました。例えば、時間、健康、お金といったものです。マネーフォワードはまさにその一つでした。さらにマネーフォワードは、その「道具」をデザインしています。道具のデザインはとても面白いものです。使う人の生活や仕事の質が変わります。その結果、社会が変わる可能性だってあります。

マネーフォワード クラウドERPのデザイン

私たちがデザインしているものはデジタルサービスですから、ユーザーとのインタラクションも日々感じることができます。ユーザーの声を直接聞き、サービスを育てて行きます。ほんの少しづつですが、社会が良くなっていくことを感じることができる仕事です。私がマネーフォワードでデザインをやっている理由の一つです。

支え合い、高め合うデザイン

マネーフォワードは家計・資産管理アプリやクラウド会計を中心に、60以上のデジタルサービスを提供していますが、その多くを「マネーフォワード」という一つのブランドで展開しています。BtoCもBtoBも同じブランドの会社はめずらしいかもしれません。同じブランドで展開している以上、どのサービスに接しても「マネーフォワードらしい」そう感じていただけるような世界観を目指しています。

マネーフォワードには100名以上のデザイナーが在籍しています。この規模になるとお互いの顔が見えにくくなるものですが、一貫した世界観を提供するにはデザイナー同士の協力関係が不可欠です。また、社内には様々な専門性を持ったデザイナーがいます。リサーチ、設計、スタイリング、マネジメントなど、何か困ったことがあっても相談し合える仲間がいます。 多くの企業において、デザイナーはプロジェクト内で少数職種のため孤立しがちですが、マネーフォワードでは部門を横断したナレッジシェアや交流の場も定期的に開催しています。

経験豊富なデザイナーは、多様なバックグラウンドを持つ仲間と一緒に仕事をすることで新たな視点を獲得し、新卒デザイナーは多様なチャレンジ機会を通じてどんどん伸びる。お互い支え合い、高め合うことで、デザイナーが活躍する組織を目指せると考えています。

AI時代に必要なビジョンを描く力

デザイナーのキャリアは時代と共に常に変化しています。私がキャリアをスタートした頃は、長年のアシスタント期間を経た上でデザイナーとして認められ、選ばれた者だけがアートディレクターへとステップアップするという世界でした。デザインのプロセスはほとんど形式知化されておらず、個人のアウトプットで、勝負するのが一般的でした。

今はそのプロセスがデザイン思考として知られ、共創とプロトタイピングが当たり前になっています。デジタルがデザインの対象として大きくなるにつれて、デザインの民主化も進んできました。

これから先、生成AIの発展が進むとどうなるでしょうか。さらに多くの人がデザインを身近なものとして使いこなせるようになるかもしれません。その時、デザイナーは何をすべきでしょうか?デザイン思考は「共感」のプロセスからスタートしますが、このプロセスは私たち人間の方が優れていると言えるかもしれませんし、そこから戦略的にあるべき姿を考えること、つまりビジョンを描くことは重要な役割として残るのではないかと思います。

日頃、社内でプロダクト開発をしていると、一見すると解決が困難に思われる事柄が発生します。不確実性の高い時代です。そんな時、未来を指し示すようなコンセプト、つまりビジョンは状況を打開する原動力となります。マネーフォワードでは、デザイナーがファシリテーターとしてチームをまとめるような場面が多くあります。例えばプロダクトビジョンを描く旗振り役をしています。こういった動き方は、この先も変わらず残るのではないでしょうか。

ビジョンを高解像度化するプロセス

私たちもまだまだ模索中ですが、ビジョンをドライブするようなデザイナーがたくさん生まれ、ものごとをForwardする、そんなデザイン組織でありたいと考えています。

まとめ

長くなりましたが、私はデザイナーという仕事は、常に未来を作ってきたと考えています。これからも、それは変わりません。ただし、そこでの働き方は変わっていくでしょう。これからデザイナーを目指す学生の皆さんも、キャリアを重ねたデザイナーの皆さんも、一緒にマネーフォワードで新しい時代のデザインを探求できたら嬉しいです。

マネーフォワードは26新卒のデザイナー採用をしています!

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