自動車と自転車と映画館
今日という日は愛車の初めての車検である。愛車、という呼び方はいささか大層な気がするが、気に入って乗っているし、広い意味でなら愛着もあるし、もちろん粗末に扱う気持ちは微塵もないので、やはり愛車なのだろう。
あらかじめマップアプリでディーラーまでの距離を測ってみると6.3㎞ということだったので代車の手配を断りもう一つの愛車である折り畳み自転車を自動車に積んで現地へ向かった。自転車に対する愛車呼びっぷりも自動車のそれとまあ似たようなことである。
朝10時に車を預け、出来上がりが18時頃になりそうとのことで、一度家に帰るのか、ディーラーの近くで暇つぶしを探すのか少し悩んだ結果、近くの大型ショッピングモールに行くことにした。
よし、今日は散財しよう。映画を2本見ることにした。
1本目の映画は某少年探偵が近未来的なスケボーに乗りながらあり得ないほどの運動能力と、これまたあり得ないほどの頭脳を駆使して事件を解決していくという、聞いたこともないような斬新なアニメ映画であった。
感想は「真実はいつもひとつ!」だと思った。ことにしておくと都合がよさそうである。
2本目の映画はイケメンのエクソシストがおっちゃんのエクソシストと戦う作品であった。
感想は「すごい迫力!」と思った。うん、すごい迫力だったんだもん。
いや、何やら茶化したような言い方になっているけれど、とても有意義な時間をすごせた、本当に。
それでもまだ1時間ほどは暇を持て余すことになっていたので、ウォーキング用のTシャツを求めてスポーツ用品店に入ったのだが、映画から脳の切り替えができておらずなかなか冷静に買い物ができないと判断し、すぐに店を出た。
となると、暇つぶしの王道はやはり書店である。書店では脳みそのモードがスムーズに切り替わる。近所の書店で探しても見つからなかった少し専門的な書籍を発見し、喜び勇んで購入。うきうきとディーラーに戻ったところでちょうどいま出来上がりましたとの事。営業の山本さんのきらりと光るリップサービスである。
一通りテンプレート的な車の運用の提案をされてようやく帰宅したのは20時前、なかなかに充実した1日になったと思う。
今夜はきっと愛車に乗った少年探偵が山本さんと共にエクソシストと戦う夢を見るのだろう。
その前にハイボール、ハイボール。
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