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企業の持続的成長とD&I ~well-beingの視点から(後編)

こんにちは。セプテーニグループnote編集部の田中です。
セプテーニグループでは、サステナビリティ活動の重点テーマのひとつに「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げ、さまざまな取り組みを行っています。
2022年5月に、その取り組みの一環で「企業の持続的成長とD&I ~well-beingの視点から」セミナーをオンライン配信にて開催。当社の社外取締役でもある予防医学研究者 石川善樹 氏による講演と、当社代表佐藤との対談を実施しました。

▲前編はこちら

今回はそのイベントレポートの後編として、第2部の石川氏と当社代表の佐藤による対談をお届けします。ぜひご覧ください!

石川さんから見たセプテーニグループ

佐藤さん:
後半は僕やグループのみなさんからの質問に答えていただきます。
まず最初に石川さんから見たセプテーニグループについてお話を伺いたいです。

石川さん:
ちょっと偏った見方かもしれませんが、セプテーニグループはやんちゃで元気な人が活躍している会社というのが最初の印象でした。ですがその後いろんな人と知り合って感じた特徴は、他の会社と比較して個性豊かな方がたくさんいることだと思います。

議論の仕方を見ていても、コンセンサスを作りにいかない。意図して不和を持ち込むところがおもしろい文化だと思います。
上の人を見て、そこに合わせに行く会社が多いのですが、そういう文化になっていないのはセプテーニグループの強みだと思います。

佐藤さん:
逆にもっとこうした方が良いと思う点は何かありますか。

石川さん:
セプテーニグループは育成方程式を使って科学的に多様な人を適正なバランスで採用、配置、育成しているという根本がすごく良いと思う一方で、そのテクノロジーが何かを見落とすことはないのかと気になります。

他の会社の採用を見ていると、自分と似たタイプの人ばっかり採用しちゃうんですよね。だからどんどん同質化してくるわけです。
セプテーニグループは良くも悪くも人間の判断を信じていない。

佐藤さん:
そうですよね。セプテーニグループはテクノロジーの力を信じているというのが根本の理念にあって、だからこそデータを見える化して、人や組織について、データの力でよりなめらかにしていく。みんなが幸せになるためにテクノロジーを使おうという考えです。

確かに課題は、テクノロジーは当然エラーを起こすということですね。
テクノロジーは便利だし、人間より役立つ判断をするけれども、万能でない前提で盲信せずに見直しをかけていく作業は必要ですね。

可愛げと大物感

佐藤さん:
続いては「新卒を中心とした将来世代に対して、大事にした方が良い考え方やメッセージがあればお聞きしたいです。」という質問です。

石川さん:
質の高い仕事をどれだけ若い頃にできるかって、すごく重要だと思います。
質の高い仕事は上の人からもらうしかない、でも自分はその経験もスキルもいろんなものが足りてない、という中で、大事なものは可愛げと大物感です。
若くしてチャンスを掴んで、ぐっと上に行く人って、可愛げと大物感があるんですよね。可愛げだけじゃ駄目。何か大物感があると。

今振り返ると、若くして活躍した人、チャンスをもらえた人って、時代を語ってたんですよね。「これからはこういう時代になる!」ってスケールの大きいことを言っていたんです。僕らみたいな世代は、次の若者に期待する年頃じゃないですか。そこで時代を語れるって若者の特権だと思うんですよね。可愛げがありながら、時代を語る大物感があるかどうかというのが大事ですね。

well-beingへの投資をwell-doingに

佐藤さん:
次は僕がお伺いしたいことです。
well-beingは「人が人らしく」ということで大事だと思うんですが、しっかりビジネスを伸ばしていかないと食べてはいけない。なのでwell-doingも企業経営においてやっぱりすごく大事なことだと思うんですよね。

とはいえ、well-doingだけをやっていると逆に成長もしなくなってしまうと思います。セプテーニグループは積極的にwell-beingに投資をしているのですが、投資をしていくときに、これがwell-doingにつながるんだということは感覚的にわかりづらいと思います。well-beingへの投資をwell-doingにつなげていくための工夫や、つながっていることを実感するための工夫はありますか。

石川さん:
リモートワークによってwell-doingに偏りすぎるという現象がいろいろな会社で起きています。効率が良くて生産性が高いけれど、自分は誰と仕事をしてるのかよくわからなくなってしまっています。
例えば、最初に入社したときいろんな研修があるじゃないですか。 最初にお互いがどういう人なのか知り合う機会があると、その後すごく関係性が楽になると思います。
そういうwell-beingな付き合いを1回持つことが後のwell-doingの大きな源泉になると思っています。

佐藤さん:
すごく実感があります。
例えばセプテーニグループで年に1回実施しているグループ全社員が参加するキックオフ。コロナ禍はリモートと対面のハイブリッドに移行したんですが、従来は対面で開催していたんですよね。年に1回、距離の離れた人同士も会って、話をして、そして各拠点に戻っていくわけです。 well-doingとwell-beingのバランスを考えてそういうコミュニケーションの設計をしていたわけではないのですが、自然と人同士の集まりの中で、このぐらいがちょうどいいバランスなんじゃないかなという風に落ち着いてきました。

石川さん:
それから移動も大事です。例えばイベントが3時間ある場合、 前後30分は移動に使うと良いと思います

佐藤さん:
バスや電車の移動で仲良くなったりしますもんね!

石川さん:
たくさん移動する人ってwell-being度が高く、クリエイティビティやパフォーマンスも高い傾向があります。座っているとどうしても論理的になるんですけど、移動中は論理性が落ちて、もっと直感的、大局的に物事をつかめるようになる。脳のモードの切り替えという観点も、すごく大事です。そういう意味では歩きながらのミーティングなどもおすすめです。
そういった細かいところから、 D&Iの良い入り口にしてくっていうのは良いですよね。

佐藤さん:
おもしろいですね。

共通項を見つける

佐藤さん:
次が最後の質問になります。

石川さん:
「上長がwell-doingの思考が強く、well-beingの大切さを理解してほしいと感じています。どうしたらよいでしょうか。」部下から上司へのアプローチ方法についての質問が来ていますが、どうしたら良いですか佐藤さん。

佐藤さん:
パワーで押し切るのは難しいですね。well-beingが必要だと石川さんが言ってる、など正しい理屈で解いても多分難しいですよね。

石川さん:
佐藤さんはどう思いますか!?

佐藤さん:
寓話をたくさん読んでみると良いと思います。イソップ童話とかグリム童話とかね。そうするときっとその上司も多分どれかのエピソードには当てはまると思うんですよ。
寓話の中から、上司のパターンを見つけ出して、その寓話をうまく日常の会話の中に入れて、上司が気づくきっかけをつくると良いと思います。

石川さん:
そうですね。人って自分で気づかないと変わらないんですよね。
まずはその上長の思考が好きになれないということだと思うので、別のところを好きになることですね。自分と同じところを見つけると、徐々に雪解けが始まるかもしれないです。

佐藤さん:
似てるところを見つけようということですね。前半の石川さんの話にもありました。

石川さん:
その上司の方がどういう人生を送ってきたのか、どういう家庭環境だったのかとか、その人のことを人として知ると何か実はwell-beingの部分もあるじゃんみたいなことがあるかもしれないですね。

佐藤さん:
良いですね!簡単には答えが出ないテーマですが、ぜひアプローチの仕方をいろいろ工夫していただけると良いと思います。

well-beingとwell-doingのベストミックスに向けて

佐藤さん:
そろそろクロージングの時間が近づいてきました。最後に一言お願いします。

石川さん:
D&Iは基本的に難しいと思います。思考が合わないとか、そもそも人として合わないとか、普段距離が遠い人たちとどう良い間を取るかという話なので。

最後のご質問者みたいに、あの人はwell-doingで私はwell-beingで合いませんみたいなことだと、多分一生合わないんですよ。なのでD&Iは共通項を見つける努力から始めるということに尽きるのかなと改めて思いました。今日はありがとうございました。

佐藤さん:
今日は適切な間が大事だという学びがありました。
well-beingとwell-doingのベストミックスを実践し、セプテーニグループから発信していこうと思います。本日はありがとうございました。

*編集後記*
石川さんから見たセプテーニグループの特徴は「いろいろな個性の社員がいること」。
個性豊かな社員ひとりひとりが活躍するために必要不可欠なD&Iについて、難しいテーマでありながらも石川さんに「おもしろく」お話しいただき、あっという間の2時間でした。

今回のイベントで改めてセプテーニグループにおいてダイバーシティを推進していくことの大切さ、また私たちがどう行動をしていくべきか学ぶことができました。
これからもセプテーニグループの社員ひとりひとりがアントレプレナーシップを発揮できる職場づくりに向けて、D&Iを推進してまいります。

#セプテーニグループ #ダイバーシティ #ダイバーシティアンドインクルージョン #イベントレポート