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ダイバーシティアワード2021を振り返って

こんにちは。セプテーニグループnote編集部の宮崎です。グループのD&I推進を担当しています。

セプテーニグループでは、2020年から「ダイバーシティアワード」を実施しています。ダイバーシティアワードは、グループ内から「ひとりひとりが活躍できる環境をつくり、イノベーション・成果創出を目指す取り組み」を集め、特に評価の高い内容をグループキックオフで表彰するアワードです。

▲ダイバーシティアワード2021グランプリ受賞者インタビュー

本日は、第2回となったダイバーシティアワード2021の実行委員をつとめた平岩さん、服部さんに、第1回ダイバーシティアワードからのアップデートポイントや今後の展望などをお伺いしました。ぜひご覧ください!

平岩さん 
株式会社人的資産研究所 次長
2007年にセプテーニ・ホールディングスへ新卒入社。人事総務部へ配属となり、新卒採用・研修等を担当。2010年にSepteni Japanへ転籍し約5年の営業経験を経て、2015年に採用戦略室(現HRBP)を立ち上げる。採用・育成・組織開発領域の部長を約4年務めた後、2022年1月より株式会社人的資産研究所へ転籍し、新規事業のグロースに奮闘中。

服部さん
トライコーン株式会社 アドミニストレーショングループ アシスタントマネージャー
株式会社セプテーニ・データ・ソリューションズ 管理部出向
新卒でセプテーニに入社、広告事業に従事。その後、別の会社でのキャリアを経て、セプテーニグループに復帰。2020年よりトライコーンへ転籍し、人事・採用担当の他、社員がモチベーション高く能力を発揮できる職場づくりに奮闘中。

ダイバーシティアワード実行委員会に手挙げで参加した理由

─ ダイバーシティアワードは、サステナビリティ委員会のD&I担当者と、グループ各社からの手挙げで集まった社員とのハイブリッド型の実行委員会で運営されています。実行委員会メンバーには、アワードの設計、広報および一次審査の審査員まで幅広く担当いただいています。服部さんは手挙げで第1回開催時から実行委員会に参加されていますが、参加の動機を教えていただいてもいいですか?

服部さん:
私はセプテーニグループを一度退職し、他の会社を経て再入社した出戻り組なんです。また再入社した会社からグループ会社への転籍も経験していたりと、グループの中でもかなり珍しいキャリアを歩んでいるんじゃないかなと思っていまして。そんな経験があるからこそ、自分も含めていろんな人が活躍できるような取り組みに貢献できるんじゃないかなと考えて参加しました。

─ なるほど、そうだったんですね。ありがとうございます。ちなみにセプテーニグループに戻ってきて印象的だったことってありますか?

服部さん:
とにかく規模の変化に驚きました。私が新卒で入社した頃のセプテーニは、まだホールディングス化もしておらず、ワンフロアで見渡せる範囲に全社員がいました。グループ会社も増えているし、グループの事業内容も多岐にわたっていて。以前はだいたいの社員の顔と名前が一致しましたけど、今はそうはいきません。

でも当時と変わらないセプテーニらしさが残っていて安心しました。「人の良さ」ってなかなか表現しづらい部分はあるんですけど、私がいま所属しているトライコーンも含めて、「人が良い」ことが変わっていなくて嬉しかったですね。

─ 「人の良さ」は社内外のいろいろな人からセプテーニらしさとして挙げられるポイントですね。話を戻しまして、ダイバーシティアワードの実行委員会を2年経験されての感想を教えてください。

服部さん:
とても刺激をもらえる機会になっています。ダイバーシティアワードに応募されるグループ内の取り組みは、どれも素晴らしくて勉強になりますし、実行委員会自体、年齢・性別・役割等、さまざまな方がグループ内から集まっているので、それぞれの考え方に触れることも刺激になります。

事業会社の中で仕事をしていると、どうしても事業会社の中だけで物事を考えがちなんですけど、こういう委員会に参加すると、自分の頭をリフレッシュして、俯瞰した視点を得る良い機会になっているなと感じます。

ダイバーシティアワード実行委員会の多様性

─ ありがとうございます。たしかに普段の業務とはまた違った視点が求められますよね。その視点を持って普段の業務に向き合うと、今まで気づかなかったことに気づけたりする。これは横断委員会に参加いただくメリットの一つだと思います。では続いて平岩さん。第2回開催から参加いただきましたが、率直な感想をお聞かせください。

平岩さん:
僕はこれまで、hug-kumi委員会(※1)やSEPALLY RAINBOW(※2)などの横断委員会に参加してきました。それらの委員会は課題がどこにあるのかをディスカッションして施策を検討するところからスタートするのですが、ダイバーシティアワード実行委員会は「ダイバーシティアワードの成功」というミッションありきで活動するスタイルが新鮮でした。

また服部さんも言ってましたけど、横断委員会のメンバーがものすごく多様だったのは印象的でした。社内コミュニティというより、社外の人も含めたプロジェクトのような感覚でしょうか。僕自身、初めてお話しする方もいて。

(※1)hug-kumi委員会
女性の働き方や全社員のワークライフバランス向上を目指し組成されたSepteni Japanの有志による横断委員会。

(※2)SEPALLY RAINBOW
LGBTに関する取り組みを推進するセプテーニグループ横断の有志による横断委員会。

あとダイバーシティアワードの運営って、グループ内の良い取り組みを探してスポットライトを当てていくことだと思うんですけど。

─ ですね。宝探しのような感じがあります。

平岩さん:
設立2年目のアワードですし、「ダイバーシティアワードを受賞する」ことを目的に取り組みを推進している人はまだいないと思うんです。そんな中、アワードを意識せずにやってきたことにスポットあてて表彰する。そのプロセスがすごく良いなと。「取り組み進めておいてよかったね」というのを実感する時間なんですよね。

─ ありがとうございます。2021の実行委員会には新卒1年目のメンバーからベテランまで、各社から本当に多様な顔ぶれが集まりました。一方で、ベテランが多い中で新卒社員が少数という状況は、発言しづらいこともあっただろうなと事務局としては反省しているんです。実行委員会のインクルージョン度には、まだ改善の余地が多分にあるなと。

平岩さん:
ある程度グループのことを知っているから、いろんな取り組みをピックアップできるという意味では、ベテランの存在は大事だと思いますが、新卒社員や社歴の長くない中途社員のような新しい目線も必要ですよね。

「属性以外」の多様性の取り組みが多くエントリーされた

─ そうなんです。その目線をしっかり活かすことがアワードの成功につながると思っています。ダイバーシティアワード2022に向けての改善ポイントの一つだと考えています。では次の質問に移りますね。ダイバーシティアワードのエントリー内容や受賞した取り組みについて振り返りたいと思います。第1回開催時と比較して、良い点、印象に残っている点はありましたか?

服部さん:
募集時のメッセージの出し方の影響もあったかもしれませんが、1回目に比べて2回目は「属性以外」に関するD&Iの取り組みについての応募が多かったことが印象的でした。

セプテーニグループでは女性活躍推進もLGBTについても積極的に取り組んでいますが、その一歩先、属性だけではないD&Iがグループ内でも重要視され、実際に取り組みが推進されていることが垣間見えた回だったのかなと思います。活動の進歩を感じました。

─ 第2回開催では女性活躍推進関連のエントリーがゼロだったのは私も驚きました。「D&I=女性活躍推進」という段階から卒業できたと考えると感慨深いものの、女性活躍推進においてもまだ課題はたくさんありますので、そこはしっかり進めていきたいなと思います。

▲2020年に実施したD&Iワークショップで岡島悦子様から提示いただいた資料。セプテーニグループはダイバーシティ2.0から3.0へのアップデートを目指しています。

※セプテーニグループでは、女性やLGBT、外国籍社員、出向社員、新入社員など、特定の属性の社員に関するD&Iを「属性に関するD&I」として分類しています。一方、属性以外のD&Iは、知・経験・視点の多様性、タスク型の多様性、すべての社員に対する心理的安全性担保の取り組みなどを指しています。

─ 平岩さんは、今年初めて一次選考を担当いただきました。いかがでしたか?

平岩さん:
あらかじめ全社に公開していたアワードの評価基準は、けっこう抽象的だったと思うんです。にもかかわらず、アワードの実行委員による一次審査の結果は大きくブレることはなかった。審査員全員が同じような内容を高く評価していたんですよね。

所属会社もバラバラだし、会社によってカルチャーが違うところもある。年次も役職も全然違うのに、この委員会に集ったみなさんは同じ価値観を持てているんだなと。エントリーされた内容もかなりバラエティに富んでいて、正直すごく審査が難しいと思ったんですけど、自分が高く評価した内容を他の実行委員のメンバーも高く評価していたというのは、ある意味これがセプテーニグループの価値観・暗黙知みたいなものなのかなとも思いました。

─ たしかにそれはありましたね。実行委員会のメンバーはアワードの設計前に「なぜセプテーニグループはD&Iを推進するのか」「このアワードを通じて何を実現したいのか」について、かなり時間をかけて議論しました。それも目線をあわせるために良かったのかもしれません。

それから今年グランプリを受賞した取り組みは、本審査で満場一致で受賞が決まったんですけど、一次審査もトップ通過していたんですよね。入山章栄さんや岡島悦子さんといった外部のD&Iの第一人者の方と同じ内容を高く評価できたというのは、実行委員会のみなさんのD&Iへの理解度がさらに向上しているということなのかもと思い、そこでも進歩を感じた第2回開催でした。一方でこのアワードはまだ発展途上です。今後に向けての改善点などがあれば教えてください。

今後に向けて

服部さん:
D&Iの取り組みは、1ヶ月とかの短期で終わるものばかりじゃない、むしろ中長期の取り組みも多いと思うんです。だからこそ続けることに意味があるということをメッセージとして出したいし、継続する姿を応援するアワードにできると良いのかなとも思いました。

あとは「セプテーニグループのD&Iとは?」は、毎回考え続けて定義をアップデートしていきたいですよね。「DE&I」の「Equity」の考え方や、イントラパーソナルダイバーシティの視点など、目指すべきD&Iの形はどんどん変わっていると思うんです。

世の中の流れと当社のD&Iをうまく融合させアップデートしていくためにも、ダイバーシティアワード以外でもD&Iに触れる機会を提供し、啓発していきたいです。

─ まさに2022年5月現在、ダイバーシティ月間2022が開催されています。さまざまな角度からD&Iに触れる機会を提供して、グループのみなさんになぜD&Iを推進するのかハラオチしてもらうことが目的です。ぜひたくさんの方に参加いただきたいですね。平岩さんはいかがですか?

平岩さん:
いまESG投資が盛んになっていて、企業もESGの取り組みが求められてますよね。ESGのSって「Social」、「Social」の中の代表的な要素が人的資本です。人的資本はD&Iやメンタルヘルス、デジタルHRなんかが含まれると思うのですが、だからこそこういうアワードの取り組みなどをもうちょっと定量化して、外部向け、投資家向けの情報につなげていけると良いなと思います。非財務情報として。

何につなげていくとグループとしての価値が出るのか、それをどう可視化すると価値を理解してもらいやすいのか、という視点を持てると良いかなと。

服部さん:
たしかにグループにどう貢献しているのか、そのつながりが見えるようになれば、外部はもちろん内部に対しても良いですよね。アワードの実行委員会の中で、D&Iを推進することが事業や経営にも良いインパクトがあるとハラオチしてもらえたら、もっと活動にドライブがかかるんじゃないかなという意見も出ていましたし。

─ まったく同じことを本審査で岡島さんにアドバイスいただきました。すごく良い取り組みだし、しっかり外部にアウトプットしたほうが良いと。アドバイスを受けて、先日公開した統合報告書2021でさっそく紹介していますのでぜひ見てくださいね!

統合報告書2021はこちらからご覧ください

セプテーニグループの「Social」に関する取り組みが、グループの財務価値にどれだけ貢献できているのか。そのつながりを数値で表現するのはとても難しいお題です。長期目線で検討を進めていきたいと思います。

ちなみに今回ダイバーシティアワードのグランプリを受賞されたのは、以前平岩さんが管轄されていた部署のお二人でした。受賞された二人は当時どんな反応でしたか?

人的資本の最大化に力を入れているグループのシンボリックなアワードにしたい

平岩さん:
受賞すると思っていなかったようで、驚きと喜びが半々のようでした。事業会社のHR部門は、こういったアワード企画は運営側に回ることが多いんですよね。表舞台で評価されることはあんまりない。そういう意味でいうと特に嬉しいですよね。

服部さん:
本当にそうだと思います!

平岩さん:
本審査では、「HR担当者のためのアワード」にならないように運営できると良いねというアドバイスがあったと聞きましたが、個人的にはHR担当者たちが表彰される場であってもいいのではないかと思っています。

─ 「HR担当者のみがエントリーするアワード」になってしまうのは主旨と反するのですが、HR担当者の腕の見せどころ、という考え方はアリですね。

平岩さん:
セプテーニグループの文化って営業会社のカルチャーがベースなので、わかりやすく成績を上げた人が表彰されるじゃないですか。それもそれですごく大事だと思うんですけど、HRって今後ますます重要になっていきますし、人的資産研究所のようなグループ会社もありますし。「Social」に力を入れている会社なのであれば、グループとして「Social」の取り組みを推進する社員をしっかり評価していくことも必要だと思うんです。

─ なるほど。ダイバーシティアワードをきっかけに、グループ内のHR担当者で知見を共有し合うHRコミュニティを立ち上げました。各社の取り組みを横展開する等、グループ内の資産を有効活用できると良いなと。

服部さん:
コミュニティきっかけで、グループ他社のHRメンバー先日ランチしてきました。似た悩み、まったく違う課題、話題が尽きず1時間では足りませんでした(笑)

─ 各社の知を持ち寄ることで、イノベーションの種のようなものが育まれるのが理想ですね!

平岩さん:
そうですね。あと僕としては、グループ全体のHR担当者、もうHuman ResourceのHRじゃなくてHuman CapitalのHCって言ったほうがいいのかもしれないですけど、グループの人事まわりに関わる人たちの価値を上げたいとすごく思います。

セプテーニグループは人的資本の最大化にとても力を入れているグループ、それはセプテーニ・ホールディングスだけではなくてグループ各社独自の取り組みも含めて、という世界観になると良いなと。それが結果としてESG推進につながるとも思うんです。

ダイバーシティアワードは、そこにむけたシンボリックなアワードになるんじゃないか、そんな形で発展していくと良いなと思いました。

─ ぜひそうしていきたいですね!本日はありがとうございました。

* 外部審査員からのアワード講評 *

今回のアワードでは、経験の多様性、インクルーシブの取り組みに応募が集中していました。まさにダイバーシティ3.0、セプテーニグループ固有のダイバーシティの領域に入ってきているということだと思いますので、とても素晴らしいと感じました。

HR部門の方はもちろん、現場の方からもさまざまな取り組みがエントリーされているのは本当に素晴らしいことです。事例をつくり、表彰してフィーチャーすることで、さまざまな部門の方にとって気づきとなり、グループのダイバーシティがどんどんアップデートされていくと良いなと思います。

またこれは提案ですが、このアワードについて何らかの形で定量化・指標化するのはどうでしょうか。応募数や表彰式への参加者数など、グループのみなさんがD&Iやエンゲージメントを自分ごと化できていることをアワードとともにスコアリングしていくと、社外・社内両方にとって本質的で良いと思います。ぜひ検討してみてください!

今回初めてダイバーシティアワードの審査に参加しました。
セプテーニグループでは、地に足をつけて現場でダイバーシティの取り組みを積み重ね、アワードという形でその取り組みを拾い上げフィーチャーし、それがグループのみなさんの内発的な動機となってさらにD&Iが推進されるという仕組みになっており非常に素晴らしいと感じました。

先日のダイバーシティ月間の講演でお話しした「経路依存性」にも関連しますが、ダイバーシティ推進だけをしても企業は変わりません。グループのみなさんが自分の関わっていることもどこかでダイバーシティとつながっているんだと実感できればD&Iはさらに進むでしょう。

このアワードを継続していけば、セプテーニグループにとってのダイバーシティをうまく体系化・表現できるようになると思います。非常に素晴らしい取り組みですのでぜひ継続していってください!

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