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尼僧の懺悔

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女は灰になっても女。 女であることは業なのか。 これは堕落なのか自我を取り戻す旅なのか。
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#ノンフィクション

尼僧の懺悔0

私は今から10年ほど前、尼僧を辞めた。 直接の原因は適応障害になって、心身共にその生活を維…

尼僧の懺悔1

その頃の毎日は、将来の夢や理想などはなく、ただひたすらに今があるだけだった。 出家から5…

尼僧の懺悔2

道場修業時代は、僧侶としての基礎を教育されるとともに、僧侶の裏の慣習にも親しむことになる…

尼僧の懺悔3

どういう偶然か、境遇の似た二人の出家が、ネット上で出会った。 最初はそれだけだった。 仏…

尼僧の懺悔4

男と寝て、罪悪感はなかったのかと言われれば、それは確かにあった。 どう方便を回しても、破…

尼僧の懺悔5

出家同士の恋は先がない。 どこぞの子弟である彼も、師匠の鶴の一声でどこかの寺へ婿養子に入…

尼僧の懺悔6

どんなものでも、終わりが来る。 それがこの世の理である。 私の表側の毎日は、少しずつ荒んでいった。 師匠の病は、大型行事前で多忙もあって、悪化の一途だった。 夜に妄言で起こされることも度々あった。 前触れも心当たりもなく突然疑われ、怒鳴られた。 尼寺は女の出入りが多い。 駆け込み寺よろしく、様々な女性がやって来ては去っていった。 その中でも一番困ったのは留学生だった。 日本人なら説明のいらないことを、ゼロ以下から説明しなければいけない。 寺の生活では、理由を訪ねられて