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展示会の終了は会場撤収ではなく、使用資料をパネルから外して戻すまでー実際の戦闘も似てるとインパール作戦で学ぶ

 第8回展示会、8月13日から18日までの会期を無事終え、155人の方にご来場いただきました。遠くは北海道、宮崎県、島根県などなど、そして地元長野市内と県外と、実に多くの場所から足を運んでいただいたことに感謝いたします。

 前回は300人、その前は450人で、減ってはいますが、前々回は新型コロナの5類指定で人が出やすくなったうえ、地元の新聞折り込みのミニコミのトップページ1ページで紹介していただいたのが大きかったです。昨年は5年間かけてようやく完成した「牧内兵長回想録」を発行し、新聞に取り上げていただいたことで、記事を握りしめてご来場いただく方もおられるなど、新しいことをやった効果が出ました。まあ、そうやって獲得できた方を引き留められないところに力量不足を感じるのではありますが。

 今回は、事前の新聞報道は催し欄程度だったこと、完全にお盆に重なり、同種の集まりが各地であったことなどから、入場者数は減ったかと思います。それでも、毎年来ていただいている地元の常連さん、そしてXつながりの方が多数見えられ、ネットでのPRとチラシのDM、八十二文化財団の案内でここまでの方に来ていただいたこと、大変感謝しております。Xでみていて、今回初めて来ることができたとのお言葉は、大変ありがたかったです。

 今回、アンケートと来場者の様子を見ていたことから、30-50代の、いわゆる子育て世代から少し上の世代、従来の60-70代中心より若い世代が来場者の中心を占めたということは大きかったと思います。現在の社会を動かし、あるいはこれからを担っていく世代の方に注目いただけたことに大いに感謝しております。ありがとうございます。ご家族連れのお子様の「ちょっと難しかった」のお言葉にこたえられるよう、より一層、分かりやすく、しかし深く感じられる展示としていかねばと思いました。
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 さて、会場を撤収した荷物は、すべて我が家に運び込みます。展示品はすべて中の人の個人収蔵品ですので、全部自力で片づけねばなりません。運ぶのは奥さんが手伝ってくれても、どこに何を、というのはすべて中の人がやらねばなりません。木銃など大物や展示台に置いてあったものまでは、なんとか8割方片づけましたが、パネル類は手付かず。何しろ、翌日から普通に仕事ですから、無理するわけにはいきません。

 そして昨日、残してあった紙芝居を片付け、ビン類を新たな位置に配置し、ケースは全部片づけたところでダウン。何しろ、夏休みが全部展示会でフル稼働ですから…。そして本日、ようやく少し回復し、パネルの処理にかかりました。

パネルのネジを一カ所だけ外してアクリル板を外し

 パネルはねじを一つはずせばアクリル板が外せますので、セロテープで止めた資料を次々と剥がしていき、裏のセロテープを慎重に剥ぎます。

セロテープをまいただけ。ゆっくりはがすと袋が保存用に使えます

 説明文はテープのリで貼ってあります。はがすときは簡単で、こちらも残さず剥がします。

説明文、テープのりでほぼ堪えてくれました

 そして袋に入れておいたほうが良いと思えるものはそのまま、だめなものは取り出したり新しい袋に入れなおして、元の場所にまとめます。

このパネルは1人の子供の作品なので入手時の状態で新たに袋へ

 そして資料は棚のしかるべき場所へ入れて(次に分かるように!)、パネルはアクリル板をはめてねじ止めして保管します。これを16枚ぐらい繰り返すことになります…。

何はともあれ、外すと気分がよいです

 こちら、満蒙開拓のパネル。パネルに掲示する良さは、選択がうまくいくと、出来事がしっかり線となってつながってくれて、これを面的に一覧できることではないかと思います。これをいくつも連ねることで、時代が浮かぶーこれが展示会のだいご味かなと思って居ます。

一見無関係に見えるものもあると感じられる満蒙開拓パネル
満州事変中に長野県で起こった満州愛国信濃村の募金依頼文

 満州愛国信濃村、結局寄付が集まらず頓挫しますが、国策で息を吹き返し、移民先進県の礎となった運動です。

国策となり、視察団も次々派遣
初期の武装移民団も毎回割当があり、犠牲者も出ます
やがて、長野県民だけによる開拓団も送出します

 一方、満蒙開拓青少年義勇軍の送出にも長野県は全国最多の送り出しをしていますが、この背景には、教員赤化事件とフレームアップされた二・四事件の存在を抜きには語れないでしょう。

二・四事件を報じる新聞
これを受けて汚名をそそげと国策協力に転換する信濃教育会

 軍需景気で開拓団がなかなかまとまらない中、長野県も強く義勇軍を後押ししています。ここで先ほどの教員の力が大きく作用したであろうことは、想像に難くありません。

長野県による募集。実際は各市町村への割当もあった

 こんな思いを込めていたなと、思い出しつつ、あるいは、ここは分かりにくかったか、と思いつつ、所定のファイルなどに納めていきます。これが複数に渡ると面倒なんですが、根気の勝負です。

役に立ちそうなキャプションは再利用です

 こんなことを繰り返して、ようやく本日は6枚のパネルを処理できました。なんとか、来週末には片づけられるかなと見込んでいます。
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 表題、インパール作戦を引き合いに出していますが、戦争も正面の戦闘を終えたらその時点で終了というわけではないのです。確かにインパール作戦は7月に中止と決定しますが、前線の各部隊は後退する必要があるわけです。後退中にも、敵はこちらが降伏したわけではありませんから、追撃や空襲があるので、こうした敵の攻撃に反撃しつつ振り切って、安全地帯まで後退し、ようやく本当の意味での作戦終了となるわけです。そういう意味では、展示会はまだ終了していないのであります。この片付けと並行しつつ、また新しい情報も発信していきます。
 立ち止まることはあっても、将来のためにもあゆみを止めるわけにはいかんのですから。

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