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<戦時下の一品> 御下賜繃帯
「御賜のタバコ」は、戦場で功労のあった兵士らに配られて割合よく知られています。こちらは「御下賜繃帯」で、立派な木箱に包帯が油紙に包まれ収納されています。
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現在でも十分に使用に堪えそうです。経緯などは不明ですが、基本的には傷痍軍人に送られたものです。「御賜のたばこ」が天皇からの賜り物とすれば、御下賜包帯は皇后にできる限られた行為の一つだったでしょう。
ネットで調べた範囲ですが、起源は1895(明治28)年、日清戦争当時、時の皇后が日本赤十字社にみづからや女官で作った包帯を下賜し、日赤では陸軍病院などで傷痍軍人に使ったということです。その後は戦争の規模が大きくなり、そんなお手製という形では追い付かないはずで、名目としての意味合いで多数製造されたでしょう。
大日本帝国時代の日本軍は「天皇の軍隊」ですから、天皇や皇后からの思し召しが、大切な儀式であり、重要な人心掌握術であったでしょう。一個しか使っていないのも、ありがたさから使うのを躊躇していたのかもしれません。戦争が何のために行われたか、天皇の軍隊の位置づけを伝える、貴重な一品と思います。
さて、こうしたものを次に使われないようにするのが日本国の政治家の務めですが、どうやらそんな務めをさらりと忘れ、死地に追いやる為子どもをつくれなどと言う政治家も出る始末。こうした政治家が真剣に戦争を回避できる道をつくれるのか。国民が見極めていかないといけないことです。
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