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4/1,000冊目 生きるって戦略のひとつなの!? 『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』 ジャレド ダイアモンド(著)

3年間で1,000冊読んでみました。

読んだ1,000冊の本を紹介していきます。

人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』 ジャレド ダイアモンド(著)

原題は、“why Is Sex Fun?”。性というものを科学的に直視するとなにかと気まずさや不快や戸惑いを感じてしまうことが多い。そのなかでも本書は、どういうわけか気まずさが少ないほう。橘玲氏の『言ってはいけない』や『女と男』はなかなか気まずい(笑)。しかし合点の行く事実(と考えられているもの)ばかり。

ジャレド・ダイアモンドといえば、『銃・病原菌・鉄』がかなり有名。かのひろゆき氏も動画のなかで「人生を変えた3冊」のなかの1冊として紹介しています。(残りに2冊は『コーラン』と『コンテナ物語』)

そもそも人間の性はかなりユニーク(変わっている)

人間が「健全」であり「正常」だと思っている性の有り様は、他の動物から見えるとかなり奇妙キテレツなものです。夫婦で子育てするのも変わっている方だし、排卵期がわからないなんてかなり変わっています。

そういうことごとに「なぜ?」という疑問を抱くなら、本書はまあまあ答えてくれます。そしてこの辺のことは日本語で検索してもあまり出てこないんですよ。黒川伊保子さんの本が、男女の違いを知った上でうまくいく方法だけをうまく伝えるものですが、「ぶっちゃけ根源は何?」という探求に至ると進化生物学や進化心理学の領域に入っていきます。ダイアモンド氏のこの本は薄いし、そのあたりまあまあ網羅してくれているので、気軽にその探求をガイドしてくれます。ちなみに人間の男性器って、ちょっと他の動物に比べて、対身長比でいうとかなりかなり大きい。これもなぜか答えてくれています。

進化心理学の領域で答えてくれているのは、ダグラス・ケンリック氏の『野蛮な進化心理学』で、興味があればそちらもおすすめします。


この本から得たもの

  1. 排卵期がわかりにくい理由(2説あり)

  2. 恋愛を達観する微力(達観したって失恋や恋愛に振り回されないわけではない)

  3. 自分を特別視しない論拠

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