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⑤絶対に管は通したくない。


部屋に戻ってから寝たり起きたりを繰り返す。
気付いたら16時になっていた。
やっと水が飲める。
下半身はまだ動かない。

ひたすらに、全力で水を飲む。
理由はひとつ。
21時までに尿を出さなければ管を通されるから。
絶対に管は通したくない。
もう痛い怖い思いはしたくない(残念ながらこの後何回も体験することになるが)。

18時の流動食は申し訳ないけど半分残した。


下半身の感覚も少しずつ戻ってきた。
幸いに尿意もやってきて、
これまたデビューとなった尿瓶を当てるが、
(さらにはオムツもデビューしている)
完全に麻痺が解けたわけじゃないから上手く出せない。
少し出せたからこれでいいかと思ってたけど、
「んー、ちょっと少ないかな」と言われてしまった。
心を無にして待つ。
麻痺が解けるのを信じて待つ。
そして19時過ぎ。
麻痺がある程度解けてきて
自分でコントロールできるようになってきた。
今なら行ける…!!
これで管を通さなくて済むぞ…!!
と思いながら尿瓶に溜めていく。

尿問題を無事にクリアし、
病院で迎えた最初の夜。
雑誌やテレビを見ながら時間を潰す。
眠くなってきて寝ようと思うと
ここでまた新たな問題が。
脈を測る機械。
眠りに入ろうと目を瞑る=脈が下がる、と
ピーピーなる。点滅し部屋の中を照らす。
ベッドから離したくても
体と繋がってるから離せない。
仕方ないらしいが、全く寝れない。
くぅ。
結局3時くらいまで寝れず、
1日目は終わった。

そして2日目。
地獄の始まり。

続く

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