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④見知らぬ、天井。立て続く新しい扉。



手術前日。
PCR検査と手術・入院の説明を無事に終え、
病院に持っていくものを準備する。

なんせ人生で初めての手術・入院だから
不安ももちろんあるんだけど
仕事を連休で休める嬉しさも大きくて
るんるんで準備をした。
入院する部屋は個室でなんでも出来るから
全力で満喫してやろうと。
溜まってた雑誌数冊と燃え殻さんのエッセイ、そしてモンハン。
お菓子と飲み物もカバンに詰めた。

そして手術当日。
10時に病院に到着し、少し待ってから
入院する部屋に案内された。
綺麗な部屋だ。
担当の看護師さんがやってきた。
少し変わった名前で可愛らしい看護師さんだった。
「13:30から手術なので、それまでに手術服に着替えて貰います。その前に体温とか血圧盛って、浣腸だけしますね」
「はい、よろしくお願いします」

何がよろしくお願いしますだ。
浣腸だぞ、浣腸。
これまた人生初だぞ。
何冷静ぶってんだ。笑

10分後、看護師さんが色々と道具を持って戻ってきた。体温を測る。血圧を測る。
そして
「じゃあ浣腸するので横になってください」
扉をノックされた。

脱ぐのか。
自分はこの看護師さんの前で脱ぐのか。
ベッドに横になる。
全然平気ですよとズボンを下げる。
そして、ボクサーパンツを下げる。
すっ。
あっという間に浣腸は終わった。
これまた人生初だった、
お尻から入ってくる変な感覚。

「少し我慢してもらって、あ、でもすぐに行ってもらっても大丈夫ですからね。このあと少し毛剃るので、また戻ってきますね」

昔からお腹が弱い自分はナースさんが部屋を出て1分後にはトイレへ駆け込んだ。
そして「え、毛剃られるの?」とトイレの壁を見つめた。気が付かぬ間にまた新しい扉をノックされていた。

スッキリして10分後。
「トイレ行けましたか?」と看護師さんが戻ってきた。シェーバーを持って。
「じゃあまた横になってください」と言われて
さっきと同じ動作をする。
ベッドに横になり、ズボンを下げ、
ボクサーパンツも下げる。
これでパンツを下げるのは3回目だから
抵抗自体は早くもなくなりつつあった。
「失礼しますねー」という声と同時に
シェーバーが音を立てる。
尻の毛を、若い看護師さんに剃られている。
VIO脱毛しておくべきだった!
広告で流れてくる脱毛行っておくべきだった!
と思いながらも
なんかすげえ経験してんな、と身を委ねる。
新しい経験が確実に開かれていく。

所々でシェーバーの刃が皮膚を切り
なかなかな痛さがあったけれど、
それはこの看護師さんの責任ではなく
生やしてしまっている自分の責任だと言いきかせ我慢する。
そして剃り終わって
「血出てますね、最初でてなかったけど…
さっきのトイレで出ました?」
「いや、なにも笑」
「あれ、じゃあこれ(シェーバー)かな」
「多分それですね笑 大丈夫です笑」
このハプニングで看護師さんとは打ち解けた。笑


「このあと手術のときの担当の看護師さんが別で見にくると思うので、ウォシュレットして待っててください。あ!もう今から水も飲んじゃだめですからね」

言われた通りウォシュレットをして
「乾燥」が使えなかったためトイレペーパーで拭いたら、なかなかの血。笑
いやどんだけ切ったんやってツッコミたくなるくらいの血。
まあでも可愛い看護師だったしいいかーと思いながら、トイレを出る。

さあ、あとは手術を待つだけだ。

続く

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