パートナー・プロデュース(α版)<その1>それは一体何なのか?
◼️シーズン3「パートナー・プロデュース(α版)」
<Whole parents>のシーズン3は、夫婦の話になります。当たり前の話で恐縮ですが、家族の関係図で外せないのが夫婦関係です。むしろ、親子関係より時間的には先行します。避けきれないお題ですな。
さて、ネーミングがパートナー・プロデュースになっているのは、少々込み入った事情を勘案しております。実は、このパートナー・プロデュースには小生の元ネタがありまして、その時は「髪結いの亭主プロジェクト」って言ってました。
2016年にコラムで書いたものがあります。もう全掲しますね。
当時から、そして今も続いてますが、相方の新規の仕事をサポートすることに腐心しております。一方で、小生も次のプロジェクトとしてこの<Whole parents>を試考実験してます。仕事でも趣味でもない、それこそカテゴリー越境した活動を日常生活に組み込もうとしてます。夫婦お互いが新規事業(?)の立ち上げをしながら、それなりに相互援助をしています。
この「それなりの相互援助」って何かな?、というのがこのパートナー・プロデュースの試考テーマになります。こんなところにも対称性や相補性がきっと寝てるはずなのだ。ただし、ネーミングに関しては時代的にデリケートにならねばなりません。「髪結いの亭主」という言葉は相方からはNGだったので、ジェンダーレスにしておこうと、そして、夫婦という限定感も余計なメッセージを発してしまいそうなのでパートナーなんかはどうかな、などと暫定名称にしてみました。それもあってのα版でございます。
◼️手持ちの原稿を活かす場
もう一つ、シーズン3「パートナー・プロデュース」を推し進めようという動機があります。noteの固定記事にあるように、2023年2月に改訂新版「新版 ブランディングの基本」を上梓させていただきました。改訂新版なのに前作の80%原稿を入れ替えるという荒技系の編集になっております。我ながら「よーやるよ」なのですが、それはさておき、原稿アップの段階ではもう一章部分余計にありました。残念ながらページ超過を理由にまるまる削除するに至った訳ですな。「個人ブランディング」という章題で約70ページほどありまして、バッサリするには未練もあるくらいの量です。
「これって相方サポートの一つの視点になりそうだなあ」と薄々思っておりましたので、ここで合体させて再縫合したなら、「それなり」の貢献ができるやもしれぬ。そんな淡い期待もあります。
「個人ブランディング」にあった代表的なチャートが図表61です。差別化と差積化(させきか)をセットにする見取り図です。個人のユニークさを結晶化させる過程です。
内容はフリーランスや独立など、個人の職業が対象になってますから、ここは咀嚼して使う必要があります。パートナー・プロデュースはビジネスのような収益前提の話ではなさそうだからです。どうも、もっと大きな利益、人生に有益な活動とでもいいましょうか。いずれにせよ、使える部分は使っていきたいと思っております。
◼️パートナー生活が長くなる意味を深掘りする
シーズン3「パートナー・プロデュース」を生活思創の俎上に上げる必然性について書きます。
大きくは3つです。
1)新しいパートナー関係の時代へ
夫婦という単語が、家庭の分業のイメージと繋がっているのは悪いことではないでしょうけど、分業では埒が開かなくなっている感じがします。生活思創的な言い回しなら「見通しがない」のです。性差のない情報爆発社会では、すでに質問が「人としてどうなの?」的な視点まで戻らないと埒が開かなそうなのです。まずは夫婦を人に一旦、解体して試考します。
2)結婚の長期化
人生100年時代と言われて、早何年?w 柚木沙弥郎という染色芸術家がいます。最近ですが、100歳超えて自分の展覧会(回顧展じゃなく個展)に在廊(存命じゃなく在廊)するというニュースが流れてきました。その離れ業?に「マジか」と脊髄反射してしまいました。
寿命の延伸は、結婚生活も引きずられるように長くなることを意味しています。一方で、結婚し続ける理由はあまり開発されてません。
3)職業転換が前提
時代の変化、スキルの陳腐化は劇的に速い。思い立ってからのリスキリングぐらいでは間に合わなくなっています。「次は・・・」の煽られサイクルに巻き込まれると日々の生活が荒れてきます。明日の恐怖に今日を犠牲にする生き方になってしまいそうです。むしろ、先手をとって、次の専門性を深める習慣を常態として持つ生活に切り替えた方が、家庭全体の見通しが良くなりそう、そんな方向に向かいつつあるとは言えないでしょうか。新しい仕事の可能性を仕込むタイミングは、常に今なのです。
◼️シーズン3「パートナー・プロデュース」の見取り図
シーズン3の初回。目次としての見取り図が図表63です。
<見取り図の見方>
・表側:
個人X,Yってありますけど、夫・妻と呼んでもいいし、LGBTまで拡張して私とあなた、といった見方でもOKです。
・水平線:
時間軸です。パーソナル生活とは1人の生活の意味です。まあ、そこで別のペア生活もありますが、ここでは割愛。中央のペアX,Yの家庭生活から見ると、それぞれ個人だねっていう意味合い
ペア生活にもスタートとエンドがあります。ここでは家庭生活にしてますが、結婚開始から結婚の終わりまでがあります。エンドは離別・死別の2種類(やや表現が寂しいけど、どう組み合わせても2種)
・パートナー・プロデュース生活(黄色ゾーン)
ここが本題となるパートナー・プロデュースの場所です。個人XをYがペアとしてサポートする、個人YをXがペアとしてサポートする、旧称・髪結いの亭主の場所です。
・4隅:
パーソナル生活は大きくは2つに分けられます。ペア前の個人が「回想されるパーソナル生活」、ペア解散後(離別・死別)が「仮想されるパーソナル生活」です。
実は、この4隅がプロデュースのヒントをくれると睨んでおります。
図表64に、パーソナル生活がパートナー・プロデュースへのヒントになるように矢印を重ねています。「こういう仕事・趣味・興味だった」の回想と、「もしかしたら、こういう仕事・趣味・興味になるかも」の仮想がプロデュースの方向性を与えてくれます。
さて、ここから想定されるサポートについて項目立てしてみます。
現時点では4項目は必須だと思っています。多分、解像度が上がれば項目も増えたり、変容したりするでしょう。
多岐にわたる夫婦関係(パートナー関係)は全てがオリジナル・ケースです。なので、How系よりはWhy系に重心を置いて生活思創していければと願っております。
夫婦関係はいろいろあるけど、「この人と一緒に過ごすことを決め、一緒に過ごし続けることにした事実がある。ならば、ここに特別な意味があると試考したら、それは何か? そこにはパートナー生活の長短は関係なく、語れそうなものがあるのではないだろうか?」ってな問いの設定です。最小単位の集団(2以上の2)が持つコラボ性っていうか、個人にできない・見えない・気づけない領域に近づく方法はすでにあるはずなので、可視化したいのです。
シーズン3が、どのくらい続くかどうかは不明。強調させていただきますけど、あくまでもα版ですw
Go with the flow.
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