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【まとめ】Iパス本9冊 | IT専門学校の先生が徹底レビューしてみた


IT専門学校で担任やってると「お薦めの本はありますか?」とよく聞かれます。

私が学生時代にお世話になったのは「栢木本」なのですが、最近は30冊以上出てるんですよね。

そこで、今回30冊の評判などから9冊を選んで購入し、徹底的に比較しました。1つずつ写真付きでレビューしてきました。

>>30冊から9冊に絞ったNote<< は興味があればどうぞ)

このNoteは各レビューに飛べるまとめです。

さて、結論を伝えると、私がお薦めする本は3冊。

リンクをタップすると、個別レビューのNoteに飛びます。
ざっくり知りたい方は、引き続き、このNoteで大丈夫です。

この3つのNoteは、是非ご一読頂きたいです。






最高にお薦めする3冊


ITパスポート合格を目指すのは、IT初学者さんですよね。

Iパスは年間25万人の方が受験されています。ITエンジニア以外を目指す方も「IT系の資格で差別化したい」と受験されていますね。

社会人だと、特にFP3級の合格後に取得を目指す方が多いです。学生さんだと、就活もですが、高校生も多いですね。専門学校への入学が有利になったり、学費が少し割引になったりするので。

さて、私がお薦めするのは3冊です。

  • イラストがすごく多い「キタミ本」

  • レビューが一番多い「いちやさ本」

  • 私がお世話になったコンパクトな「栢木本」

この中から選べば間違いありません。



1:イラスト最多!カジュアルに学べる「キタミ本」


キタミ本は、9冊のうち圧倒的に図解が多い本です。

イラストがないページがないくらい。私が授業で絵を描こうかどうか迷う点まで、しっかり図示して丁寧です。

見たこともない機器は、言葉だけでは想像もつきませんが、イラストで一発理解。

特に学習効果が絶大なのは、ネットワーク。

ネットワークは「構造」があるので、図で解説するのは当たり前ですが、データの「動き」まで理解するのは書籍では難しいところ。

キタミ本では、キャラクターやセリフでマンガのように「動き」も伝えてくれます。


キタミ本は、イラストが多いので「カジュアルに学びたい方」にとってもお薦め。

ITパスポートは、ITエンジニアを目指す方だけが受験するわけではありません。がっちがちのIT本では、難しいし退屈してしまいます。

キタミ本は、「ITは難しいけど合格したい」「楽しく学びたい」方にこそ、お薦めできます。

なお、私の勤めているIT専門学校の女性教員も、学生さんにイチオシしています。

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2:章分けが小刻みでコツコツ読める「いちやさ本」


いちやさ本はamazonレビューが圧倒的に多く、800を超えます(2024/01/08現在は930超え)。

圧倒的に好評を得ているのは、コンテンツが多岐にわたり、色んな読み方に対応しているから。

  • 見飽きない工夫がされている

  • 用語集がある

  • 赤フィルタで隠せる

  • 練習問題が200問以上載っている

などなど、各個人それぞれ勉強法に応えてくれる本です。


いちやさ本は、コツコツ勉強ができる方に、特にお薦めできる本です。

ITパスポートの講義本は、5~10章構成が一般的。しかし、いちやさ本は15章とかなり多いです。

各章は17~40ページ程度。これなら3日以内、場合によっては1日に読める量ですよね。

最近はTwitter(X)やアプリで「朝活」が流行っています。

朝活でコツコツ進めたい方、昼休みや通勤通学中など「スキマ時間」を活用したい方は、区切りよく読み進められる本です。

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3:コンパクトなのに網羅性がある「栢木本」


私が、ITパスポートと基本情報技術者にて、お世話になった本です。

特徴は、コンパクトながら用語を網羅している点。

栢木本は488ページ。キタミ本は592ページ、いちやさ本は560ページなので、72~104ページもコンパクト。

コンパクトにも関わらず、用語数は1,330語(9冊中2位)。キタミ本は960、いちやさ本552語です。ページ当たりの学習効率が大変良く、網羅性があります。

例えば企業戦略(リーダ、チャレンジャ、フォロワ、ニッチャ)は、他の本ではニッチャしか載ってなく、基本情報技術者の時に覚え直しになります。しかし、栢木本には全て掲載されています。

栢木本の網羅性は、ITパスポート合格だけでなく、さらに基本情報技術者試験(科目A)の勉強への布石にもなります。

実際に私は、Iパスは970点、基本情報技術者では88点で合格できました。

Iパスでしっかり学習したので、基本情報技術者試験の科目Aの勉強はそこそこの。不合格が続出する科目Bの学習に早々に専念できたのが良かったですよ。


また、栢木はコンパクトで小刻みな構成で、速く読み終わるのも魅力。

ITパスポートの勉強の王道は、講義本で知識体系を作って、過去問演習をすること。講義本に長くかかっては、挫折したり、問題演習が不充分なままになったりします。

早く1周して、周回読みや問題演習など「次の動き」ができるのは、大きなメリットです。

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一度不合格になった方にお薦めする本


ITパスポートの合格率は50%届かないぐらい。

年間25万人の受験者の半分、17.5万人の方が不合格になってます。

本を読みつくし、過去問題も解きまくったのに不合格になった場合、「次はどう勉強すれば良いんだろう」と途方に暮れてしまいます。

そこで、1冊の異色な本を紹介します。



4:たこ焼き屋ストーリーで学ぶ異色の「最速本」


「通常」のITパスポート本は、ジャンルごとに用語を解説します。

しかし最速本は、なんと「たこ焼き屋へのIT導入」を題材に、業務課題をITで次々解決していくストーリー仕立て。

例えば、チェーン店の電話注文が大変→アプリで解決しよう→「クラウドサーバ」を使おう、とIT用語が流れるように登場してきます。

「こういう時に使うんだな」「そういうこと、仕事であったなぁ」と、実感や共感を持ちながら学習できる唯一の本です。

また、章立ても個性的。第一章が最近出題されるAI/IoT、英単語やスペルに注目した独自の用語集の章もあります。


しかし私は、最速本を初学者さんや学生さんには薦めません。

最速本では、物語に沿って、いろんなジャンルの用語が順不同。ジャンル関係なくバラバラに登場します。

これでは学習に偏りが出てしまいます。知識体系を作るには、ジャンル別に順序良く学ぶのが一番良いですから。

お薦めできるのは、一度不合格になった方。

「同じ勉強を繰り返したくない」「何か違うアプローチが欲しい」と思っていませんか?

テキストの用語解説は、所詮は机上の空論。読者が「現場でどう使われるか」を想像できないことが多いです。ITエンジニアの経験ありませんからね。

最速本なら、現場での使われ方をストーリーと関連づけて覚えることができます。授業内容ってなかなか覚えられなくても、授業で起こった想い出と一緒だと印象深く覚えてしまうのと同じです。

用語を機械的に暗記するのではなく。血の通った知識として定着できるアプローチができる本です。

不合格になった方は、一度検討してみてくださいね。

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問題集も一緒に使いたい方向け


ITパスポートは本で知識、あとは過去問をしておく学習法が王道です。

過去問演習は「過去問道場(ITパスポートドットコム)」さんが、最も有名。私の学校でも、自習時はお世話になってます。

とはいえ、「紙で解きたい」、過去問は偏りがあるので「まずは万遍なく解いておきたい」方もいらっしゃいますね。私も過去問は印刷して解く派です。

また、ITパスポートの本番はCBT。コンピュータに問題が表示され、コンピュータを操作して解答します。「どんな操作をするんだろう」と不安に思うのも分かります。

9冊のうち2冊の問題集についてレビューしますね。



5:本番で力を発揮できない方にお薦め「FOM本」


FOM出版といえば、ワードやエクセルの資格「MOS」でFOM出版さんの本にお世話になった方も多いですよね。私の学校でもテキストにしています。

FOM本の特徴は、「本番試験にそっくりな模擬試験プログラム」が付いてくること。

ITパスポートもCBT試験になって長いです。

昔ながらの問題用紙に線を引く演習は、学習効果はあるんですが、本試験で力を発揮できないリスクが生じるようになりました。

いくら問題演習をしても、本番のCBT(コンピュータ試験)で操作に戸惑って「いつも通りに解けなかった…」では勿体ないですよね。

FOM本の模擬試験なら、本番の訓練ができます。


一方で内容は、他の講義本よりも固いです。

FOM出版の正式名は、「富士通エフオーエム株式会社」。MOS本も元々は新人研修の内容をまとめた経緯があります。

よって、FOM本は新人研修で使える内容。ITパスポートに出る用語だけではなく、ITエンジニアとして知っておくべき内容まで書かれています。

つまり、合格だけに特化した内容ではないのです。

読んでみると「これはたしかに知っておくべきことだけど、試験には出ないんだよなぁ」と思うこともたくさんあります。

しかし、IT資格を持っていないと、試験に出る出ないは見極めできません。「全部知っておかなきゃ!」と無理をしてしまいます。


また本のサイズも大きく持ち運びには向いてません。少なくとも移動中のバスや電車で開けるサイズではありません。


私は、CBT模擬試験のためだけに買うのはアリだと考えます。しかし初学者の講座本としては、他の本を薦めます。 

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6:独学の偏りを修正できる「インプレス問題集」


ITパスポートの過去問演習は「過去問道場(IPドットコム)」さんでするのが王道です。

しかし「紙で問題演習したい」「線を引いて復習をしたい」方もいらっしゃいます。私も過去問は印刷して学習します。

インプレス問題集は、唯一の紙媒体の問題集。「本を読み進めて攻略していくのが良い」方にはお薦めです。


インプレス問題集を使うメリットは、過去問演習の偏りを正せること。

ITパスポートの出題には偏りがあります。毎回出る用語や複数問題出るテーマもあります。

また、公開される過去問は年に1回だけ。本試験では見たこともない問題、あまり出ない問題に足をすくわれてしまうことも…

つまり、過去問の独学では「よく出る問題」に偏ってしまうのです。

インプレス問題集には、類似問題はほとんどないため、ジャンルを網羅した均一な問題演習ができます。

「見たことある問題は解けるけど、見たことない問題に弱い」方は、一度正解率の偏りを疑うと良いです。

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また、インプレス講座本もあるので、「講座本と問題集と併せて勉強したい」方にもお薦めです。

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一部コンテンツが尖っている本


私は、「座学本は、キタミ本・いちやさ本・栢木本で決まり!と考えています。

とはいえ、以下3冊も一部が尖っている本ですので、ひょっとしたらビビビ!と来るかもしれないので、ご紹介します。

  • 出題順に徹底して学習したい!

  • 読んですぐに練習問題を解きまくりたい!

  • 上位資格まで出版社を統一したい!

興味が出た方は、ぜひご一読ください。




7:出題順にこだわった「出るとこ本」


ITパスポートの合格ラインは6割正解。

よって、「よくでる問題」を得点源にするほど合格がリアルになってきます。まずは、よく出るテーマ・よく出る問題から首根っこを押さえましょう。

出るとこ本は、問題の多い順に章構成しています。

なかでも特徴的なのは、「ネットワーク」「セキュリティ」を第一章にしている点。

最も多く出題されるテーマなのに、他の本では最後に配置されています。正直、勉強に飽きた最終段階の「早く問題演習したいのに」という時に、一番量が多い座学が立ちはだかってくるので、ゲッソリしちゃいます。

一方、出るとこ本では、最初に配置しているので、モチベの高いうちに得点源をゲットできます。

なお練習問題も良く出る順に並べている徹底ぶりです。


また、赤フィルタでの用語隠しが上手い本でもあります。

他の本では「●●●●は~です」のような書き方が多く、これでは暗記カード状態。覚えてなければ全然分からず、結局は解説文も丸暗記する無意味な学習になってしまいます。

しかし、出るとこ本では赤フィルタで隠す重要語を、文章の中間や最後に配置しているため、文脈や周囲の言葉から推測できます。推測するからこそ、用語と概要の紐づけが強固になるんです。

「答えを覚えよう」としている方は、そのうち暗記で脳容量がパンパンになってしまいます。これを機会に、周囲から推測できる本質的な理解にアップグレードしてみてくださいね。

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8:節末問題で読んですぐ実践「インプレス本」


淡々と読める本です。

用語は3~5行で端的に解説されているので、隙間時間に小まめに読めます。その上で索引の用語は1550語で9冊中1位。他の本の2倍なので網羅性も充分。

また、装飾も最小限でゴチャゴチャしておらず、余白もあってスッキリした読み味。


最大の特徴は、充実した節末問題。

講座部分よりも、節末問題のページ数の方が多いこともあるぐらいです。

他の本での練習問題は、章末やジャンル別。出題範囲が広くて、全然正解できません。また復習するにも、載っている場所探すのも大変です。

インプレス本の小刻みな節末問題なら、ついさっきまで読んだ範囲からの出題。読みたてホヤホヤなので正解できます。もちろん、復習で探すときも楽ちんですね。

「読んですぐに問題演習したい」方に、お勧めの本です。

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問題集とセットにしても良いですね。

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9:上位資格まであるシリーズ「合格教本」


合格教本は、栢木本と同じくコンパクトなページ数ですが、用語の網羅性も確保しています。

さらに節最初に用語集があるのも、地味に有難い。読む前に「ああ、これが大事なんだな」と頭に入りますし、復習の時も「この節にはこれが載っているんだったな」と分かりますから。

さらに、Web付録の問題集が2200問。問題集本(800問)の3倍近く。コンパクトで手早く講座を終え、充分な過去問演習の両方ができます。

実は、合格教本はITパスポーだけでなく、基本・応用・~スペシャリストまであるシリーズ本。IT国家試験の本を出しまくっているだけあって、まとめ方も洗練されています。


とはいえ、IT初学者の方、ITに遠い分野の方にはお薦めしません。表現がとても固く、遊びがないので。

キタミ本みたくイラストで楽しく学ぶ、いちやさ本のような多様な読み方はできません。

私が薦めるのは、「上位資格まで連続性を持つために、本を統一しておきたい」方のみ。

私はITパスポートと基本情報技術者は栢木本(同じ出版社)にお世話になりました。応用情報技術者で合格教本に変えるときは不安でしたね。

ITパスポートは他の柔らかめな本にして、合格教本は基本情報技術か応用情報技術者からで良いと考えます。

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まとめ


9冊の写真付きレビューNoteは以下です。

  1. イラスト最多!カジュアルに学べる「キタミ本」

  2. 章分けが小刻みでコツコツ読める「いちやさ本」

  3. コンパクトなのに網羅性がある「栢木本」

  4. たこ焼き屋ストーリーで学ぶ異色の「最速本」

  5. 本番で力を発揮できない方にお薦め「FOM本」

  6. 独学の偏りを修正できる「インプレス問題集」

  7. 出題順にこだわった「出るとこ本」

  8. 節末問題で読んですぐ実践「インプレス本」

  9. 上位資格まであるシリーズ「合格教本」

ご自分に合った本探しに、少しでもお役に立てたら嬉しいです。

繰り返しますが、私がお薦めするのは1~3の「キタミ本」 ・ 「いちやさ本」 ・ 「栢木本」です。不合格になってしまったら「最速本」で別角度からアプローチしてみてくださいね。


ITパスポートは年間25万人が受験して、合格率は50%前後。

ITに興味のある学生さんは勿論、IT以外の分野の方でも差別化アピールのために取得を目指される方が多いです。

取得を目指す高校も増えてきました。私のクラスだと30名中5名はIパス持ってますし、高校への出張授業や夏休みのIパス講座も人気です。

是非挑戦して合格してくださいね!


また、得点源になるテーマを解説したNoteを、47個作りました。

過去問演習でなかなか点数が伸びなくなったり、不幸にも不合格になったりしたら、一度参考にして頂けたら嬉しいです。

47個全て無料。過去問を段階的に解いて、理解を深めるNoteに仕上げました。



p.s. 普段は >> 専門学校とIT就職のブログ << をやってます。

でわでわ(・ω・▼)ノシ



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