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介護のイノベーションとSDGs

おはようございます。
今、介護現場でのICT/介護ロボ導入を促すためにどうすればよいか?というプロジェクトに取り組んでいます。
社会保障費120兆円を抱える日本が持続可能性を維持していくためには、このテーマは避けることができないテーマだと思っています。

「持続可能性」というキーワードから頭に浮かぶのは、最近よく聞く「SDGs」です。SDGsだと「環境」や「貧困」の分野に引っ張られがちですが、僕は日本の持続可能性を危うくする最も大きな爆弾は、人口減少時代に入りながらも、国家の年間予算を大きく上回る「社会保障費の膨張」だと思っています。ここをなんとかしなければいけません。カウントダウンは刻々と進んでいます。

すぐ取り組まなければいけないのは、
・(働き手の)負担軽減
・(働き手の)不足の解消
・(シニアの)自立を促す
の3点です。
この3点については、ほとんどの介護施設が課題を抱えているものの、その解決策としてどのようなICTやロボットを活用すればよいか?何が効くのか?というところが共有されていないことが大きな課題だと感じました。

ICT介護ロボ201203

ICT/ロボットカテゴリーは大きく分けて4つのカテゴリーに分類できそうです。現在多いのは、インカム(コミュニケーションカテゴリ)や移乗に関するロボット(筋力アシスト-対処)です。ここに少し問題が潜んでいるように思います。

介護業界においては報酬なども制度に依存していることや、まだICT・ロボット導入費用が高額なので、限界ギリギリになってからの導入になります。結果、「対処型」での導入にならざるを得ません。そのため、局所的に最も効きそうであるピンポイントな導入となるので、全体を見渡した、総合的な戦略的視点が欠けてしまい、複数のデバイスや機器を導入した時の相乗効果などが検討されないまま、課題が残ったままになり、「ダメじゃん」という短絡的で早計な結論に帰着してしまい、導入が進まない→価格が高いまま、という悪循環が生まれています。

現場で起きている課題は、とても多くの複合要因によって複雑に生まれているものなので、ピンポイントで課題解決できるほど甘くなないです。
ここを現場の状況を固有に把握し、どのようなミックスが効果的か?についてプロデュースできる存在が社会的に必要です。

「介護」という職自体が社会貢献性も高いことから、現場や業界でもSDGsの言葉をよく聞くようにもなり、経営者からも「うちもSDGsに取り組むことにしました!」とプロジェクトを立ち上げられたりもするようになりました。
よくよく伺ってみると、SDGsではなくCSR(もしくはその延長)に近く、「社会貢献性」と混同しているように思います。

SDGsは「制約条件」であり、まさに「イノベーション」で、企業活動そのもの、ビジネスモデルそのものに組み込まれるべきものです。そういう意味では相当な産みの苦しみを伴うもので、ICTや介護ロボットを導入するだけでも相当な抵抗感もあり、一時的な業務負担を伴うことも多々あります。
が、
そこを打破していかないと、働き手も集まらないし、利用者(入居者)もいずれ集まらなくなってジリ貧になるか、大手にM&A(もしくはフランチャイズ化)してしまいます、というお話です。

大手の傘下に入るのも選択肢ではあります。もっとも大事なのは利用者(入居者)の暮らしが、その人らしく守られる、ということですから。
でももし、大手が多様性を許容しないシステムを押し付けてくる将来だとしたら、抵抗しないわけにはいきません。今から準備が必要です。

日本の持続可能性を維持するためにも、CCRCのほかに、この介護業界でのICT/介護ロボット普及が必要だと思いますので、介護施設のSDGsの取り組みが、このICT/ロボットになるようできることに取り組んでいきたいと思います。


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