![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98175376/rectangle_large_type_2_724cc833908b0645bcc5ce87965cad15.png?width=800)
フレイルとは?フレイルを引き起こす3つの原因や予防と対策について
先日1月30日にこんなニュースが発表されました。
『要介護一歩手前の“フレイル”予防 名古屋市がオリジナルのアプリ開発 視聴でポイントも』
発表された内容によると、「名古屋市フレイル予防ポイント&見守りアプリ」というアプリを利用することで、フレイル予防の動画を見ることができたり、歩数を登録できるなど健康維持に役立つことができるそうです。
また、アプリを利用することで貯まったポイントをdポイントなどに変換して買い物に利用できるというものです。
アプリの対象者は40歳以上の名古屋市民で、運用は2023年2月1日から開始しているそうです。
(出典:Yahoo!ニュース 「要介護一歩手前の“フレイル”予防 名古屋市がオリジナルのアプリ開発 視聴でポイントも」
みなさんは「フレイル」という言葉をご存知でしょうか。
また、2月1日は「フレイルの日」ということで、2020年1月に制定されたばかりの、まだまだ新しい記念日です。
今回はこの「フレイル」について解説していきます。
すでにご存知の方は復習に、知らなかった方は、フレイルのことを知って早くからの予防や対策につなげて、健康に過ごしていきましょう。
フレイルとは
「フレイル」とは、日本老年医学会によって平成26年5月に提唱された言葉です。
「Frailty」の日本語訳についてこれまで、「虚弱」が使われてきましたが、この「虚弱」に代わって「フレイル」と表すことになったそうです。
(出典:一般社団法人日本老年医学会「フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント」)
フレイルの概念としては、「加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって、健康障害に対する脆弱性が増加した状態」とされています。
(出典:日本老年医学会雑誌51巻6号 「フレイルの意義」)
つまりは、年齢とともに身体機能や認知機能が弱り始める状態です。
しかし、加齢によって一方的に、老いが進むわけではなく、早期に発見し、適切に介入することで生活機能の維持・向上が望め、再び健常な状態へ戻る可能性も含まれているのです。
そのため、フレイルとは、健康な状態と介護が必要な状態の中間のような状態といえるかもしれません。
フレイルを引き起こす原因は、主に3つに分けられます。
・身体的フレイル
身体機能の低下、つまり身体的に弱くなってしまうことです。
体力の低下、歩く速度の低下、筋力の低下、口腔機能の低下、低栄養等によって起こります。
・精神・認知的フレイル
軽度の認知機能障害による、もの忘れややる気がなくなる、うつなどによって、精神・心理機能の低下によって起こります。
・社会的フレイル
周囲や他者との関わりが減る、なくなることで起こります。
独居生活や外出せずに閉じ込もることで他人とのコミュニケーションの低下などです。
それぞれの要因が独立して生じるだけでなく、加齢によって身体的、精神・認知的、社会的フレイルの3要因が合わさって複合的に関わることでフレイルを引き起こしやすくなります。
例えば、疲れやすいことから、外出するのが億劫になり、家に居る時間が長くなる。そうすることで、他者との交流する機会がさらに減少し、認知機能低下や筋力等の低下につながるのです。
また、骨折や脳血管障害などのイベントがあると、フレイルサイクルに陥る危険性が高まります。
どうすればフレイルがわかるの?
「自分はフレイルかどうか心配かも」、「自分でも確かめたい」と思った方もいるのではないでしょうか。
ここでは、フレイルかどうか確認する方法をご紹介します。
身体的、精神・認知的、社会的フレイルを包括的に検査する指標としては、大阪府が出している『フレイルチェック(25項目編)』を参考にしてみてください。
(出典:大阪府 働く世代からのフレイル予防 「やってみましょう「フレイルチェック」」)
この検査では、25個の質問から構成されており、「はい/いいえ」で答える形式になっています。フレイルのどれか1つの要因をみる検査ではなく、身体的、精神・認知的、社会的フレイルの3つの要因を簡便に検査できることが特徴です。
また、チェックした回答に対して、どの項目が低下していたのか『あなたのフレイル度チェックをしましょう』で確認することもできます。
(出典:大阪府 働く世代からのフレイルチェック 「あなたのフレイル度チェックをしましょう」)
フレイルの予防と対策
フレイルという結果になってしまうと、適切に対策をしなければ、どんどん機能が低下し、日常生活にさまざまな問題が出てきてしまいます。フレイルではなくても、健康な段階からしっかりと予防をすることが大切となるのです。
フレイルだからといって、まだ落ち込む必要もありません。次から述べる対策を参考に日々の生活を改めてみてください。
持病のコントロールをしましょう
もし、糖尿病や心臓病などの内科的な疾患や整形的な疾患による持病をお持ちの方は、これ以上悪化させない、状態を維持する、改善してコントロールすることが大切です。
持病のコントロールがうまくいかないことで、症状の出現や活動が制限されることにより、体を動かさなくなる可能性があります。つまりは身体機能の低下につながります。
そのため、持病のコントロールには服薬の指導を受けることやコントロールの方法を教えてもらうことで、持病を悪化させず、現在の状態を維持・改善し、心身の健康を守ることが大切です。
感染症の予防をしましょう
感染症の予防をしっかりすることも大切です。
インフルエンザやコロナなどの感染症の罹患により、長期入院や寝たきりになることで、心身機能の低下を招き、フレイルになってしまうことやフレイルに拍車をかけてしまうことになります。
感染症を予防するためには、
運動や食事によって免疫力を高める
しっかり睡眠を摂る、寝不足にならない
基本的な手洗い、うがいなど管理をする
定期的にワクチン接種をする
誤嚥性肺炎等にならないように、口腔ケアをする
などが大切になってきます。
定期的に運動をしましょう
定期的な運動や運動習慣があることはとても重要です。
定期的に運動をすることで、身体的フレイルの予防ができるほか、筋力や筋肉量を保つことで、バランス能力が維持し、転倒のリスクを軽減することもできます。
若いときと比べて、加齢に伴って身体機能は低下しますが、筋力や筋肉量は維持することができます。
運動が苦手な方や習慣がない方は、近所を歩くなどウォーキングといった軽い運動からでもOKです。
定期的な運動を続けることで、筋力や筋肉量を維持し、転倒しないように健康的な体を目指しましょう。
栄養バランスを考えた食事をしましょう
フレイルを予防するためには、運動だけでなく、栄養バランスに配慮した食事を心がけましょう。
高齢になると、食が細くなることやお腹が減りにくくなることで、食事回数や量が減り、低栄養になりがちです。すると、しっかりとした筋肉や骨が作れず結果的に、身体機能の低下につながってしまいます。運動の効果を高めるためにも、食事によって適切な栄養が体に供給されていることが欠かせません。
食事は、筋肉のもとになるタンパク質を摂ることが大事です。大阪府が出している『食事でフレイル』をぜひ参照してみてください。
(出典:大阪府 働く世代のフレイル予防 「食事でフレイル予防」)
また、食事をすることで、食べ物を噛む・飲み込むことは、口腔内の筋力、嚥下能力を保つことにもつながります。おいしく食事をし続けられるためにも、この噛むことや飲み込むことの維持も大切となってきます。
社会への参加、つながりをもちましょう
フレイル予防には、地域などの社会参加やつながりをもつことも重要です。
高齢になることで、社会的地位や家族の役割、家族構成が変わり、そういった周囲環境の変化や喪失によるコミュニケーションの減少や気力、意欲低下が起こってしまいます。すると、外出機会の頻度が低下することで、自宅に閉じこもることが増え、身体的フレイルなどフレイルサイクルに陥る恐れがあります。
趣味がある人は趣味活動の継続、地域のボランティア活動などに参加することはとても良いことです。これといって地域の活動や趣味活動がない方は、自身の興味や関心のあることをしてみたり、友人と食事に出かけることも良いでしょう。
フレイルサイクルに陥らないためにも、社会との関わりが非常に大切です。
社会参加することで、身体的、精神・認知的、社会的フレイルの予防にもなります。
まとめ
本日は
・フレイルとは?
・どうすればフレイルがわかるの?
・フレイルの予防と対策
について、ご紹介しました。
フレイルとは、「Frailty」の日本語訳「虚弱」から「フレイル」で表すことになり、加齢とともに身体機能や認知機能が弱まり始める状態です。フレイルになると一方的に低下するわけでもなく、適切に対処することで、再び健常な状態へ戻る可能性もあります。
ご自身のフレイル度を知るためには難しい検査方法ななく、誰でも簡単にチェックできる方法があります。そのチェックをすることで、自身の状態を知りましょう。
たとえ、フレイルとなってしまっても適切に対策することで改善することができます。フレイルではなくても、適切に予防することが大切なので普段からの食事や感染対策、持病のコントロール、運動習慣、社会とのつながりを保つことがフレイルの予防や対策には大変重要です。
フレイルのことを知っていただき、早期から予防や対策をして健康な毎日を過ごしましょう。
介護の相談や老人ホームを紹介して欲しい方などはこちらのLINEから相談を受け付けていますのでお気軽にご相談ください。(福祉や介護についての質問はなんでもOK)
●シニアnet介護
LINE→ https://lin.ee/aaCVx2b
●シニアnet介護(老人ホーム検索サイト)
https://seniorkaigo.com/
●当社のアプリ記事
https://www.atpress.ne.jp/news/313424
●転職をご希望の方はこちら
https://forms.gle/iuZupsC7pEsZy9EY8
●介護施設をお探しの方は電話で相談受付中
08098023747
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?