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小澤メモ|NOSTALGIBLUE|思い出は青色くくり。

13 ゴー! ロケッツ、ゴー! ラス。

ゴー! ロケッツ2020!!!
なんだかんだ再開するNBAのことを考えていると、今年はどうしてもロケッツの話になってしまう。ニックスのファンで、とくにジョン・スタークスとマーク・ジャクソンとスプリューウェルのガード陣が好きだったけれど、 自分のクラブチームのジャージーもまんまニックスにして背番号は3にするくらい好きだけれど、プレイオフに出ないニックスよりロケッツの話になってしまう。それに、比べることではないけれど、サンダー時代に元チームメイトだったデュラントやイバカよりヒゲ(ハーデン)とラス(ウエストブルック)に肩入れしていたので、その2人が揃ったロケッツに目がいってしまう。ちなみにデュラントとイバカはチャンピオンリングをすでにゲットしている。そのロケッツなんだけれども、前のコラムで書いたように、超スモール・ラインナップ。言葉は悪いけれど、他のチームや解説者からしたら、スーサイド・ラインナップだ。とにかく、これほどまでに魅力的なロケッツを、自分流に空想して楽しんでみたい。

ディフェンスについて。
これも前に書いたようにコロナ禍でのイレギュラーな短期決戦にかぎり、このロケッツには優勝の可能性がある(本人たちは通常のシーズンだってそのつもりだろうけど)。全員がスリーポイントを狙えて、ディフェンスがよくて脚力があるのは前にも書いた。それに付け加えておきたいのが、ディフェンスでは、NBAのオフェンスのトレンドであるピック&ロールのスクリーンに対して、全員が躊躇なくスイッチとローテーションができること。相手のどのタイプの選手をディフェンスすることになっても、ロケッツの選手たちは(ベンチメンバーも含めて)誰でも対応できるフィジカルの強さとヘルプの意識とハートがある。ないのは高さだけで、別にそれは平面的に、かつスペース潰しを面倒がらなければ、ある程度はカバーできるメンツばかり。必然、チーム内で声もよく出ている。

オフェンスについて。
スリーポイントを軸に、親愛なるヒゲ(ハーデン)と敬愛すべきラス(ウエストブルック)、それにリバースあたりがどんどんゴールにアタックできるのと、ひたすらそれを繰り返す脚力とメンタルがある。そして、誰がディフェンス・リバウンドをもぎ取っても、そのままドリブルついたり、素早しパッシングで速攻を出せる。超ハイクォリティなトランディション。もちろん、ひとりでコースト・トゥ・コーストできるマッハなラスが君臨しているのも大きい。あとは、どうしてもヒゲとラスのマークがタイトになってくる中で、その分、オープンになることが多くなるタッカーとコビントンが自信持ってスリーを打ち続けることができるか。そして、メンバーを固定し信じきるタイプのダントーニ監督の信頼が当たってくれたらと。そうしたら、いよいよ超スモール・ラインナップがNBAの頂点に立つことに。ちなみに、2000年以降、NBAで優勝するには、ビッグ3の定説がある。ロースターにスーパースターが3人いて、それを職人気質もしくはターンオーバーが少ないクレーバーな選手を連動させていく感じ。サラリーキャップを圧迫する3人の高額年俸と、使い勝手がいいその他の選手や若手たち、という感じ。

なんだか不思議なケミストリー感。
そんな潮流の中で、べらぼうなサラリーのヒゲとラスのコンビに、ドラフトの上位どころかドラフト外でのプロ入りの叩き上げや、2WAY契約のようなハングリーな選手たちが、ごっちゃになって全員が声出して走ってスリーを打ちまくる。それも痛快だ。これもまた空気を読むのが得意ではないと言われている、常に全身全霊で、誰彼かまわずに、分け隔てなく熱いリアクションや鼓舞をするラスがいるのが大きい。そんな空気に、ヒゲもうまくリンクしていて、ヒゲのスーパーぶりには気を使ってしまいそうな若手とかもハツラツとしている感じがする。クリス・ポールとかカーメロ・アンソニーとかトレバー・アリーザとか、他にもスーパースターがいたときよりも、なんか良い感じな気がする。そして、チーム唯一のセブン・フッターというかセンターのベテラン、タイソン・チャンドラー。彼は相手のビッグマン対策ではなく、競った試合の最後の最後、ファウルゲームになったときの、どうしてもボールを抑えないといけないフリースロー時のリバウンドとか、スローインの障壁役とかでベンチにいる。出番はそういうときだけ。そのために声を出して、盛り上げている。自分の役割をわかっている。それがきっと効いてくる試合があるはずだ。ゴー! ロケッツ。ヒゲとラスとスモーラーズ+1に、チャンピオンリングを!!!

蛇足な思い。
たしかにアメリカは、記録を重んじ細かく数値化できるスポーツが人気だ。アナリストとかいって、日本でもアメリカの焼き増し的な統計学的解説が主流になりつつある。しかし。しかしだ、統計学でも天気予報なんて全然当たらないし、毎年毎年、記録的な豪雨とか想定外とかばっかり後付けして、重要な部分で確度があやういことばかりだ。数字ばかり信じても良いことないし、数値化できることはひとつの見方なだけであって、すべてではない。メインでなくてもいい。新型コロナにだって、明確なロードマップがないままだし、何が起こるかわからないのが、本当の世の常だ。スリーポイントを筆頭にしてオフェンス効率のパーセンテージを重要視したかのように語られるロケッツだけれど、こちらにはそうは映らない。安心とか、絶対的なパーセンテージとかをかなぐり捨てた、選手個々のモチベーションとバスケット愛、ゲームを愛し(これを自分の草チームではラブ・ゲーム!と呼んでいる。どんなゲームでも全力でプレーし楽しむことがバスケそのものに対するリスペクトになるし、そんなバスケを選んだ自分への覚悟になるという合言葉)勝つことを求めることにすべてを賭けたように映る今のロケッツに、何かを起こしてくれるすさまじい楽しみと魅力を感じるのだ。ゴーゴー!!!13

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