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小澤メモ|SENTIMENTAL JOURNEYMAN|おっさんの旅。

18 おっさんの旅 WEIRD編 キテレツでいいじゃないか。

おっさんの旅、今度はポートランド。
アメリカは西海岸に位置している、といっても、カラッとしたカリフォルニアの青い空気とはひと味違うオレゴン州ポートランド。雨がよく降ることで知られ、ちょっと郊外へと足をのばせば北米地域のクリスマスツリーのほとんどがここでまかなわれているのではないかと思えるほど、モミの木がよく育っている。自然を慈しみ、その恩恵を享受する。そんなごくごく当たり前の、まさにコモンなことを、ウィアードな(変な)生き方を標榜するポートランダーたちが大切にしている。ロサンゼルスやサンフランシスコより上、シアトルからちょっと下にある、めっちゃ寒そうだけど実は年間平均気温は日本とほぼ同じ。そんなオレゴン州ポートランドは、こちら日本人にとって、ちょうどいい感じ。しっくりくるって感じ。これといって行くあてはないけれど、アメリカのどこかにまた行ってみたい。そんな人にうってつけの場所だったと思う(2018年、コロナ禍以前)。

訪れたら、必ず附に落ちる何かがある町。
数年ほど前、ポートランドは注目されていた。とくに日本のファッション誌やカルチャー誌では、紹介されまくってしまった感がある。それに、ロサンゼルスだけでなく、東京などと比べるても、だいぶコンパクトな街並。そして、パリやロンドンと比べると、エピックやトピックが古くも深くもない(と思っていたら、大木や自然の連綿を後で知ることになる……)。なので、ガイドブック1冊でこと足りそうなイメージがある。しかし。いやいやどうして。目線や目的が違うだけで新しい発見はまだまだある(そもそもどの町だって、ガイドブック1冊分で収まらないのだけれど。それは人生とかって意味でまた別の話)。ポートランドは、アメリカンなものが普通にあって、アウトドアやメジャースポーツへのアプローチもすぐにできて、治安もよくて、コーヒーも美味しいし、観光スポットも点在している。そして、スケートボードからNBAまでプロプレーヤーがカジュアルに暮らしている。だから、なんとなく旅してきても、(きっと良いことがあった)と思える町だと思う。

“KEEP PORTLAND WEIRD”
いたって過ごしやすい、旅しやすい町だと思う。もともと、ポートランドは全米でも屈指のリベルな町として知られる。以前の大統領選で若者やスケーターに大人気だったサーダース候補にベットし、トランプファミリーは入店お断りって看板を掲げるお店が目につくような町。異文化や異国の人にも、柔軟な対応をしてくれる(パーセンテージ)気質がある。そんな町を端的に表す言葉がある。それは、この町の老舗レコードショップで教えてもらった。“KEEP PORTLAND WEIRD”(キテレツでいいじゃないか。人と変わっていいじゃないか)。今ではポートランドの代表的なキャッチコピーになったこの言葉。それは、おらが町のレコードショップ・ミュージックミレニアム発祥と言われている。ということで、オッサンたちのポートランドの撮影旅行は、キテレツや人との違いを認め楽しむ気質のカケラを記録することがテーマになっていく。18
(写真はおらが町のレコードショップ・ミュージックミレニアム。店内では老若男女問わず多くの人がアナログレコードを掘り漁っていた/2018年)

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