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小澤メモ|SENTIMENTAL JOURNEYMAN|おっさんの旅。

20 おっさんの旅  WEIRD編 スケートパーク。

流行ってる店とかも行ってみるのだ。
2018年3月頃のポートランドの外食シーンで新風を吹かせていただのが、ロシアン・レストランのKACHKA。おらが町で、あの娘をディナーに連れ出すならここだぜっていうところ。旅の前半、物は試しで予約してみた。ロシア語で書かれたメニュー(もちろん写真なし)を見ても、パリでフランチをオーダーするときと同じで、何がどうなっている、まったくイメージできない。丁寧かつシンプルに盛り付けられた料理たちは、たしかに、おいしい。見た目通り、やりすぎていない味付けで、よかった。だけれど、なぜか食べた気にならないのは、イメージとタイトルが一致しないからだろうか。目隠してラーメンを食べてもグッとこないのと同じかもしれないと、ラーメンの10数倍の会計をしながら思った。

ささやかなWEIRD、チラリズム。
T.P.Oに関係なく、ある程度なところまではラフなスタイルでいけるならいく!っていうのが、アメリカンなイメージだった。でも、ロシアン・レストランKACHKAは、大人のカップルがディナーを楽しむところって感じで、フォーマルな出で立ちの人が多かった。紳士淑女って感じ。そんなドレッシーなマダムも、よく見ると二の腕から肘あたりまで、かなりいかつい彫りものが描かれている。さらに奥の席のおばあさんの髪の毛はパープルだったりする。人と違うことを良しとする。ささやかなキテレツ感は、この町のいたることろで感じることができた。それで、この撮影の目的のひとつ、ポートランドのスケートシーンを見て回るための作戦会議をした。基本はストリートをシークしながら、ポイントというかおらが町のアイコン的なスケートパークやスケートショップで取材をしていくことになった。世界的に知られるD.I.Y.パークの先駆けのバーンサイドを起点にして、その通り界隈のストリート、工場地帯のゲトー、そして、駐車場の天然バンク、さらには住宅街を抜けたところにあるマウント・テーバーの森林公園などを回った。

巨木とスケートボード。
マウント・テーバーには、小さなカルデラのようなところにフープとコートがあった。ナイキの本社がある町だけのことはある。まさかという場所にもプレイグランドが出現する。もちろん、まさかの逆で、らしい場所でも撮影をした。市民の足、トライメットに乗ったり、ポートランドの象徴ローズブリッジや、ダウンタウンの人気の書店パウエルブックスなどにも行ってみた。ところで、スケートパークで印象的だったのが、エド・ベネディクト・スケートパーク。キッズから大人まで楽しめる、メローなセッティングのコンクリート・パークなんだけれど、なかなかどうして、スキルフルなスケーターもけっこういた。とくに目を引いたのが、スケーターではなく、入り口に見事に育った巨木。よく見ると……。ロサンゼルスなどでよく見かける電線にいらなくなったスケシューをひっかける光景。それが、ポートランドでは、巨木の枝にひっかける光景に変わっていた。スケシューと折れたデッキがこれでもかっていうほどにひっかけられていて、(ああ、木と木製の乗り物とがくっついている。ウッディなポートランドにいるのだな)と、こんなところでも実感させられた。20
(写真はエド・ベネディクト・スケートパーク入り口の巨木/2018年)

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