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不貞相手への慰謝料請求

不貞相手へ慰謝料請求するために必要な証拠、慰謝料金額の相場など。


1.慰謝料請求の相手方

既婚者が配偶者以外の異性と肉体関係を持つことを、不貞行為と言います。いわゆる不倫、浮気のことです。

配偶者が不貞行為をした場合、配偶者に対してだけでなく、不貞相手に対しても慰謝料を請求することが出来ます。

双方をまとめて相手にして慰謝料請求を行うことも出来ますし、どちらか一方のみに対して請求することも可能です。

配偶者と離婚はせずに不貞相手に慰謝料請求することも認められます。

慰謝料としてのお金を受け取るという点だけでなく、不貞をやめさせるための方法としても、不貞相手に対して慰謝料請求を行うことは有効です。

2.夫/妻の浮気・不倫相手に慰謝料請求するために必要な情報


夫/妻の不貞が発覚し、相手に対する慰謝料請求をする場合、不貞相手についてどのような情報が必要となるのでしょうか。

弁護士に依頼をすると、まず交渉としてスタートする場合には、一般的に相手の自宅住所地に宛てて、内容証明郵便で請求書面を送ることになります。

従って、相手の氏名と住所は最低限必要となります。

交渉によって支払いを得られない場合、あるいは始めから交渉では支払いを得る見込みがないような場合には、慰謝料請求の訴訟を提起することになりますが、その際にも、相手の氏名と住所は必ず必要な情報です。

逆に、相手の電話番号やメールアドレスなどは、把握していなくても基本的に問題ありません。

3.不倫相手の氏名や住所が不明の場合


上記のように、不貞相手に慰謝料請求をするためには、相手の氏名と住所が必ず必要となりますが、これが不明の場合も現実には多くあります。

例えば、夫/妻の携帯電話に、多数の通信記録やメールの記録、写真などが残っており、特定の人物と不貞関係にあることは明らかであるけれども、それ以上の情報がないということがあります。

そのような場合、弁護士に依頼をすると、弁護士会照会(23条照会とも呼ばれます。)という制度を利用して、相手の電話番号やメールアドレスなどの情報から、相手の氏名や住所を調査できることがあります。

弁護士会照会とは、弁護士が、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公私の団体等に対して必要な事項の報告を求めることができる制度で、弁護士法第23条の2に規定された法律上の制度です。

4.まずは手元にある資料を持参して弁護士に相談を。


上記の通り、弁護士会照会は法律により認められた制度であり、一定の情報収集に活用できますが、実際にどのような情報を得ることができるかは、事案の内容や、照会先の団体(例えばどこの携帯電話会社(キャリア)か、など)によって異なります。

また、弁護士会照会には一定のノウハウが必要となりますので、この制度に精通した弁護士に相談をするべきです。

5.慰謝料請求を認めさせるための証拠


不貞相手に対して慰謝料請求をする場合、手元に証拠を集めることが重要です。

最も強い証拠は、二人でラブホテルに出入りする現場の写真などがありますが、そこまで決定的な証拠がなくても、最近では、配偶者の携帯電話に残されたメールやラインのやり取りや写真などで立証していくケースも多くあります。

それ以外にも、ホテルの領収証や日記、ラブホテルの避妊具なども有力な証拠になります。

それ一つでは完璧な証拠とならないようなものでも、他の証拠を合わせることで不貞行為が立証できることもありますので、まずは現状どのような証拠が手元にあるか、弁護士に相談することをお勧めします。

今現在も不貞関係が継続しているような場合には、これから証拠が集められる可能性もありますので、どのような証拠を集めていけばよいかなどのアドバイスも可能です。

6.不倫による慰謝料の相場


不倫による慰謝料の相場はいくらくらいでしょうか。

慰謝料請求について裁判になり、裁判所が慰謝料の金額を判断することになった場合、不貞行為の期間や婚姻期間の長短、不貞行為によって婚姻関係に及ぼした影響の程度など様々な要因によって金額が決められます。

従って、実際の金額は事案によって異なりますが、おおよその相場としては、50万円から300万円程度と言えるでしょう。

7.慰謝料が増額される事情


それでは、どのような事情があると、慰謝料が多く認定されることになるのでしょうか。

具体的には以下のような事情があげられます。

<不倫相手側の事情>
・不倫関係が長期間に及び、肉体関係も多数回あった。
・不倫相手との間に子どもを作った。
・過去に不倫が発覚した際に、不倫を解消する約束をしていたのに、不倫関係を継続していた。
・家庭を壊す意図があった。

<請求する側の事情>
・結婚期間が長い。子どもがいる。
・不倫されたことによって精神的に不調になり、それについて医師の診断書がある。
・不倫によって家庭生活に現実の影響が生じた。

8.慰謝料が減額される事情


反対に、慰謝料が低くなってしまう事情としては、以下のようなものがあげられます。

<不倫相手側の事情>
・不倫期間が短い。肉体関係を持った回数が少ない。
・不倫したことについて真摯に謝罪しており、今後は二度と関係を持たないことを約束している。
・不倫が職場に発覚したことにより退職に追い込まれるなど、社会的制裁を受けている。

<請求する側の事情>
・配偶者との性交渉を拒否していたなどの事情が不貞行為の遠因となったなど、夫婦関係が円満ではなかった場合。
・不倫関係を黙認していた場合。

浮気・不倫をされて実際に被った精神的なショックを考えれば、金額として不十分だと感じる方も多いかと思われます。

ただ、不貞行為についての慰謝料請求は、単に金銭を得るというだけでなく、ひとつのけじめとしての意味もありますので、安易に諦めるべきではないでしょう。

調布・府中の離婚に強い女性弁護士|仙川総合法律事務所 (sengawa-law.com)


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