UXリサーチをやるかどうかの判断軸
「とりあえずユーザーにインタビューしてみよう!」と勢いで調査を始め、結果的には「ふ〜んそうなんだ〜」という感想で終わってしまった経験のある方、いらっしゃるのではないでしょうか。
あくまでリサーチは手段!と頭ではわかっているはずなのに、ついインタビューをしたい気持ちが先走って、その先の活用が疎かになってしまう。(昔の僕です)
今はリサーチが目的にならないよう、事前に調査の目的や、調査結果を誰がどう活用するのか?を整理するようにしています。
時には「そもそもこの課題はリサーチでは解決できない」という場面にも遭遇します。
あくまで個人的な経験を元にですが、リサーチを実施するかどうかの判断軸や、リサーチ結果を活用するために事前に確認する事をメモ。
課題、背景は明確か?
仮に以下の調査をしようとした時、どんな検討をするか簡単な例とともに記載してみます。
解決したい課題のサイズ感は大きいのか?
全体の何%のユーザーに影響のある課題?
もし増加傾向なら優先度は高く、減少傾向なら優先度を下げる判断もあるかもしれない
組織や関係者のミッションに繋がるか?
組織全体の目標に沿う調査なら優先度は上がるはず
参考にしている定量データは正しく読めているか?
調査課題に関連する定量データは集めたか。そのデータは正しく読めているのか。都合の良いデータだけ集めていないか
既に誰かが類似の調査してないか?
実は別のチームや自分が入社する前に誰かが似たような調査をしてないか?
ちゃんと結果を活用できるか?
調査結果は誰がどう活用するのか?
すでにある仮説を検証したいのか
ユーザー課題を発見し、アイデア出しの材料にするのか
すでに実施予定の施策の優先順位の意思決定に活用したいのか
解像度が低いセグメントのユーザーの解像度をあげたいのか
ユーザーの声を聞くことでモチベーションアップに繋げたいのか
などなど、いろいろな目的があるが、今回はどれに該当するのか。
調査結果を、誰が、何のために、どのように活用するのか整理する。
普段は、「もしこの調査をしたらどんなアウトプットが出て、誰がどう活用するか?」を具体的に想像するようにしています。
必ずしも活用が「意思決定に繋げる」である必要はなく、目的が「ユーザーの課題感を把握する」ことなら良い。メンバー間で活用の認識を合わせることが大事。
調査手法は最適か?
他の調査手法のほうが向いているのではないか?
ユーザーインタビュー、ユーザビリティテスト、ユーザーアンケートなどなど、たくさんの調査手法があるが、活用方法を踏まえて最適なものはどれか?
すでに明確な仮説がある場合、ボリュームを把握するために定量調査した方がよいのではないか?
まだ仮説の解像度が低いため、ユーザーにデプスインタビューした方がよいのではないか?
そもそも状況の再現が難しく、インタビューでは課題を明らかにできなさそうので、ABテストで数字の変化を見る方がよいのではないか?
その他
この調査に巻き込める人はいないか?
この調査結果が活用できそう、このセグメントに話を聞きたそうなチーム/人はいないか確認する。
本来の目的から逸れない範囲で調査方針に加味する
他のチームのミッションや業務を把握しているとこの動きがしやすい。一回の調査で一石二鳥の成果になるかも。
さいごに
いつもここら辺を参考に「そもそもリサーチをすることで目的は達成できるのか?」から考えています。
UXリサーチは工数がかかる作業なので、事前に結果を活用できるかどうか整理し、うまく活用できない調査なら、やらなくて済むことに越したことはないはず。
もちろん組織の規模やフェーズ、調査結果を活用するメンバーによって最適な判断軸は変わってくるので、「これは参考にしても良さそうだけど、これは違うんじゃないかな」くらいの温度で受け取っていただけると…!
他にもこんなこと気にしてるよ!この判断軸は違うんじゃない?などなどあればぜひコメントや引用シェアで教えてください〜!
noteのUXリサーチに関する取り組みをまとめています。のぞいていってください!
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