見出し画像

原作・脚本:倉本聰の映画『海の沈黙』は、ぜひ劇場で観たいと思っています

″倉本聰作品″は子どもの頃から大好きで、これまでにたくさんのドラマを観てきました。

『北の国から』『昨日、悲別で』『ライスカレー』『優しい時間』『風のガーデン』…こうしてタイトルを並べてみると、ドラマの中の名場面が鮮やかによみがえってきます。

特に『風のガーデン』は大ファンだった俳優・緒形拳さんの遺作となったこともあるし、大好きな俳優・中井貴一の鬼気迫る名演技が観られることもあり、DVD-BOXを買って何度も観返しています。

そういえば数年前に「週刊文春」で募集していた「倉本聰特別講演会」に、母と一緒に行ったことがありました。

講演会のタイトルは「海抜ゼロから考える~もがき・ぶつかり・根っこから創った。私の無鉄砲人生~」。

「創作」という言葉はどちらも「つくる」と読むけれど、「作」の方は「既存にあるものを利用して何かを作る」、そして「創」の方は「何もないところから、ゼロから何かを創り上げる」この違いが大きい…。

まさにゼロから生み出す「創る」と常に格闘しなければならない“脚本家“という仕事を長年やり続けてきた倉本氏の言葉は、どれも重みがありました。

便利になりすぎた現代社会への問題提起、若者たちに感じる想像力の欠如、現代教育への疑問、自然との触れあいの必要性…多岐にわたる倉本氏の実体験に基づいた言葉たちは、嘘がなくてストレートに心に伝わってきました。

「文明社会の進歩の早さに必死で追いついてきた現代社会の人たちではあるけれど、今一度立ち止まって、心が本当にそこに追いついているのかを考えてみてもいいのではないですか?」

これが倉本氏の講演会、最後の言葉でした。シビレました。″AIの進化″について倉本氏が今どんな風に感じているのか?を、聞いてみたくなります。

そんな倉本聰:原作・脚本の映画『海の沈黙』が、来週11月22日(金)から公開されます。主演・本木雅弘、共演・小泉今日子、中井貴一、石坂浩二、仲村トオルetc…。豪華キャストも魅力的です。

なんといっても、モッくんとキョンキョン、“花の82年組“の32年ぶりの共演は奇跡のような感じです。

今朝の『グッド!モーニング』に、映画のプロモーションで二人が出演しているのを観ました。

モッくんは、キョンキョンとの共演は「本当にありがたかったですね」と。男前なキョンキョンの何でも受け止めてあげる!的な器の大きさに、精神的にずいぶんと助けられたようですね。

“元恋人同士“という設定には「昔本当に、そういう関係じゃなくて良かった」と笑い合っていましたが(笑)。

お互いに十代の頃から切磋琢磨して芸能界を生き抜いてきた仲間意識は、とても強いみたいです。

「お互いにどんな存在か?」と聞かれたキョンキョンとモッくんのやり取りが、とても素敵でした。キョンキョンは“読書家“なので、こういった説明も自分自身の言葉や表現を使って説明するのが上手いですよね。

「こういう世界になぜか入ることになって、不安もたくさん抱えてた少年少女だったわけですけど、ちょっと走って『あっここまで来れたな…』で、ときどき横を見ると『あっ、本木さんもいる。ここまで一緒に走ってきたんだ。それぞれにね』そういう感じで、いつもこう、横を見て確認する人っていう…」
「まったくそういう同じ感覚ですね。やっぱり自分がズレてるのか、そうじゃないのかっていう…。お互いそういうことが確認ができるみたいな存在」

『グッド!モーニング』より

普段は離れていてもお互いにその存在を常に大切に想い合っているという、二人にしか分からないその関係性や絆がとてもうらやましく感じました。

世紀の贋作事件の鍵は、 若き日に消息を絶った 天才画家と遠い昔の恋人

世界的な画家、田村修三の展覧会で大事件が起きた。展示作品のひとつが贋作だとわかったのだ。連日、報道が加熱する中、北海道で全身に刺青の入った女の死体が発見される。このふたつの事件の間に浮かび上がった男。それは、かつて新進気鋭の天才画家と呼ばれるも、ある事件を機に人々の前から姿を消した津山竜次だった。かつての竜次の恋人で、現在は田村の妻・安奈は北海道へ向かう。 もう会うことはないと思っていた竜次と安奈は小樽で再会を果たす。 しかし、病は竜次の身体を蝕んでいた。残り少ない時間の中で彼は何を描くのか?何を思うのか?彼が秘めていた想いとは?

映画『海の沈黙』ホームページより

ストーリーは“贋作“がテーマなのでシリアスな雰囲気ですし、どんな展開になっていくのかまったく読めません。

倉本氏の集大成的作品ということで、これは観ないわけにはいきません。ぜひ劇場に足を運びたいと思っています。

いいなと思ったら応援しよう!