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表向きの理由とはいえ、"遅刻"がきっかけとは残念な「和牛」の解散

昨日の夜飛び込んできたニュース…。あまりにもびっくりし過ぎて、思わず大きな声を出してしまいました。

「和牛」が解散!?

私が「和牛」を知ったのは「M-1」。よく練られた緻密な正統派漫才で「M-1」の常連でした。優勝こそ確かに逃してはいましたが、私の心の中ではいつも「和牛」が優勝でした。"三年連続準優勝"の肩書きが逆にアダになってしまったんですかね…。

スッとした品のある川西と、ちょっと小太りで愛嬌のある水田。ビジュアル的にもバランスのいい最強コンビだと感じていました。

思い返せば「M-1」で名前が売れて『王様のブランチ』や『ヒルナンデス!』にレギュラー出演するようになり…。

「和牛」好きの私は漫才以外の彼らが観られるのは楽しみでした。でもいわゆるバラエティ番組の中では水田が生き生きとしていて、川西はどこかいつも冷めている感じも見受けられました。

まさに方向性の違いというか、純粋に漫才を突きつめたい川西と、タレントとして楽しくやりたい水田との温度差が生まれたのは仕方がなかったのかもしれませんね。

でも表向きのきっかけが"遅刻"とは、なんとももったいない…。

私の両親は共に、たとえば家を出るとすると10分前までには完璧に身支度を整えて余裕を持って出かけるタイプの人。待ち合わせするのも10分前には目的地に到着していて、必ず待つ方の人。

そういう両親を見て育ってきたせいか、私も"遅刻"とはずっと無縁の人生を送ってきました。極度の方向音痴なので(笑)、待ち合わせに遅れないように常に前倒しで行動するようになったのもありますが…。

友だちや夫との待ち合わせも常に待つ側の人間で、すっかり待つのに慣れてしまいました。おそらく昔々は"遅刻"をしてくる人に対して不満を抱えていたこともあったと思いますが、それすらもはや気にならなくなりました(笑)。

水田の"遅刻グセ"は"「M-1」燃え尽き症候群"みたいなところもあったと思うし、最初はほんのささいなきっかけに過ぎなかったのかもしれません。でもそれが積み重なっていくにつれて、お互いにこれ以上我慢できない限界点を越えてしまったんでしょうね。

次々と新しい世代たちが新しい笑いを生み出し、どんどん進化していくお笑いの世界。そんな中でも売れるのは一握りで、売れてからも自分たちの笑いに磨きをかけていかないと取り残されていってしまうシビアな世界。

もちろんこれはお笑いだけではなく、音楽でもスポーツでもあらゆることに通じる話だと思います。

川西は現状維持ではなく、自分たちの漫才をもっともっとブラッシュアップしていきたかったんだと感じます。その熱量が水田にとって徐々に負担になり、二人に埋められない溝ができてしまったのは悲しいことですね。コンビとして次なる未来像が描けなくなってしまったら″解散″のニ文字も仕方のないことなのかも…。

ここでドラマ『いちばん好きな花』の"二人組"の話がふと頭をよぎりました。

二人というのは難しい。あらゆる人数の中で二人というのは特殊で、二人である人たちには理由や意味が必要になる。二人は一人より残酷。二人は一人いなくなった途端、一人になる。もともと一人だったときより、確実に孤独な一人になる。

『いちばん好きな花』より

漫才コンビも"二人組"が基本。「和牛」の二人も来年の解散で一時期的には"孤独な一人ずつ"になってしまうわけですが、それぞれの次なる野望に向けて自分らしく前進していってほしいと願っています。

そして叶うことならまたいつか、"川西&水田コンビ"での漫才が見たいです。二人にしか出せない世界観と「もうええわ」がもう一度聴きたいなー。正直とても残念です。

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