立てないほどの悲しみに見舞われたとしても

特に予定がなかった土曜日。
ゆっくり起きて、スタジオにピアノを弾きに行って、一人で焼き肉を食べて、ボルダリングをして帰ってきた。
仕事で疲れ切っていたけど、とても気分転換ができた。梅雨入り前だけど、明日は晴れるみたいだし、きれいな景色を見に行こうと思う。

しばらく前にインスタのアカウントを削除した。
インスタの写真はどれもキラキラしていて、いいなー羨ましいなーと思うものばかりで、見ていていい気分転換をさせてもらっていた。
結婚や人生の節目などのとても幸せそうな写真もあって、ほっこりさせてもらっていた。
近況報告にも便利なんだろうなと思う。

私自身、人生において本当に大事にしたい瞬間、忘れたくない思い出というのは、これまでの人生で何度かあった。
でもそういうことは自分の中だけで大切に、独り占めしておきたい特別なものだから、安易にオープンにすることができない。ケチクサイけど。
様々なことがある人生の中で、一点の曇もなく生まれてきてよかった、生きていてよかったと言えるようなものだから出し惜しみしてしまう。

インスタでもそういうような瞬間が上がっているのだろう。だからなのかお腹がいっぱいになったような心持ちがして、もうそういったものは見る必要がないな、と思ってアカウントを削除した。

インスタを見ることがなくなって、人生の中での特別な瞬間というのはやっぱりどれだけ時間が経っても色褪せずに自分の中で光を放っていると気がついた。そしてそれは思い出すたびに私の心を幸せな気持ちで満たしてくれる。

昔、UVERworldの
哀しみはきっと
という曲をよく聴いていた。

立てないほどの悲しみが僕を選んだとしても
誰かがこの運命のくじを選ぶなら
僕は避けて生きるだけの人になりたくない
辛いのは分ってるけど明日笑えるように

聴いていた当初、この歌詞にとても励まされた。
人生はいろんなことがある。
立てないほどの悲しいこと、生きていてよかったと思える幸せなこと。

どんなことも起こりうる。
悲しいことも幸せなことも他の人と分かり合えるのは素晴らしいけど、私には必要ないかなと思う。

少し前に買った又吉さんの月と散文にものすごく励まされて何度も繰り返し読み返しているけど、やっぱり読むたびに心が動かされる。

恋愛は全て上手くいかない
人のせいにしても無駄だ
調子に乗るな
悲観してもいいから止まるな
信じられないくらい人に裏切られる
だが時間がもったいないから人を恨むな
人を羨むな
おまえはそんなもんだ
期待も絶望もするな