見出し画像

もしもゾンビが152

青い空を眺め、私は過ぎた日を振り返った。眠くなりうつらうつらとしているとチャイムが鳴った。ドアを開けるとユウキがいてミーティングの時間だと迎えに来た。ええ?もう?とボヤく。

カンノ、ノムラと合流して40階のミーティングルームに行く。コンシェルジュのミズノと昨日の夜に同じように避難してきた10人がいた。

テーブルに着くとA4の紙が配られた。そこにはゾンビ駆除の方法の他、当番制で専門分野に分けてグループに入ることなどが記されていた。

1人のグループ長を筆頭に約10人がひと組になる。その上にトップと呼ばれるグリードがいるそうだ。

専門分野は色々あって、例えば収穫当番は現存の畑から野菜を、配達当番はスーパーから食材を運ぶ。他に食事、洗い物、洗濯、掃除、ゴミ処理、教育、総務などがあった。これらの仕事がメインと呼ばれ、ゾンビ駆除又は菜園がサブというそうだ。

用紙に名前を書き込めば後にグループを知らせるとのこと。まずメインを選ぶ。私は食事当番にした。料理好きだし楽しそうだ。

次にサブを選ぶ。避難者約200人の半数がゾンビ駆除。あとの半数が菜園。ミッドタウン内で耕作する。そうか。手近な場所に野菜が必要だもんな、と思った。

サブを選ぶ前に、これからゾンビ駆除を始めるとのこと。まずはそれを体験して欲しいとミズノは真剣な顔になった。体験か…。鼻で笑った。

ミッドタウン内で自滅した者、まだ彷徨っている者も多くいるので率先してやって欲しいと彼女は述べ、フェイスガード、マスク、ビニール手袋、軍手、ロープを配った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?