セナ

100年後のお話を書いてます。アンドロイドが闊歩する世の中です。

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  • アンドロイド転生

    24歳のアオイは命を落とし、生まれ変わりました。80年後の未来。アンドロイドとなって…。

  • アンドロイド転生  あらすじ

    あらすじ、登場人物

  • もしもゾンビが   あらすじ

    あらすじ 登場人物 あとがき

  • もしもゾンビが

    ゾンビサバイバルストーリーですがゾンビが滅ぶまでと、滅亡した後の世界が終わって新たな始まりが主体です。わずかな人間が生き残るために模索、葛藤、奮起する物語です。

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アンドロイド転生 あらすじ12

949話〜1012(64話) 2119年3月〜12月の出来事 シオンはトウマに恋心を募らせる。しかしカズキに同性愛を見破られてしまい、暴露すると脅された。抗う事が出来ずに密会を重ねた。カズキは強者の立場でシオンにキスを強要する。 シオンはトウマに全てを告白する。実はトウマもシオンに想いを寄せていた。トウマはカズキの妻に悪行を暴露しカズキは去った。更にヒマリと別れ、2人は正式に交際を始めた。 サキはアンドロイドのケイと一生を共にする事を誓い遺伝子バンクで子供を授かる事を決

    • アンドロイド転生1028

      2120年5月20日 深夜 平家カフェ 客間 (回想 数時間前 池袋にて 帰路の途中) アリスの子供が欲しいと言う願いをリツは真っ向から否定した。見ず知らずの女性の卵子を利用する事にも不満そうだった。 「アリスはそれでいいのか」 「私にも…似た子供なら…」 「俺は嫌だね」 「お母さんはきっと欲しいよ!」 「母親を引き合いに出すな」 アリスは反省した。確かにこの場に母親を出すのは間違っていた。 「ごめん。お母さんじゃなくて…私が欲しいの。私…ずっと不安だったの…」 「

      • アンドロイド転生1027

        2120年5月20日 深夜 平家カフェ 住居部分の廊下にて 「アリス?どこ行くの?」 振り向くとリツの母親のマユミだ。パジャマ姿で不思議そうな顔をしている。 「今日は…客間で休みます」 「え?なんで?どうしたの?」 「色々…あって…」 「ま、まさか…あなた達…喧嘩したの?」   「はい。喧嘩をしました」 「な…何があったの…」 マユミの表情には信じられないと言う驚きの色が浮かんでいる。それもそうだろう。2人が付き合って10年。初めてだ。 通常、人間とアンドロイドのカッ

        • アンドロイド転生1026

          2120年5月20日 夜 池袋にて 帰路の途中 カノン達と楽しい1日を過ごした終わりに衝撃の事実を聞いてアリスの心がざわついていた。家を目指す道中はその事で頭がいっぱいだった。アンドロイドが妊娠、出産すると言うのだ。 以前から人工子宮を造っていると言う噂はあった。だがそれはまだ研究の初歩の段階だと思っていた。しかし既に完成しており治験が行われ、合計で100体のうち8割が無事に1人を出産したのだ。 つまり人工子宮から誕生した80人の子供が世の中にはいるのだ。いや…それは日

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        アンドロイド転生 あらすじ12

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          アンドロイド転生1025

          2020年5月20日 池袋 レストランにて カノンは科学の力で子供を授かった。人工子宮を借りてアンドロイドのハルカが産んだのだ。長らく民法の規定により“分娩した者が母“であったが、時の流れと共に法律が改定された。 カノンは微笑む。 「今は私が親だって認められてる。そうよね。現代は多様性の時代だもん。遺伝子バンクを利用する人も多いし、同性同士の子供も誕生する」 カノンは眠るダイキを見つめた。 「でも…やっぱり…他人が妊娠するって大変だよね。10ヶ月近くも血の繋がらない子を

          アンドロイド転生1025

          アンドロイド転生1024

          2120年5月20日 夜 池袋 レストランにて 病気によって子宮を失ったカノン。それでも親になりたかった。我が子が欲しかったのだ。だから科学の力を利用した。卵巣は残っていたので卵子を採取し遺伝子バンクで受精卵を作った。 その受精卵をアンドロイドのハルカが誕生まで育てたのだ。ハルカは40体目の治験体だった。最終的には100体が治験に参加して無事に出産まで至ったのは8割だったそうだ。 ハルカは出産まで受胎センターで過ごした。機材に繋がれ栄養を送られるのだ。腹部は弾力性ラバー

          アンドロイド転生1024

          アンドロイド転生1023

          2120年5月20日 夜 池袋 レストランにて アリス達はカノンカップルと息子のダイキと共にミュージアムに訪れて充分に楽しみ、レストランにやって来た。ダイキは満腹になり舟を漕ぐ。ハルカはダイキを抱いて外に出て行った。 カノンは窓の外のハルカを見つめた。 「私達は5年前から付き合ってるの。私は人間が恋愛対象にならないの。しかも…気が付いたら女の子が好きで…で…ハルカに恋をしたの」 カノンは語った。統合失調症は19歳の時に回復傾向を見せた。猛勉強をして20歳で高校の卒業認定

          アンドロイド転生1023

          アンドロイド転生1022

          2120年5月15日 平家カフェ アリスとリツの部屋 アリスの目前にカノンの立体画像が浮かび上がっている。恋人のアンドロイドがやって来て彼女の隣に並んだ。名前はハルカという。 『今晩は。アリスさん』 アリスは微笑んだ。 「いつもお店でお会いしていますね。そうですか。あなたが彼女さんなんですね」 『はい』 ハルカはニッコリとする。 『ナニーでハウスキーパーで執事で彼女です』 「沢山兼務されているんですね」 『はい。どれも楽しいです』 カノンは人間が苦手だと言った。だから

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          アンドロイド転生1021

          2120年5月15日 平家カフェ アリスとリツの部屋 『ねぇ?もしかしてさ…お店の…若い人ってジェネ?そしてさ?その相手ってアリス?』 若い人はリツのこと。ジェネとはアンドロイドと恋愛関係を結ぶ類の人間を指す。 アリスの目の前には立体画像が浮いていた。カノンだ。元ナースだったアリスの患者である。統合失調症を患っていたが完治した。カノンは28歳。一児の母である。息子の名はダイキ。 2ヶ月程前に新宿でバッタリと出会い平家カフェに訪れて食事をしてくれた。満足したようで時々やっ

          アンドロイド転生1021

          アンドロイド転生1020

          2120年4月10日 某大学 部室にて ユリウス・フレデリックが演劇サークルに入部した。長身で彫刻のような姿。金髪碧眼のまるで物語から飛び出してきそうな美しい顔立ち。彼はデンマーク王国の王子で20歳だ。 「コンニチハ。ボクは日本の文化が大好きデス。ダカラ留学して来マシタ。日本語はとても綺麗デス。もっと沢山勉強シマス。circleも楽しみデス。いつか歌舞伎をしたいデス」 部室内は拍手に包まれた。誰もがユリウスを歓迎していた。次にモネが立ち上がった。モネは新1年生だ。丁寧に

          アンドロイド転生1020

          アンドロイド転生1019

          2120年4月5日 都内某所 カフェにて (回想 半年前の9月某日 シオンの部屋) 「お前はなる。スーパーモデルになれる。俺が保証する。日本の底力を見せるんだ」 更にトウマは続けた。曽祖父(シュウ)はノーベル賞を受賞したのだと。 震災で没落した日本。誰もが再起はないと諦めた。だがシュウは挫けず未来を夢見た。アンドロイドが闊歩する世界を。そこに勝機を見出した。弛まぬ努力と信念でやり遂げたのだ。 シオンは感激していた。トウマはそんな凄い人の子孫なのか。そして僕らは何があっ

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          アンドロイド転生1018

          2120年4月5日 都内某所 カフェにて (回想 半年前の9月某日 シオンの部屋) トウマはシオンの夢を応援してくれる。いつかフランスへ行ってモデルになるのだ。離れていても自分達はひとつだと背中を押してくれた。そんな彼の言葉が嬉しかった。 シオンはトウマに近付くと彼の顔に手を伸ばした。そっと指が頬に触れてゆっくりと唇に移動する。トウマは目を見開いた。 「シ…シオン…」 トウマの胸が高鳴った。シオンは過去に性的被害を受けて深く傷ついた。だから癒えるまで接触を控えていた。

          アンドロイド転生1018

          アンドロイド転生1017

          2120年4月5日 都内某所 カフェにて トウマとシオンはショッピングを楽しみ、カフェにやって来た。人々がシオンに注目した。いつもの事だ。2人はコーヒーをオーダーして寛いだ。買い物は新入学に備えての物だった。 シオンは明日から大学生。外語大学を選んだ。彼は語学に興味があった。英語は高校でマスターしたけれど他の言語も覚えたかった。特にフランス語だ。いつかフランスに行くのが夢だ。 彼は将来を考えるに当たって、自分の強みを活かそうと決めていた。人よりも秀でている容姿だ。東洋人

          アンドロイド転生1017

          アンドロイド転生1016

          2120年3月20日 新宿区某所 公園近くの大通りにて 休憩時間に買い物に出たアリスの進行方向に女性がいてアリスを凝視した。気にせず軽く頭を下げて女性の横を通り過ぎた。 「ア、アリス…?」 「え?」 アリスは立ち止まって振り返ると女性を見つめた。メモリに顔認証をかける。この人は…。 「カノン様!」 「やっぱり!アリス!アリスだ!!」 「カノン様…。12年振り…ですね…」 アリスはタウンから逃亡する前は精神病院のナースをしていた。カノンは入院患者だった。 16歳の少女だ

          アンドロイド転生1016

          アンドロイド転生1015

          2120年3月15日 目黒区 サキとケイのマンション 体外受精で妊娠したサキ。遺伝子バンクを利用した。アンドロイドで恋人のケイによく似たドナーを選んだ。子供を産むなど考えていなかった彼女だがある日スイッチが入ってしまった。 昨年の11月に初めての体外受精に挑み、めでたく妊娠した。喜びで舞い上がった。お腹に命を宿すと言うことはこんなにも幸せなのかと思った。隣人で親友のツグミも心から祝福してくれた。 つわりを抑える薬は不要。サキはその言葉を後悔するようになっていた。妊娠4ヶ

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          アンドロイド転生1014

          2120年3月10日 東京都港区 タカミザワ家のダイニング 朝食の席。サクラコが微笑んだ。 「モネ。18歳。本当におめでとう」 アオイも執事のザイゼンも祝いの言葉を捧げた。モネはニッコリとする。 今日がモネの誕生日だが、一昨日にタカミザワ家では毎年恒例のバースデーパーティを開催し、多くの客が訪れてモネを祝福した。だが今年は誕生日の祝いだけではない。 高校を卒業するのだ。来月には大学生になる。モネはまた新しい世界を知るのだ。若さとは未知の連続だ。学び、理解し、吸収し、実践

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