L君のこと
今でもハッキリ覚えている小学校の同級生でL君という人がいた、普通に仲は良かったけれど友達だったかどうかと聞かれると自信がない、なにしろ相手がこちらのことを友達と思っていたのかどうかわからない。
そしてL君は頭が悪かった、こんな言い方は失礼かも知れないけれど、そういう印象が強く残っているのはテストの点数が常に良くなかったことに起因していると思う、小学校のテストのレベルなんてどう考えても大して難しいこともないのに悪かった、L君の2人いたお兄さん達も頭が悪かったとういう噂を聞いたのでそんなものかと思っていた。
ある時テストで自分の予想する点数を書けという担任の指令が下った、当たったからといって特別なにがあるわけでもない、さらに算数のテストで100点になるまで担任の前に並んで採点され続けるという方式までも加わった。
そこで偶然Lくんの後ろに並んだ自分は何気なくLくんのテストをみてしまった、L君の答案には予想点数100点に対して33点がつけられていた。自分は同情とか友情とかそういった類の感情は全くわかなかったがただただ自分がいたたまれなくなって自分の点数をL君にあげたい気持ちになった。
このことは何年経ってもずっと忘れないでたまに思い出す、予想点数100点と書いたL君の気持ちとそれに対して33点を付けざるを得なかった先生の気持ち、まあせめて花丸でもつけてあげれば良かったのになあと今になっても思ったりする。
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