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【書評】 株や投資信託で損切りが出来ない方は読んでみて「あー、あるある、これわたしのことだ」ってなります 『行動経済学入門―基礎から応用までまるわかり』

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。379冊目。

行動経済学、行動ファイナンスについて、初心者向けに網羅的に解説したもの。人間が人間であるかぎり合理的な市場など現れるわけがないということがよくわかった1冊。

これまでの伝統的経済学では、経済活動を行う人間は完全無欠の合理的人間が前提となっており、まるで非合理な人間の行動に対応できていなかった。

そこに颯爽と現れた行動経済学は、人間は非合理的であるという前提に立つものだ。

本書では、伝統的経済学と行動経済学の比較からはじまり、神経経済学、プロスペクト理論、認知的不協和、心理感情、フレーミング効果、コントロール願望、心理勘定、ヒューリスティック、初頭効果、代表性バイアスなどをシンプルに手短に紹介していてわかりやすい。耳にしたことがあるキーワードを一通り理解ができるようになる。かもしれない。

第1章 「心」と出会った経済学──行動経済学は何を変えたのか?
1 経済学は、「どこで」現実に気がついたのか?
2 行動経済学で「何が」できるのか?
3 不合理な意思決定の源は脳にあり!──神経経済学入門
第2章 なぜ合理的に決められないのか?──損失を恐れてダマされる心
1 「プロスペクト理論」──人間の「価値」の測り方を理論化する
2 認知的不協和──「明らかにおかしな選択肢」はなぜ選ばれるのか?
3 心理勘定──心の会計処理は矛盾だらけ
4 フレーミング効果とコントロール願望──私たちの決断は、なぜかくも「もろい」のか?
第3章 直感はどこまで当てになるのか?──何度も同じワナにハマる心
1 ヒューリスティック──勘を信用しすぎる人間たち
2 初頭効果と代表性バイアス──情報の受け取り方ですべてが変わる
3 私たちは、自ら進んで確率にだまされる
4章 行動経済学はどこまで応用できるのか?──市場分析から政策提言まで
1 市場のダイナミクスを行動経済学で解く!
2 ケースで学ぶ、行動ファイナンスとその応用
3 デフレは止められるのか?──政策実行のツールとしての行動経済学

この本から、気になったトピックをチョイスし掘り下げていくと面白く学べるのではないかしら。

私は投資失敗にいたる経緯の説明を読んでいたら、思い当たるフシがありすぎてアタマが痛くなりました。


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「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。